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2018年10月

やっと、やっと!

ムギから、避けられていた。

確かに、捕まえたのはママだよ。
ムギ、ご飯食べられなくなっちゃってたからね。
でも考えてみて?
毎日毎日、面会に行って、二時間も抱き合ってたのは、ママだよ?
ムギが治って、連れて帰って来たのも、ママだったでしょう?

なのに、会ってくれないなんて、辛いよ。

ムギは頭のいい子だ。
お外の子だから用心深いし、敏感だ。

また、捕まえられる?と怖いのもわかる。

でも、ムギは、わたしが降りて行くと、
その姿を見せ、顔が合ってから、わざと見ている目の前で、
物置小屋の下にもぐって隠れる、ということを、繰り返した。

ムギ。
そんな残酷なことをなぜするの?
会いたくないなら、ドアの音や足音でママが来るってわかるだろうから、
会う前に、隠れればいいじゃない。
なぜ、わざわざ、顔を合わせてから隠れるという、残酷なことを繰り返すの?

捕まる時間ではない夜中に行っても、
ムギはわたしが座るまで、小屋に入っていて、
座った途端に飛び出して隠れる、ということをやった。

わたしは、深く深く傷つき、
ムギの所に行くことが、怖くなった。
もうこれ以上、傷つきたくないよ。
もうママ、辛くて耐えられないよ。

それでも、もしも餌が空っぽだったら、とか、
もしも怪我をしていたら、とか心配で、
今日も約束の時間に行った。

ムギはちゃんといた。
車の横に居てわたしを見た。
そして、いなくなった。

物置小屋の下に潜んでいるのはわかっている。
だからわたしは、座って、ずーっとムギに話しかけた。
ムギね、病気だったから病院に行ったんだよ?
ママ、嘘ついてないよね。
捕まえる時も、「ムギごめん、病院行くから捕まえるね。」と言って抱き上げたよね。
毎日欠かさず、面会に行ったよね。

治って元気になって、連れて帰って来たのはママだよね。
なのに、どうして信じてもらえないの?
ママ、ムギが言葉を理解できること、知ってるよ。
だからいつも、本当のことしか言ってないよ?

なんでそんな残酷なことするの?
ママ、ムギに会いたい。会って触りたい。撫でたい。それだけなのに。

ジャリっと音がして、ムギが動いた気配がした。
わたしは淡々と話し続けてた。

すると、ムギが、近寄って来た。
わたしを見ている。
「ムギ、大丈夫。捕まえないよ。おいで。」
ムギは手の届かない距離を保って、爪とぎに座った。

「ムギ、ママに乗るのが怖いなら、食い逃げしてもいいから、おかかあげようか?」
と聞くと、欲しいですというので、
器に入れて、ブロックの上に置いて、それをムギに差し出して、
わたしは身を引いて見ていた。
しゃくしゃく食べている。
可愛い。久しぶりにちゃんとムギを見れた。

「ムギ、シーバも食べる?」と聞くと、「欲しいです。」という。
「じゃあ、もう少しこっちに来て、座って。」
ムギは、もう少し近寄って来て、座ったので、
手から一粒ずつ、シーバをあげられた。

ああ、もう今日はこれでも充分幸せだ、と思った。
10粒くらい食べて、ムギはプイっと庭に行った。
わたしがどう出るかを、ムギは見るつもりなのだ。
試しているのだ。
わたしは、わかっているから、そのままじっと座って待っていた。

すると、ムギが近寄って来て、まっすぐ、わたしに乗った!

ああ、ムギちゃん!
乗ってくれたの?

でも、何かをするときっと怖いと思ったので、体拭きもやらず、ブラッシングもせず、
ただただ、ムギの体を撫でた。
艶があって元気そうだった。

すぐに降りて、またシーバを食べる。
また乗る。
ゴロゴロ言う。
そこで夫が帰って来て、ムギは一旦降りた。
「ムギ、パパだよ。大丈夫。怖くないよ。」

夫が家に入ると、ムギはまたこっち向きに突進してきて、
わたしに乗った。
寒くなって来たので、ムギに小さい毛布を掛けてやり、
そこから30分間、ひたすらくっついていた。

ムギ、ムギ、会いたかったね。
甘えっ子したかったね。
ありがとう、怖かったのに、信じてくれてありがとう。
わたしはボロボロと泣いた。

首が痒いだろうと、左手でカキカキしてやったら、
ムギはお礼に、わたしの右手をざ~りざり舐めてくれた。
ムギはめったに舐めない子なので、本当の愛情表現なのだ。
嬉しかった。
幸せだった。

夫に詳しくメールで説明を送ったら、
夫は信じていないが、「キミがムギは言葉がわかるっていつも言ってるから、
今朝会った時に、ママを避けてるからママが傷ついてる!」と叱ってくれたそうだ。

夫も、朝はお姑さんの世話で忙しく、本当ならムギに構っている時間はないのに、
ムギがママに会ってないから、世話をして、ちゅーるをあげているのだ。

ムギは、言葉もわかるし、時間もわかる。
こちらの感情も伝わっている。
いつも優しいパパに叱られて、ムギもビックリしたんだろうな。

会ってもらえなかった一週間。
長かった…。
辛かった…。
血を吐くくらい、頑張ったのに、避けられて目の前で隠れられて、
どれほど傷ついたことか。


土曜日、夫と二人で、カラオケに行って回転寿司に行って、
発散して、二人で楽しかった。
夫は夫で、週に一回だけ来てくれているお姉さんから、
「ああしたほうがいい、これは良くない、頑張りましょう。」という長文ラインが来て、
忙しい中を来てくれてるのはありがたいが、
週7日のうちの、たった半日来てるだけで、
ああしろこうしろと言われて、心が折れて、
金曜日はお酒をくらって、ふて寝したんだ、と言っていた。

