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頼れる人が居る。

今現在は、父への尊敬も少し薄れてしまったが、
わたしは、ファザコンだった。

父は、満州で、卒業すれば日本の官僚に確実になれるという、
非常にレベルの高い学校に行っていた。
寄宿舎生活だったそうで、親兄弟とは離れて暮らしていた。

ところが、14歳で終戦を迎え、
学校にとどまるよう言った教師の言葉を信じず、
友達と寄宿舎を抜け出し、
父はかすかな記憶を頼りに、日本人だとバレないように、
貨物列車に隠れて乗って、
家族の元へ帰った。

もう会えないだろうと諦めていた両親は、非常に喜んだそうだ。

ただ、学歴は、もう何も、残らなかった。

14歳でそんなことをやり遂げ、
日本に引き揚げて来てからは、
抜け殻になってしまった父親の代わりに闇市で稼いで、
母親と兄弟姉妹を食べさせていた。

なので、就職が遅れて、やっとどこかに、と思った頃には、
いい仕事が見つからず、
ものすごく優秀だったのに、工場の三交替勤務に就くしかなかった。

その会社は、一種類ではなく、いろんな事業を手掛けていたので、
最初は電機部門に居たらしいが、建材や、液体窒素を扱う部門にも回され、
父はその結果、配線なんて楽々やれるし、
小屋ぐらいなら建てられる人であった。

わたしは、父のそういうバイタリティが好きだった。
何でも出来て、知識が深くて、話し上手で面白い。

わたしは、父のように何でも出来て、
かつ、栗の皮をむいてくれるような人と結婚するのが夢だった。

最初の結婚は失敗だった。
何を頼んでも、「めんどくさい、なんで俺がやらなあかんのや。」と
すべて断る奴だった。
そのくせ、仕方がないから友達に頼むと、
「なんで他人に頼むんや!」と怒鳴るような、
最低な男だった。

離婚できたことは、いまでも最高に良かったと思っている。


今の夫は、父をしのいで、何でもできる。
知識量も半端ないし、パソコンのことだって詳しい。
薬についても色々知っているし、なにせ料理まで上手だ。

ほかにも、こういう場合は、人の気持ちとしてはこうするもんだよ、と
教わることも多い。
わたしは、自分のことを、本当にまだまだ無知だなあと思う。

猫たちの世話や病院だって、主にわたしがやっているが、
要の時は、相談すると、的確な答えが返って来る。
それを骨組みとして暮らして行けば、
わたしは安泰だと思う。

わからないことを教えてくれる時、ちょっといつも怒ってる、とか、
何かで気に入らないと、それを独立させて考えることが出来ず、
あっちもこっちも気に入らない、みたいになっちゃう欠点は、あるけれど、
基本、とても頼りになる人なので、
わたしは、この人と結婚出来て、良かったなあと思っている。

居酒屋で魚を食べる時、ちゃんとほぐして、食べやすい部分を、
わたしのお皿に乗せてくれる。
カニもむいてくれるし、きっと栗もむいてくれるだろう。

こう思えるようになるまで、10年かかった。
そう、今年で結婚して10年になるのだ。

お互いの思惑やリズムが合わないので、別居でしか暮らせないが、
わたしは夫を尊敬しているし、
すごいなあとも思っているし、
何かの時に、頼れるって、本当にありがたいことなのだ。

わたしは親に「問題を持ち込まないで、心配させないで。」と
言われ続けて来たので、
具合が悪いことも隠さなければならなかった。

それは今でも、ほとんど言わないけれども、
寝付けなくて朝になってしまって苦しい時、
「寝付けなくて辛い。」と夫にメールをすると、
返事が無くても、寝付けることがある。

言える相手がいるということが、必要なのだ。


夫がいてくれれば、わたしの親が死んだときも、頼れて安心。
地元の幼なじみや、近所の親しいお姉さんと連携してもらい、
どうにか切り抜けよう。

そうそう、親が死んだとき、猫たちをどうしようかと心配していたが、
今度ちまも行く、動物病院は、
ペットホテル併設なので、預ける方がいいね。
お薬を飲ませたりしないといけないから、家族に頼むのも無理だもの。

ちまは、可愛く元気にしている。
というか、お気に入りのドームベッドに入り浸りだけれどね。
胃が荒れていて、毛艶が悪かったのか、少しいいように思う。

順調に回復してくれるといいなあ。
                                             伽羅moon3



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