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文化的に遊ぶ。

わたしに、趣味は?と聞かれたら、
カラオケって答えるだろうけれど、
趣味って言えるほどには、頻繁には行ってない。

好きなこと、やりたいことが、いつもすべて、仕事としてでないと、
嫌だったのだ。
だから、儲かりもしなくて、それだけでは食べて行けなかったのに、
樹脂粘土の仕事を12年もやっていた。

やっと社会に認められて、講師を育てる講師としてやってもらいたいと、
言われてた矢先に、
事件が起きて、巻き込まれて、
わたしは、仕事がやれなくなった。

イラストを描かねばならないのに、
ペンを持ってデスクに向かっても、手が動かないのだ。
あれほど無尽蔵に湧いて困らなかったデザインが、もう浮かばないのだ。

それで仕方なく、別のアルバイトをしながら生きていた。
そのうちにうつ病を発症して、なにもやれなくなった。


再婚して、アパートに越して、一人になり、
天然石のアクセサリーを始めた時も、
趣味でいいとは全く考えなかった。
だって、自分はアクセサリーを、しないんだもの。

とにかく、仕事として発信していかないと、
わたしは、駄目になってしまう体質なのだと思う。

天然石のアクセサリーは、好調だった。
でも、本来が、ものすごく「石」が好きでやっていたので、
損得勘定なしに、売り上げは石を買う資金につぎ込み、
貯金は増えなかった。

個展が、東日本大震災でダメになってから、わたしは急激に下り坂に入り、
自分が「躁鬱病」であったと、やっと自覚した。

人さまに売ってお金を頂くことが怖くなって、創作をやめた。

そして母屋の炊事に手を出して、リウマチを発症した。


今は、こうして文章を綴ることも、創作の一部であると思っている。



ところで、とある体験会に申し込みをしておいたら、
応募者多数で、抽選になったようなのだが、
わたしに、当選しました、という案内が来た。

寄木細工の体験会だ。

若い頃は、そんなに興味が無かったので、箱根に行っても、
寄木細工をちゃんと見たことがなかったのだが、
人形屋に勤めている時に、日本の伝統文様を必死に勉強していて、
その素晴らしさに目覚めて、
それを、木の色だけで、組み合わせて再現している寄木細工ってすごい!と
思うようになった。

見に行きたいと思い、夫に連れて行ってもらえないか聞いたら、
朝6時に出発出来ないんなら行かない、と言われて、
そんな意地悪を言われてまで行かなくていいや、
いずれ友達とロマンスカーで行こう、と思っていた。

そんな去年だったので、体験会のお知らせを見て、
軽い気持ちで応募していたのだった。


わたしは、ずっと、体験会を主宰する側の人間だった。

樹脂粘土の仕事をしている時、
作品を売るだけでは収入にならないので、教室を始めて、
生徒さんを募っていた。

定期的に個展を開催したり、アートマーケットに出展もしていた。
賞もいただいたことがある。

それを見に来ていた百貨店のバイヤーの目に留まり、
デパートで個展をやり、体験コーナーを併設して、
また、友の会みたいなところで定期的に開催させてもらっていた。

しんどかったのは、イクスピアリでの、ゴールデンウィークから母の日までの、
20日間くらいの、ぶっとおしの体験会。
朝から夕方まで一日に何度もやる。
終いにはストレスで吐いた。

ホビーショーでは、粘土を輸入している会社のイベントで、
体験をやる係だったので、人が押し寄せていて、当然、立ちっぱなし、
喋りっぱなしの激務。
会社側の人たちは、交代でお昼ご飯を食べに行っていて、
「先生も食べて来てください。」と言われるのだが、
順番待ちをしている人たちを待たせてご飯に行けるはずもなく、
三日間、ほぼ飲まず食わず、トイレに行くのがやっとな激務をこなしてきた。

だから、ホビーショーに、遊びに行って、体験をやったことが無いのだ。


寄木細工の体験は、すごくすごく楽しかった。

まずは行ったことがない土地へ一人で行けるよう、
夫が地図を用意してくれて、
グーグルのストリートビューを2回見せられて、
行った気になって覚えて、と教えてもらった。
その甲斐あって、無事にたどり着けた。

応募者多数だったので、隣の人とはぎゅうぎゅうだった。
緊張した。
そうだ、わたしは、こんなに他人の中に放り込まれる経験は、
しばらくしてないのだ。

講師である作家さんはお若くて、気さくで、色々質問させてもらった。
主催者さんの手際も良く、嫌なことは一つもなく、
楽しく終わることが出来た。

本当に楽しかった。

夫が、夕方帰って来て、猫たちの世話もしてくれるというので、
その日は思い切り、羽を伸ばした。

いつもは、出かけても、ちまとムギが空腹で待っていると思うと、
のんびり見て回れないのだが、
夫に餌をやってもらっているので安心。

わたしは早い夕飯をゆっくり食べて、
新宿の高島屋の、東急ハンズを、8階から1階まで、全部、見て回った。

何という贅沢!

寄木の体験は安かったが、気に入った作品があったので買ってしまった。
ハンズでも5,000円くらい買い物をした。
それでも、抑えたほうだ。

とても楽しい一日を過ごして帰って来た。
夫には一杯お礼を伝えた。

夫は一人で、ばあさんと猫二匹の世話をして疲れたよ、とメールが来たので、
体験会のことを喋りたかったわたしは、
夫に、部屋で一緒に飲まない?と誘いをかけて、
夜中まで喋った。

そして夜半すぎに、コトンと寝て、11時間半、眠った。
ちまが何度も起こしに来ていて、
目覚めたら、ちまが頭の横に座っていて、可愛かった。
子猫のときみたいだった。


今日は、一杯家事をした。
料理もした。

ちまも可愛がって、ムギともラブラブした。


ずっと、調子が悪かったけれど、きっともう大丈夫。

文化的に遊ぶって、こんなに気分がいいものなんだね。

また、何かの体験に行きたいなあ。
楽しい一日だったよ。
幸せだった。

                                          伽羅moon3

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