お互いに辛かったのだ。
発散して楽しく過ごして、お互いに良かった。

わたしは、11月3日が、3回目の出展。
準備はまだ少しあるけれど、当日は友達が手伝ってくれるから甘えちゃう。

甘えられるっていいよね~。
気持ちいいよね。

今日は本当に、いい一日でした。
幸せ。

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嬉しくて悲しい。

火曜日に、ムギは退院してきた。
もうすっかり元気で、人前でももりもり食べてますし、
排泄も大丈夫です、とお墨付きを頂いて帰って来た。

火曜日は小雨で寒かったので、
小屋のベッドを日曜日にドームベッドに替えて置いて良かった。
タクシーもすぐ拾えたし、ムギを、ムギのリビングに置いて、
封印しておいた小屋を開けて、
それから、キャリーをあけて、ムギを出させてやった。

ムギはキョロキョロと見回し、
それが自分の家であるとわかった途端、
ガレージのコンクリートの上で体をいっぱいに伸ばしてゴロンゴロンと転がり、
車のタイヤで派手に爪とぎをして、引っ掛かってしまって後ろに転び、
わたしが水を入れたりいろいろしていると、
寄って来て、「なんかくれ!」と鳴いた。

いつもはプイっとパトロールに出掛けてしまうので、あわてて、
箱の中に常備してあるおかかをあげると、
ムギは顔を突っ込んできてシャクシャク食べた。
そして器の水をゴクゴクという勢いで飲んだ。
いろいろ、我慢をしていたのだね。

そしてムギは庭をしみじみ眺め、
また戻って来たので、器に入れたばかりの餌を差し出したら、
顔を突っ込んで、ガツガツ食べた。

ああ、ムギちゃん、良かったねえ。
本当に元気になったねえ。
嬉しいな~、ムギが喜んでいる姿。

パトロールから帰って来たら、小屋で寝んねしなね。
あったかくしてあるからね。

やがてムギはパトロールに出掛けたので、わたしは部屋に戻り、
食事をして、ちまと一緒にお昼寝をした。

夕方、いつもの約束の時間に、ムギに会いに行った。
ムギは、いなかった。
小屋の中を見ると、餌は食べてあり、半分以下になっている。
ドームベッドが、なにやら気に入らないらしく、
潰して、その上に乗っていたらしい。
ドームが潰れてヘコになっていた。

呼びながら30分待ったが、ムギは現れなかった。
まさか、また敵と戦ってるんじゃ…?
不安に思いながらも、仕方がないので部屋に戻った。

制作をしていると、夫からメールが入った。
勝手口からふとのぞいたら、小屋にムギが入っていて、出て来た。
今、抱っこ中。とのこと。
ああ、良かった、元気だったんだ。
パパにも久しぶりに会えて嬉しいだろう。

そのあと、資源ごみをまとめるのに、母屋に行くと、
ムギは自分の爪とぎ台に座ってわたしを見ていた。
「ムギちゃん、ママ、夜中に会いに来るね」と声を掛けておいた。

そして、約束通り、夜中2時に会いに行った。
ムギの気配を感じた。
居るんだな、と思った。

けれど、小屋には入っておらず、車の下にも姿はなく、
いくら呼んでも、姿を現さない。

ムギ…
ママを避けてる?
それとも、敵がまだ居るの?

不安になりながらも20分、ずっと呼んでいたら、
物置小屋の下の隙間から、ムギが、にゅるん!と出て来た。
最初から、いたんだ。

わたしが来たのに気が付いて、物置小屋の下に、隠れたんだ。
そしてわたしを、試してたんだ。

ムギは爪とぎに座った。
手が届かない距離である。
「ムギ、隠れてたの? ママ、もうムギを捕まえないよ?」
「ムギ、病気だったから入院したんだよ? 治ったから帰って来たんだよ?
だからもう、病気にならない限り、捕まえないよ?」
「ムギ、ママを信じられないの? 怖くないよ?」
と、必死に説得して、ムギが、やっと、こわごわ、わたしに寄って来た。
そーっと片手を膝にかけたので、優しく抱き上げて、膝に乗せた。

「ムギ、ママを信じて? じゃあ、今は何もしないで、こうしてラブラブしてようね。」
風があり寒かったので、ムギにも小さい毛布を掛けてやり、トントンして、
もう大丈夫、捕まえないよ、と話して聞かせた。

やがてムギは座って、ゴッツンコしてきて「なにかくれ!」というので、
夫が夜にちゅーるをあげたと書いてあったので、シーバをあげたら、食べた。
そして、食べ終えると、いなくなってしまった。



今日はカウンセリングで、息せき切って帰って来た、ムギに会いに行った。
懐中電灯で照らしたら、ムギはちゃんと、爪とぎに座ってわたしを見つめていた。
「ムギちゃん! ママ、ムギに会いに来たよ!」
「ムギ、今支度するからちょっと待っててね。」
敷物を広げ、座椅子をセットして座ると、
もう、ムギの姿は、なかった。

物置小屋の下に、隠れたのだ。

ムギは、時間がわかる子なので、夜中には捕まえられないことを知っている。
だから夕べは渋々出て来て会ってくれた。
でも、夕方は、またママが捕まえるかもしれないと、怪しんでいるのだ。
会いたくて姿を見ていたくせに、
いざとなったら、隠れてしまった。

そこに居るのはわかっている。
わかっているから、ムギにずっと話しかけてた。
ムギ、ママもう捕まえないって言ったよね。どうして信じてくれないの?
ママ、毎日毎日、面会に行って、連れて帰って来たのもママだよね。
なのにどうして信じてもらえないの?
と、声を掛け続けていた。

そしたら、二階から、お姑さんが降りて来てしまって、
勝手口を開けられた。

お姑さんは、もう、わたしのことがわからない。
だから、いつも振り返らずに、知らん顔をしていると、
またドアが閉まって、明かりをつけたり消したり、鍵をガチャガチャやったりする。

でも、今夜は話しかけられてしまった。
「どちらさま?」
と聞かれて、名乗ってもわからないだろうなあと思いつつも、
フードを取って、振り返って、「伽羅子です。」と言ったら、
「あらそう。わたし、一人なのよ。寂しくて。」と言う。
「もうすぐ〇〇さん(夫の名前)が帰っていらっしゃいますよ。」
「そうお? あのね、わたし、寂しいのよ、一人なのよ、誰も居ないの。」
と、引き下がらない。
ますます、ムギが出て来ないじゃないか。

