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コツコツと、信頼を築き上げる。

人と人でもそうだが、
信頼は、築き上げていくのに、膨大な時間が必要なのに、
崩れる時は、一瞬なのだ。

崩れてしまったら、
また一から、石を積み上げて行くしか、他に方法はない。
ショートカットできる便利な道もないし、
勝手に石を積み上げてくれる、便利な重機もない。

自分の手で、一つ一つ、一日一日、
積み上げて行くしかないのだ。

相手がムギだから、お世辞もきかない。
餌でもつられない。
真実の言葉しか信じず、約束は守らねばならない。

人間の子より、はるかに大変だ。

ムギがムギの意志で来てくれない限り、
抱きしめることが叶わないからだ。

自分の息子なら、抱きしめて泣いたり泣かせてやったりできるのに、
ムギが警戒をしていて、来てくれなければ、
わたしは触ることもできないのだ。

なんという悲しさ。

なのに、夫には不用意に大きな音を立てられて、
せっかく乗ってたムギが逃げてしまい、
わたしは怒りに満ち満ちて、頓服を飲んでばかり。

イライラして、何も手に着かないよ!



今日は昼間、出かける時、振り向くとムギが日向ぼっこしていた。
わたしは戻って、門扉の外から声をかけた。
「ムギ、ママ、夕方、暗くなってから行くね! 今から出かけるから。
夕方行くから、待っててね!」
ムギは、だまーってわたしを見つめていた。

帰って来てちまの世話をして、急いでムギの所に行く。
ムギは小屋の中にいたようだ。
わたしの足音を聞いて出て来て、
わたしが到着すると、車の横にいた。

それは、ともすれば、すぐに逃げ出せる場所である。
安心はしていないよ、という意味である。
わかってる。

今はとにかく、ムギの信頼を回復することが最大の重要事項だ。

「もう捕まえられることはない。
今までと一緒だよ。
誰も邪魔しないよ。」
これらを、また、信じてもらわなくてはならないのだ。


ムギは、甘えたくて寄って来たものの、
乗って来るのには、まだ勇気が足りなくて、
手の届かない、微妙な距離を保って、わたしを見ている。

ムギ、大丈夫。
もう捕まえない。約束する。
いつもと同じだよ。
ママに乗って、お体フキフキしよう?

ムギは小さい脳内で迷っている。

寄って来て、乗らずに、座った。
まずはおかかが食べたいとのこと。

仕方がない、そう言うなら、いつもと順序は違うけど、
おムギさまの言うようにいたします。

おかかを差し出すと、しゃくしゃく食べた。

そして、行ってしまった。

また食い逃げされて終わりか?

わたしは根気強く待った。
ムギはわたしを試している。
自分がつれない態度をしても、ママがちゃんと居てくれるかどうか。

車の前に行って、こっちをうかがっているのだ。

わたしは、物音を立てないよう、
静かにムギを、ひたすら待った。

30分弱経って、ムギが小さく鳴きながら、わたしの後ろに現れた。
ビックリしたが、そこは落ち着いて、
「ムギ、おいで。のんのして。」と、脚にいざなった。

ムギがとうとう、乗って来てくれた!
やった!

でも、油断は禁物。
大きい音を出したら、おしまい。逃げられてしまう。

わたしは、体を緊張させて、静か~に行動した。

ムギ、大丈夫だよ、いつもとおんなじね。
お体フキフキするよ。

音を出さないように、ウェットシートの箱を取り出し、
シートを抜いて、歌を歌いながらムギを拭く。
楽しい気分になるように明るく。

「ムギ、お腹ちゃんは?」というと、ムギがお腹を拭ける様に、
体勢を変えてくれた。
「ありがとうムギ~。いい子だねえ~。」

そのあとは、ブラッシングして、そーっと毛布を掛けた。
去年の手帳では、毛布すらビックリされたと書いてあったので、
「いつものムギの毛布だよ~。怖くないよ~。」

そして、やっとムギが、落ち着いた。

夫にメールを入れた。
わたしは今夜は、ムギから降りるまではずっと付き合うつもりだ。
当然、途中、夫が帰宅する。
なので、お願いメールを送った。

「今やっと、ムギが乗ってくれました。お静かなご帰還をお願い致します。」

夫は、足音は引きずっていてうるさいし、
門の開けたてや、郵便ウケのガチャガチャも激しいので、
それをされたら、せっかく勇気を出して乗ってくれたムギが、
また恐怖で逃げてしまう。

夫の帰宅が近づいて来たので、もう一回、念押しした。
「まだ乗っています、郵便物は夕方おかあさんが、だして行かれました。」

つまり、郵便受けをガチャガチャせず、ひたすらそーっと帰って来て欲しい、
というお願いだ。


夫は、脚を引きずらず、静かに帰って来てくれた。
すごいかっこよくてスマートな人が帰って来たようなムードだった。

ムギにも、これから帰って来るのはパパだよ、
でももう、ムギを捕まえないからね、大丈夫。
ママを信じてね、と耳打ちしておいた。

なので、夫が静かに帰って来てくれて、
おかげでムギは逃げ出さなかった。
夫、やればできるんじゃん!

そのあとも、ムギが自分で降りるまでは、と乗せていた。

夜20時を過ぎて、納得したのか、ムギが伸びをして降りた。

「ムギ、ママ帰るね。また夜中に来るよ。」
そう約束して、帰った。


こうやって、毎日毎日、コツコツ、
信頼を積み上げて行くしか、方法はない。

だからどうか、邪魔せず、静かにして欲しい。                                          
                                        伽羅moon3



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