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ちょっとずつ寂しい。

こう言うと失礼だが、
ちまは、ムギほど賢くはないので、
しかもとっても食いしん坊さんなので、
餌で釣ったり、餌でごまかしたりすることが可能だった。

甘えたそうにしていても、わたしが忙しいと、
おやつをちょっとやって気分を変えさせたり、
ムギのところに長居して、戻って来るとちまは怒っていて、
でも、ご飯をあげればケロッとしてくれたり。

とにかく、餌さえあれば、扱いやすい子だったのだ。

それが今回、調子を崩して、
口元に、大好きなスープを持って行っても、
頑として、飲まない。
何も食べない。色々並べて置いておいても、
匂いを嗅ぐだけで、お水を飲んでベッドに引きこもってしまう。

どうしよう。
どうしよう。
あんなに食いしん坊のちまが、食べものを拒否するだなんて。

お薬だって、もう「絶対に」飲ませなくてはならないレベルのものばかりだ。
それを、毎日、毎食、オブラートに包んで湿らせておかかの粉をまぶして、
カリカリに混入してきたのは、
いくらめんどくさくても、
押さえつけて、口に放り込んで無理矢理飲ませることを、したくないからだ。

ちまには、いつもかも、天真爛漫でいてほしいからだ。

夕べはとうとう、頑として何も口にせず、
わたしは、今日はリウマチの診察で朝に起きなくてはならないのに、
心配すぎて寝付けなくて、頓服と睡眠薬を足して飲んだ。

起きるのが辛いこと…。
ほとんど寝てないし、体には睡眠薬が残ったままなんだから、
もうフラフラで、あちこちにぶつかってばかりだ、

ちまに、何とか薬を与えたい。
まずは液体の薬。
ここぞという時のためのちゅーるに、液薬を足して混ぜて、
少量を、ちまに差し出した。

ちょっと匂いをいぶかしんではいたが、舐めてくれた。
よっしゃ!
一個クリア!

だけど、絶対に飲ませなくてはならない薬は、あと4錠もある。

この、食の細さで、どうやって与えたらいいのか。
しかも昨日からほとんど食べてない状況を、見ていていいのか。

昨日、T先生は、「どんな些細なことでも大丈夫ですので、気楽に電話してきてください、必ず何とかしますから。」と言ってくださった。
ありがたくて涙が出る。

辛いのは、孤独なのだ。



わたしが、前夫との離婚を決意した決定的な出来事は、
息子が肺炎で死ぬかもしれない入院に、
一緒に行って欲しいと頼んだ時、
「なんでワシが行かなあかんのや!」と、言い放ったことだ。

お前が父親だろうが!
お母さんもその咳だと同じ肺炎かもしれませんから、
息子さんを入院させたら、検査を受けるようにと言われてたのに!

こんな、人生で最も大事な時に、
役に立とうと思わない男なんて、要らない。
いない方がよっぽどマシだ。
捨ててやる。
わたしは、そう決意したのだった。

後日このことでもめた時、
「一回断られたら、もう一回頼め!」と言いやがった。
テメエは何様のつもりじゃボケがっ!と言っておいた。

6月の大雨の朝、咳で苦しむ息子と、入院の荷物を抱えてタクシーに乗り、
一旦出て、何か食べて来て下さいと言われて、
雨の中、二人でロッテリアに行き、
二人で咳き込みながら食べた砂のような味のハンバーガー。
一生忘れない。

この子を守れるのはわたしだけだ。
わたしが守るしかない。


今、夫は仕事と家事と、お姑さんのことで手一杯なので、
ちまとムギのことは、わたしが一人で頑張るしかない。

T先生の真摯さと優しさは、心に染み入る。

寂しいのとは、また違う「孤独感」。
これは、一緒に住んでいる家族がいようがいまいが、関係ない。
この「孤独感」に、人は耐えられないのだ。


複数人の子供を育てるお母さんは、尊敬に値するよ。
わたしには出来ない芸当だ。
わたしは、一人しか愛せないのだ。

今はひたすらちまが心配で、ちまがいとおしくて、
どうしたらちまが食べてくれるか、どうしたら元気が出るか、
そればかり考えている。


ムギに寂しい思いをさせている。
もちろん、会いに行ってちゃんと世話はしてるが、
滞在時間を短くしたので、ムギも寂しいのだ。
今日は珍しく、脚に乗った後、胸によじ登って来たので、
胸に抱きしめて、ムギの匂いを久しぶりに嗅いだ。
ムギは、ムギ臭がする。ちょっとホコリ臭い、独特の匂い。


みんな、ちょっとずつ、寂しいから、一緒に生きようね。

ちま、食欲がないから、沢山出されると、ええ~ってなっちゃうみたい。
ちょこっとずつ、回数を多くして、お薬も混入して、出すからね。
頑張って食べて。お願い。

                                         伽羅moon3



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