「みなさん、お仕事だから、誰もいないんですよ、
もうすぐ、あと20分で、〇〇さんが帰って来ますから。」
そう言っても、なかなかドアを閉めてくれない。
やっと閉めたと思ったら、中で明かりをつけたり消したり。

30分待っても、ムギは頑として、出て来てくれなかった。
そこにいるって、わかってるのに。
すごく悲しい。
信用されないって、こんなに悲しいんだね。
辛いよ。

「ムギ、じゃあママ帰るね。また夜中に来るから、その時は会ってね。」と言い残し、
餌を小屋に入れたら、
夫からメールで、auのなんとかの日で、チーズバーガーもらったから、
あげるよ、もうすぐ帰ると来たので、
勝手口の段差に、黙って腰かけて待っていた。

そしたら、ママが帰ったと思ったムギが、
物置小屋の下から、にゅるん!と出て来て、
わたしと顔が合った。
ムギはびっくりして、すぐに家の裏手に逃げた。

悲しいよ…。ムギを救うために、ママ、毎日必死だったのに…。

ちょうど夫が帰って来たので、事情を話し、
チーズバーガーをもらって、部屋に戻った。


信頼を築くのは、一歩一歩。
積み上げて行くしかない。
でも一瞬で崩れ去ってしまう。
また一歩一歩、会えない日を耐えて、積み上げて行くしかない。
仕方がない、仕方がないけれど、
ママは辛いよ。
ムギ、なんで信じてくれないの?

このあと、行くけれど、どうか会えますように。

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ムギの「尊厳」。

前回の記事では、早ければ土曜日には退院かも、と書いたのに、
あのあと、ムギはすっかり元気をなくし、
しかも、外部調査の結果、予測した「急性膵炎」ではなかったことが、判明した。

え、じゃあ、それって、逆に難しくありません?と、
先生に聞いたら、そうなんですよ~、と困っていらした。

急性胃腸炎か、そうでなければ、腫瘍が疑われるけれども、
悪性腫瘍である可能性は低いので、じゃあいったい何なのか、と
わからずにいて、今は対処療法しか出来てない状態です、と
正直におっしゃった。

ムギは、入院して、初回の面会時は、えーんえーんと泣いた後、
甘えたし、おかかも食べてシーバも食べたのに、
担当のドクターが休みの日に行くと、
あきらかに元気がなく、熱っぽく、機嫌も悪く、やさぐれている。
少しでもわたしが体を離すと、「ふううぅん!」と、怒る。

そして、「そろそろ、処置があるので…」と看護師さんが連れに来たら、
ムギは鳴いて抵抗し、ペシャンコになってテーブルにしがみつき、
それを無理やりはがしたら、オシッコをちびってしまった。

ムギ、辛いんだね。
ママも辛いよ。
どこが悪いかわからなくなちゃって、治療法も見つからないんだよ…。

入院二日目が、一番辛かった。

金曜日には担当ドクターがいたので、聞くと、
ムギは、夜中、人が居なくなるとカリカリを食べているらしい。
オシッコも自力で出せるようになった。
でも、昼間は何も食べず、ウンちゃんも出ていないとのこと。

なので、もう少し様子を見ないとお返しできない状態ですと言われた。
それはもちろん、構わない。
とにかく、「ムギを捕まえる」ということが、一大ミッションで、
いかに悟られずにキャリーを準備し、平静を装って捕まえるかを、
考えるだけで、胃がキリキリする。
なので、一旦捕まえられたら、とことん検査して、治ってからの退院がいいのだ。

わたしは、用事をこなし、制作をし、
思いがけず、初回の出展で、委託が決まったのでその準備にも余念がなく、
ムギとの面会には少なくとも二時間を使うし、
だんだん消耗して来た。

土曜日、ドクターが、
「ムギちゃん、食欲出て来て、ウェットなら人前でも食べてるみたいです。」とのこと。
確かに、一番やさぐれてた木曜日より、はるかに機嫌がいい。
多分、担当ドクターは、いろいろやられちゃうから嫌なんだろうけれども、
でも、他のドクターを、ムギは信用していないのだとわかった。
「で、ウンコは出ましたか?」
そう、要はここなのだ。

急性胃腸炎だったとしても、それが治って来て食欲が出て来たとしても、
出るものが出ないと、回復はありえない。
わたしは、多分ムギは、今年の秋の相手と闘って、勝ったけれども、
かなり消耗してストレスも大きく、
それで、便秘をして、消化不良をおこしていたのではないかと思うのだ。
膵炎は、わたしも経験したが、激しい痛みを伴うので、
触ってもギャンとも言わず、触らせてくれたということは、
膵炎のよう激しい痛みではなかった、と考えるのが妥当ではないか。
だとしたら、あとは、排泄さえできれば、ぐっと楽になる、と思った。

わたしも出展で緊張して、三日間出なかった。苦しかった。
その後、出るようになったら止まらなくなり、寝込んだ。
そういう感じ?
なので、ドクターに聞いてみた。
「ウンコさえ出れば、かなり楽になるんじゃないでしょうか。
猫に浣腸とか、綿棒で刺激、とか、駄目なんですかね?」

すると、ドクターはこう言った。
「ムギちゃん、点滴の針を抜いてしまうので、点滴をやめて、カラーも包帯も外して、
静脈注射にしたんです。その方がストレスがないからです。
排泄はもちろん大事ですけれど、何か手を加えて、ムギちゃんにまたストレスがかかることを、僕は避けたいと思って、待っています。」

わたしは、自分を恥じ入った。

ムギは賢いので、上手に包帯をほどいて点滴の針を抜いてしまう。
それを、大きなエリザベスカラーを巻いて制限すると、
餌も食べられないし、水も飲めない、
だから、点滴をやめて注射に切り替えて、カラーを外してくれたのだ。
だから今日のムギは機嫌がいいのだ。
それなのに、手を加えて、無理やりウンちゃんを出させてしまったらいい、と
思ったわたしの身勝手さを恥じた。

排泄は、尊厳である。
認知症になっても、オムツを認めたくなくて、
何とか自力でトイレに行きたいと思うのは、
そこに人としての「尊厳」があるからだ。

ムギにだってその「尊厳」が存在する。
猫だけれども、特別、プライドの高い子だから、
そんなことをされたら、惨めで耐えがたいことになるだろう。
ドクターは、その、「ムギの尊厳」を、大事に考えてくださっているのだ。
いいドクターだ。出会えて良かった。

ドクターが去ってから、わたしはムギに、懇々と言い聞かせた。
「ムギ、ご飯食べられるようになって良かったね。あとはね、ウンコをしなさい。
ウンコちゃんするとね、お腹がすっごく楽になって、
そしたらムギ、治ってお家に帰れるよ?
夜中、誰も居なくなったら、こっそりウンちゃんしなさい。恥ずかしくないよ?」
そう、繰り返し繰り返し話し、
「ね、ムギ、わかった?」と尋ねたら、
ムギはシッポを、二回、パタパタと振った。


日曜日は面会はなし。
わたしはムギの小屋を、冬仕様に交換した。
他にも部屋でいろんなことをやって、
夕方委託店舗さんに行ってディスプレーして納品が終わった。

ちょっと高いお総菜屋さんで買い物をして、
ちまの世話をして、自分はシャワーして、
洗濯をして、先日買って来た金具類を仕分けして片づけ、
洗濯物を干してから遅い夕飯にした。
それから、しばらくパソコンに向かった後、
次の出展にどうしても必要なものを数点作ってから、
明け方、寝た。

そうしたら、気分が悪くて目が覚めた。
ムカムカする。
やばい!と思って、飛び起きてトイレに駆け込んだ。

こんな時のために、トイレにはヘアゴムが常備されてある。

しばし悶絶したあと、何回か吐いた。
液体のみだった。
朝の9時過ぎだったと思う。

流そうと思って見てみると、吐いた液体は、赤かった。

え…
トマトも食べてないのに?

出血したことを認めたくなくて、そのまま流して、ベッドに戻った。
ウトウト眠りながら、夢を見て、
夢の中でも何回も気を失う夢を見ていた。

起きて、ムギの所に行かなくちゃ…。

しんどい。
疲れた。
でも全部自分由来。だから何の文句もない。

今日は病院が空いていた。
すぐにムギに会わせてもらえた。
ムギは落ち着いていて、ゆったりとしていた。
ドクターが来て、こう言った。
「ムギちゃん、もう人前でもご飯食べてますし、元気になりました。」
わたしは食い気味に聞いた。それで、ウンコは、出ましたか?

ムギ、昨日、出たそうだ。
シッポをパタパタさせて「わかったよ。」と言っていたが、
誰も来ず、処置もない日曜日に、ウンちゃん、出たんだ。
ああ~、もうこれで大丈夫ですね!

今日はわたしが行けるのが5時過ぎだったので、
連れて帰って夜に外に放すのは怖く、
明日の午前中に迎えに来て、昼間、放してやる。
ムギは帰って来ると、とにかく急いでパトロールに行くので、
気の済むまでパトロールし、夕方帰って来てもらい、会えたらいいな。

ムギに疑われて、また捕まる?と思われたらどうしよう。
信用、失っちゃたかな。
でも、毎日毎日、面会に行ったよ。

明日はムギを放したら、わたしはちまとお昼寝をしよう。

長い長い一週間だった。


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ああ、ムギちゃん!

昨日は、予約してあったので、マッサージに行ってから、
ムギを捕獲して、病院に連れて行った。

マッサージ師さんに、事情を説明したら、
ストレスのツボが全部カチカチで、動かせません、と言っていた。
ムギを騙して、一人で捕まえなくてはならない。
その重責に、潰れそうだったのだ。

本当はマッサージに行ってもまたガチガチになるのはわかっていたが、
予約を突然キャンセルすると、時間がぽっかり空いて、彼女の給料が減ってしまう。
だから、それは避けたいのだ。

今日は、急きょ作り直しをした、作品集のフォトブックが宅配で来るので、
それを待ってから、
ちまに餌をやり、ムギのクッションやらオヤツやら器まで持って、
バスで出かけた。

診察室が三つもある、いい病院なのだが、
昨日も今日も、激混み。
先生が二人しかいない。
受け付けにも誰も居ない。
看護師さんも、トリマーさんも、すごいスピードで働いている感が漏れて来る。
きっと人手が足りなくなってしまったのだ。

17時過ぎに到着して、面会と説明、と用紙に記入して待っていた。
面会室は、誰も使っていなくて空いているのに、
ドクターの手が空かないので、面会させてもらえないのだ。
基本的に、患者をケージから出してもいいのは、ドクターだけ、と決まっているのである。

なので、説明はもう、最後でいいから、面会室を使わせてもらえないか、
言いたいと思ってウロウロしても、
看護師さんさえ、出て来ない。
やっと看護師さんを捕まえて、申し込んでみた。
それがもう、17時40分くらいだった。
その間、ムギと過ごせたら、よかったのに!

ドクターが軽々とムギを抱いて、面会室に呼んでくれた。
やっと18時前に、会えた。
ムギは怒っているし、怖がって震えていた。
「ムギ、ムギ、ママだよ、会いに来たよ、ママ、ムギに会いに来たんだよ?」
ムギはしばらく鳴いていて、事を理解すると、
いつも入院してるときのように、
わたしの脇に顔を突っ込んで、
まるで小さい子が「えーん、えーん。」と鳴いているかのように、泣いた。

しばらくして、落ち着いて、どうやらママがしばらく居てくれるらしいと察知して、
顔をあげた。
目がしっかりしているし、熱もないし、大丈夫そうではある。
「ムギ、ママね、内緒でおかか持って来た。食べる?」とささやくと、
ムギはちょこんとお座りをした。
持って行った小さい器におかかを出すと、しゃくしゃくと食べた。

この間は、しぶしぶだったけれど、今日はしゃくしゃくと食べた。

それで、「ムギ、ママね、シーバも持ってるよ。食べれそう?」と聞くと、
ゴッツンコしてきて、食べると言うではないか!
器に出して、一粒ずつ、手からあげた。
16粒、食べた。
ムギ、食べれたね、すごい、良かった!

ちょうど、超音波の後だったようで、ムギのお腹は濡れていて、
ムギは毛づくろいをしていた。
手には、血液検査のための針が入っていて、赤い包帯が巻かれている。
それが嫌みたいではがそうとするのを、
手で隠して「ダメダメ。」と抑えた。

しばらくくっついていると、ドクターが入って来て、説明をしてくれた。
なんと、心臓は、今のところ、治療は必要ないそうだ。
ムギはもともと、左心房の弁にちょっと異常がある。
それが悪くなると、心肥大を起こすことになるが、心電図では不具合はなく、
心臓由来ではなかった。

血液検査と超音波、レントゲンの結果を考え合わせると、
「急性膵炎」が、最も疑わしいとのこと。
膵十二指腸の、リンパ節に腫れがあって、
それは、細菌由来か、悪性腫瘍かなのだが、
悪性腫瘍の可能性は極めて低い、とのこと。
膵臓の、LIPという数値が、一昨年は27だったのに、昨日は、85まで上がっている。
なので、胃腸炎か?とも思っていたが、
やはり急性膵炎で間違いないと思う、とのこと。

膵炎で間違いないかは、外部機関での検査になるのだが、
昨日もう、提出してくれたとのこと。
素早い対応で、ありがたい先生だ。


ムギは、夕べ、病院という環境なのに、カリカリを食べたそうだ。
それも、シーバではなく、通常食のcdという餌だ。
それを見て、ドクターは、膵炎だが、回復に向かいつつある、と思ったそうだ。

わたしは、胆管に管をはめる手術の時、
膵炎を発症した。
お腹がパンパンに張って、苦しくて、痛くて痛くて、
熱も高かった。
だが、ムギは、お腹を触らせてくれた。ギャン!とも言わなかった。
それをドクターに話すと、「割と軽症だったのかもしれませんね。」とのこと。

もし、膵炎ではない、ということになれば、内視鏡で内部を見たり、
腫れているリンパ節の組織を取って検査する必要があるが、
このまま回復して行って、膵臓のLIPという数値が下がれば、
ああ、膵炎だったのね、ということで、土曜日には退院できるかもしれないとのこと。

ただ、病院ではどうしても、あまり食べないので、
こうして面会に来たときに、出来るだけリラックスさせてやって、
飼い主さんから与えてやってみてください、と言われた。

ムギを抱いて泣いた。
ムギ、ムギ、良かった、そんなに重症じゃないみたいだよ。
お腹、痛かったんだね?
お腹痛いよって、言ってくれれば良かったのに。

でもムギは、「具合悪いの?」とわたしが質問した時に、
ちゃんと、シッポでパタパタして、「そうなんだよ。」と答えてくれたのだ。
だから、病院に行こうと決めたのだ。
具合が悪くて、不安で、だからあんなに激しく甘えて、
しがみついて離れなかったのだ。

病院が終わるまでいようと思っていたら、他に面会を待っている人がいるので、と、
新顔のナースさんが、ムギを引き取りに来てしまった。
ムギは嫌だ!と鳴いて、ペシャンコになって、テーブルに貼り付いてしまった。
ムギ、明日も必ず来るから!と約束して、泣く泣く別れた。


帰宅して、ちまにおやつをあげたら、
ちま、吐いた…。

もう、出展までに、何かを作るのは無理だ。
どうしても補充したいものだけを、作って、あとはちまムギを大事にし、
自分も体調を崩さないようにして、来月の出展を迎えよう。

幸い、作り直したフォトブックは、まあまあ、いい出来だったので、
明日、それを持って、委託先のお店に行って相談して来る。
あれを頑張っておいて、本当に正解だった。
突貫だったけれど、きちんと直して、それなりに見られるようなものになった。

ムギが重症ではなく、回復に向かっているような様子、で、良かった。
あ、ちなみに、結石はなかったそうだ。
レントゲンには、時々、無いものが映り込むそうで、
超音波では、なかったそうだ。良かった。

疲れちゃった。
でも、ママが命を守るからね。
来週から、夫は出張でほぼ留守状態が続く。
ママ、頑張る。

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命を預かるという責務。

夏の間は、ムギとわたしのあいだは、つれない。

暑くて、くっついていられないし、乗れないし、
蚊に攻撃されて辛いので、せいぜい30分~40分、そばにいるだけだ。
ムギも、隣に伏せをして、わたしの脚にアゴを乗せるくらいしかしない。

秋口になると、今度は、冬に向けて、テリトリーを盤石にするために、
ムギは闘いに出て行く。
もう、当時のノラ猫たちは見かけなくなったので、
ムギとサクラ以外は淘汰されたのだと思っていたが、
夕方、ムギを呼びながら待っていると、
道の向こう側から、猫の争う声が聞こえる。

当然、片方はムギだから、ああ、あれでは帰って来れないな、と諦める。
夜の9時とかになるとやっと帰って来れるらしく、
何回か夫が「ムギ帰ってるよ」と知らせてくれて、会いに行った。

それでも、このところ、冷えて、ひざ掛けをするようになって、
ムギが喜んで乗るようになった。
ムギがわたしの脚に乗るのは、ひざ掛け必須なのである。
闘いは、終了したらしい。
ムギは、額に大きな怪我をしていた。
血で毛が固まってしまっていたので、持っているハサミで慎重にカットして、
傷口を確認して、化膿止めの塗り薬をせっせと塗ってやった。

ムギが乗るようになって、んん? なんか変だな、と感じたことがある。
拍動が、激しいのだ。
呼吸が荒いのかと、鼻先に指を持って行って確認したが、
息が上がっているという感じではない。
あきらかに、春までの時より、ムギの体が上下するのが、激しくなっている。
おかしい。
「心肥大?」
わたしの脳裏に、ふとそんな言葉が浮かんだ。

夫に、ムギの拍動が激しいんだけど、と言ってみたら、
「はあ~ん? 気にしない、気にしない。」
という、間の抜けた返事。

わたしだって、気になんかしたくない。
だけど、毎日、乗せているから、違いがわかるんだよ。

定期検診は毎年2月。
それまでこれを放置してもいいのだろうか。
わたしは一人で悩んでいた。

子育てをしたことがあるから、わかるのだ。
一見、普通に遊んでいても、あ、この感じ、熱を出す前の雰囲気、とか、
わかるものなのだ。

夫だって、奥さんを亡くして、子育てをしていたのだから、
あながち、素人でもなかろうに、
そういう変化にうといし、そもそもが、人の痛みや苦しみに対して、
彼はひどく無関心である。

病気で大切な奥さんを亡くしたのだから、
きっと大事にしてくれると思ったのは幻想だった。
「ガンでもないのに。」
「死ぬわけでもないのに。」と、
わたしが胆のうの摘出をするときの、個室代を渋った。

そうだよ、確かに、胆のう摘出では、死なないと思うよ。
癌でもないしね。
でも大部屋でのストレスで、鬱病が悪化したら、
鬱病は、最も「死」に近い病になるからね?


ムギが真冬の小屋の中で倒れていて、意識が混濁している姿を見て、
夫を叩き起こしたら、
「ムギが選んでそこに居るんだから。」と、切り捨てようとした。

所詮、先妻さんほど大切な命は、他にはないということだ。
ムギがそのまま死んでも仕方がないということだ。
わたしもいずれ、同様に切り捨てられるのだ。


ムギは闘いに決着がついたようで、
傷も癒えてきたし、毎日機嫌がよく、
会いに行くとちゃんと時間を見計らって帰って来て待っていてくれて、
歓喜の声を挙げてローリングして、歓迎してくれた。
そして、脚に乗って、降りておかかとシーバを食べて、
また脚に乗って、時にはスピスピ寝てしまうような毎日を、このところ過ごしていた。

ところが、一昨日から、突然、ムギが、食べなくなった。
一昨日、夕方行ってみると、熱烈歓迎してくれて、
わたしのひざ掛けをした脚に乗って、ずっとグルグル言っている。
朝、夫にもらった餌は、全く口をつけておらず、綺麗な山型。
なのに、「おかかくれ!」と、言わない。
あれ、おかしいな。

「ムギ、今日はどうした? おかか、食べる?」と聞いてみたが、
ムギは無反応なのである。
その前日までは、器に入れている間にもう、顔を突っ込んできて食べたのに。

これは、おかしい。
おかかを食べないときは、病気、という、方程式がわたしにはある。
あの冬、倒れてた時も、夜の10時に、おかかを受け付けなかった。
そして夜中2時に行ったら、倒れていて、
真冬なのに、しっぽが小屋からだらりと出ていたのだ!

ムギを触ると、顔のまわりがよだれでぐしょぐしょ。
ムギ、ムギ、と呼んでも、「ううう…」と小さく唸るだけで、意識が混濁していた。

あの姿を、夫は見ていない。
だから、あの恐怖がわからないのだ。

あの時、夜間救急の専門医に車で駆け付けて、
あと数時間で、死んでいましたよ、と言われ、わたしはガクガク震えた。

その恐怖を、彼はもう、忘れてしまったのか。
それとも、先妻さんを亡くしてしまったからこそ、
もう、どの命に対しても、執着がないのだろうか。


夜中にまた来るね、と約束して、夕べ夜中に行くと、
ムギは車の前にきちんとお座りして、待っていてくれた。
そして、何か食べれる? ちゅーるにする?と聞いてみたら、
ちゅーるなら食べたいというので、あげたら、それは食べてくれた。
でも、カリカリには一切口をつけていない。
ひたすらわたしに乗ってしがみついている。

抱き上げて、抱きしめて、耳元で、
「ムギ、具合が悪いの?」と尋ねた。
ムギには言葉が通じる。
ムギは、シッポをパタパタ、と二回振って、具合が悪い、と答えた。

朝の様子を、昼休みの夫に聞いたら、
小屋に居たらしく、夫がトイレに入ったら、出て来て呼ばれて、
ちゅーるは食べたよ、でも、カリカリは手つかずだったから、
交換しといた、とのこと。

ちゅーるしか食べれない。
拍動が大きい。
甘え方が異常。
不安がっている。

これはもう、病院に行くしかないと決めた。

夫に頼んでおいたのに、ムギのキャリーバッグを出しておいてくれなかったので、
午後、そーっと母屋の勝手口から忍び込んで、
そーっとキャリーを出し、
ガレージの棚の上の方に、口を開いて置いて、
タオルで隠した。

ムギの餌も持って行けるように準備した。

夕方の、お姑さんの介護ヘルパーさんが帰らないと、ムギは帰って来ない。
ムギはなんでもわかっている。

わたしは、動物病院の担当の先生に電話をして、
事情を説明し、
診察時間までに捕まえられなくても、捕まえたら、すぐに入院させたいと、
申し出た。
その先生は、今夜は宿直ではなかったので、19時までに来れない場合は、
19時に、また電話をください、何とかします、と言ってくれた。

ヘルパーさんは、ベラベラ喋って長居するので、
ドアに、「本日は都合があるので、時間通り、17時30分にはお帰り下さい」と、
貼り紙もした。
音で聞いていたら、ヘルパーさんは、17時34分に帰って行った。

それから、暗くなるのをちょっとだけ待って、
いつもの恰好で、いつものテンポで、悟られぬように、降りて行くと、
ムギはもう、車の前に座って待っていてくれて、
きゃあきゃあと鳴いて喜んでくれた。

もし、カリカリが減っていたら、病院、やめようか、と思って見てみたが、
餌は一切減っていなかった。

わたしが何食わぬ顔で座って、ムギを呼び、
ムギが喜んで乗って来た。
頭を撫でて、「ムギ、ごめん。ごめんよ。」と言って、首輪に指を絡め、
抱き上げて、そのまま、棚のキャリーを降ろし、
ストンと中に、ムギを入れることに成功した!

ムギはものすごく、怒った。
怒って怒って鳴いた。
ごめん、ごめんムギ。ママも辛いよ。
でも、ほっておけないよ。病院、行くからね。

キャリーを持って部屋に戻り、トイレにムギを置いて、
自分が着替え、ちまに餌をやって、
ムギを背負って出かけた。

通りには、タクシーどころか、車もほとんど通ってなかったので、
ゼイゼイ言いながら駅まで歩いて、駅からタクシーに乗った。

病院に着くと、ムギはもっと怒って鳴いた。

重篤な患者さんが多いようで、
長く診察室から出て来ない飼い主さんが多く、
診てもらえたのは終了時間間際だった。
担当の先生が、途中、目が合って、アイコンタクトしていたので、
「良かった、捕まえられたんですね。」と言って歓迎してくれた。

電話でも説明はしたが、紙に書いたここ数日間のムギの様子を渡して、
また説明した。
食べないことが一番心配だが、わたしとしては、拍動が大きいのが気になると伝えた。
その時点でもう、19時過ぎていたが、
何とか、レントゲンだけ撮って、今、見せてもらえませんか?と、
お願いをした。
あとの検査は、もう入院と決めているので、明日以降、じっくりやってもらえばいい。
胃に異物とか入っていないかを、どうしてもすぐに見たかったのだ。

それをわかってくださって、レントゲンだけ撮ってくださった。

胃も、腸も、空っぽで、異物は、無し。
よかった、へんなものうっかり食べてたら、と心配だったのだ。

腎臓の形が、左右で違っているのが気になる。
そこで、先生が「あ、結石がある!」と気が付いた。
膀胱内に結石があるのだ。
「でも、尿閉塞はしていないですね。」とのこと。

拍動・呼吸を気にしていたわたしに、先生はこう言った。
肺は、綺麗なので、肺の問題ではありませんね。
心臓の形が丸くなっていて、肥大していると思います、とのこと。

「心肥大」

先週、わたしの脳裏をかすめた言葉がそれだったのだ。

ムギはきっと、苦しいんだと思う。
だから不安でたまらず、あんなにめちゃくちゃ、甘えるんだ。
帰るよ、というと、しがみついてくる、
あれは、ムギが苦しくて不安だったのだ。

体重が激減していたことにも先生は驚いていた。
夏場は食欲が落ちるし、毛もごっそり抜けたから、小さく見えるのかな、と
思っていたのだが、
実際にムギは痩せてしまっていた。

2月の検診の時、5.6キロあったのが、今は4.7キロしかないという。
それもおかしい。

明日以降、血液検査、尿検査、超音波、とにかく、
せっかく捕まえられたのですから、全部ちゃんと検査して、
病気だったら治療をしましょう!とドクターが言ってくれて、
その通りだと思った。

わたしは、ムギが心配のあまり、ほとんど何も食べていなかったので、
家にも何もないし、
ちまには餌を与えてから来たので、隣のファミレスで夕飯を食べようと思った。
ムギを無事に預けて、急に、空腹を感じたのだ。

それで夫に、「帰ったら、すみませんが、ムギの餌を処分して、
小屋の入り口を封鎖しておいてもらえますか?」とメールした。

そうしたら、来た返事は、
「今日は仏教の勉強会で、帰りは遅くなります。」
だった。

は~。
そーですか。
それって、勉強会が遅くまであるのではなくって、
その後の飲み会で遅くなるってことですね。
ムギが具合が悪くても、飲み会に行ける度胸、すごいっす。

まあ、この入院でまた一杯ムギにお金がかかるから、
夫さまは、それを働いて払ってくれるんだから、いいですよ。
全部一人でやりますよ。
あてにするから辛いのであって、
最初から一人だと思えば、お金払ってくれるんだから、ありがたいことですよ。

わたしはオムライスを食べて、バスで帰って、
コンビニに寄って甘いものを買い、
そのままムギの部屋に行って、
餌を捨てて、水を捨てて容器を洗い、
小屋を封鎖して、敷物や用具入れなどすべてにビニールをかぶせて養生した。

帰って来たら、21時だった。
ヘトヘトだ。

明日からは、毎日面会の日々になる。
ムギはわたしから離れないだろう。二時間は居てやらないと。

制作やら委託の納品やらで忙しいけれど、
仕方がない、
命より優先されるものなんて、何もないよ。
補充できなかったら、新作だけちょっと作って持って行こう。
それしか仕方がない。
委託優先だし。

頑張れわたし。
そして、どうかムギが元気になって帰って来れますように!
ムギも頑張って!
ママ、毎日、会いに行くからね!


長々と読んでくださりありがとうございました。

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突っ走りました。

出展を終えて、二日ほど寝込んだ。

二日間の出展に、それぞれ、友人が来てくれた。
金曜日には、20年来の、大お得意さまで、今は友人である人。
大お得意さまなのに、ディスプレーを手伝ってもらって、コキ使ってしまった。
使いっぱしりにも行ってもらった。
酷いよねワタシ。

そして、新しく出来た友人も、来てくれて、
頼んだもの以外に、すごく気の利いた差し入れをしてくれた。
二人とも、手伝ってくれたのに、お買い上げもしてくれた。
容赦なくお金を受け取るわたし。

手伝ってくれたことに関しては、別の形でご恩返しをしたい。
作品を安くするのがサービスではないと思う。
それを理解しあっているからこその、関係が成り立つと思うのだ。
手伝ってあげたのに、安くしてくれなかったと(こっそり値引きはしている)、
そう思うような人は、来ないと思っている。

なので、「ごめん、友達なのにコキ使って、しかも容赦なくお金もらうね。」と、
謝っておいた。

作品は、まず、デザインを考え、それに似合う色を作り出し、
一つ一つ、手で作り、焼いて、色を差したりニスで仕上げたり。
名前を付け、値段を考え、
ディスプレーを試しにやってみて、図面を描いておいた。
それをもとに、値札や説明書きを手書き。

そういう手間を、理解してくれて、情熱を理解してくれて、
そして、わたしが数年ぶりの出展で、いっぱいいっぱいなのもわかってて、
来てくれてるんだ。

本当に助かった。
彼女たちがいなかったら、やれなかった。断言できる。
来月からは、勝手がわかったので一人で頑張れるよう覚悟しておかないと。

日曜日には、またその、大お得意さまで友人である彼女が、
わたしより先に会場に来て、待っていてくれた。
どんなに心強かったか!
金曜日にディスプレーをやってくれたので、彼女の頭にはもうしっかり入っていて、
なにも指示しなくてもどんどんやってくれた。
だから、なんと、オープン時間より前に、ディスプレーが完成したのだ。

そこへ、25年来の、大お得意さま兼、生徒さん兼、友人が登場。
彼女は、わたしの応対を一字一句覚えて、
わたしが他のお客様の対応をしていたり、梱包をしている間、
上手に説明をして、上手に売ってくれた。
そして、おつり銭入れのポーチも彼女に丸投げ。
わたしがアッセンブルしたり梱包をしている間に、
ちゃんとお会計を済ませておいてくれた。

そして、わたしが大好きな、まい泉の、エビカツサンドと、ヒレカツサンドを、
差し入れに持ってきてくれてた。
高いのに…。

二日にわたって来てくれたほうの彼女が、帰る時、
わたしは抱きついて泣いた。
ありがたくてありがたくて、ああ、ずっとこの人と繋がっていて、
わたしは幸せだと思った。

その後、メールも届かず、手紙を出しても音沙汰のない、
もと生徒さんが、来てくれた!
それにもわたしは泣いた。
いろいろ、ご家庭であって、今は実家のほうに居ることが多くて、
つい先日マンションに行って、わたしからのDMお手紙を読んで、
これはもう、行くしかない、と来てくれたのだった。


かつて出版した本を、「買いました! 持ってます!」という人2人に会ったり、
営業をしておいた着物屋さんが来てくださったりして、
感動に満ちた二日間の出展だった。

6月から、コツコツ準備して来ていて、
でも、何も結果は出なくて、落ち込むことも多く、
けれど、自分に負けないで、頑張った成果が出たのだ。

けれど、それはわたしの力ではなく、
支えてくれた、応援してくれた、手伝ってくれた、来て買ってくださった、
わたしのまわりの人々のおかげである。


この世は、人と人とのつながりで出来ている。
そこを、どうつかんで、どう育てるかが、自分の生き方であって、
20年を超す付き合いを大切にしていたこと、大切にしてもらえてたことに、
わたしは感動した。

今年は、親しかった美容師さんとの別れがあり、
マッサージ師さんが体を壊されて、行けない時期も長く、
人に裏切られるようなこともあり、波乱の年明けだった。

でも、終盤にさしかかって、思い返すと、
物づくりをまた始めたことによって、
わたしは息を吹き返したと言える。

マヤ歴というのをすこし学びに行った。
わたしは、「顕在意識」が、「赤い地球」で、シンクロを起こしやすい人間。
「潜在意識」が「青い手」で、手で物づくりをすることで、人を癒せる人間だとわかった。

わたしの、「青い手」。

あ…
ショップ名に「あお」を入れたのは、これだったのか?
(今、気が付いた。そしてこれがシンクロというもの。)

リウマチの副作用で薬を減らし、その結果、炎症反応は上がってしまった。
でも、小さいものなら作れる。
実験したところ、11グラムが、最大、練れる量だとわかった。
12グラムはもう、手が辛いのだ。

出展が終わって、二日ほど寝込んで、
それから、カタログとなる、作品集にとりかかった。
夕べ、無事に入稿した。


天然石でアクセサリーを作っていた当時の、
あのものすごいエネルギーが、逆に怖い。
毎日何点も作り出し、ネットショップに上げ、それ専用のブログもやっていたし、
全国に、委託店舗が5か所あった。
そして、しじゅうあちこちに、出展していた。

あの当時は、もう少し若かったし、お姑さんもしっかりしてらしたので、
夫が出展に付き合ってくれることも多かった。
ちまも病気になってなかったから、長く留守番させていた。
ムギにはまだ出会っていなかった。

あれで、実はうつ病ではなく、躁鬱病だったことが判明し、
坂道を転がるように作れなくなり、
リウマチも発症した。

だから、今後は、絶対に無理をしない。

出展は、一年のうち、秋冬の6か月間のみ。
しかも、一か月に、たった一日のみ。
委託店舗は一か所のみ。
そう決めた。
それで充分わたしの創作人生は充実する。

それでいい。
人間関係を大切にし、猫たちとの時間も大切にする。

そうやって、丁寧に生きて行こうと思う。

ありがとうね、みんな!

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秋の色の新作です。
次回出展時にお出しします。

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いよいよ出展です。

記事の更新が滞っており、
すっかり病気ブログでもなくなった感がありますが、
明日、いよいよ、数年ぶりの出展です。

場所は、横浜・関内駅地下街「マリナード」
関内駅北口を出て、左の階段を降りると、そこは昭和のムード漂う、
「マリナード地下街」です。

突き当りまで行きますと、正面が「いとぐるま」というラーメン屋さん。
その左手に少し階段があって、エリクシオールカフェがあり、その前に広がる広場、
「マリナード広場」が、開催場所です。

毎月、第一土曜日の開催でしたが、
初めての試みで、この10月は月曜日から7日の日曜日まで、
一週間、開催されています。

作家さんも日替わりで、入れ替わったりするので、
関内駅を使われている方は、毎日帰りにちょっとのぞいてみても面白いはずです。

開催時間は、
明日金曜日までの平日が、12:30~18:30です。
土日は、11:00~17:00となっておりますので、お間違いなくお願いします。

楽しいワークショップも色々あります。

イベント名は
「関内駅チカアート市」といいます。

わたくしは、明日金曜日と、7日日曜日の、二日間出展いたします。
もしよかったら、にぎやかしに来てみてください。
手作り作家さんたちの可愛い雑貨が、とてもリーズナブルに手に入りますよ。

明日は、12時半のオープンとともに、
J.COMさんの、取材カメラが入ります。
映りたい方はぜひお越しください!
にぎわってる感が出ると、主催者も作家も、喜びます!

わたしの屋号は「えどいろ」です。
ブースの位置はわからないんですが、
テーブルに茶色の布をかけ、
派手な手ぬぐいで装飾しているので、すぐ見つかると思います。
良かったら来て、お声をかけてくださいね。

どうやら台風の影響は大丈夫そうですが、明日は雨が降るかもしれません。
でも大丈夫! 
だって、地下街だから!

日曜日の最高気温の予想が31度!
…冷房施設はありませんが、日差しは入りませんし、風も吹きませんので、大丈夫!
お気をつけてお越しください。

来月からも毎月一日だけ、出展いたしますので、また新作を作ってはご案内いたしますね。

本日はお知らせのみで失礼いたします。

一人でも多くの方に出会えますように!

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