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ごめんよムギ!

昨日は、お姑さんがデイサービスに行っていた。
出入りには、ガレージの勝手口を使用している。

つまり、勝手口の真正面にある、ムギのお部屋は、
しょっちゅう誰かが出入りするのだ。

母屋は、玄関の鍵がテンキーなので、もれたら大変。
なので、ヘルパーさんたちには、勝手口を使ってもらうよう決めて、
夫が、色々準備をしたのだが、
人を怖がるムギが、居心地が悪くなって、
居なくなってしまわないかという心配は、あった。

実際、いなくなってはいなけれども、
ものすごく慌てて小屋を飛び出したんだな、という形跡が、
見て取れる日も多い。

餌がばらまかれ器は吹っ飛び、ムギ用の毛布もあっちに行っちゃってる。
きっと、お姑さんを送って来る介護施設の人が、
うるさいか、ムギに声を掛けたりするのか、
どちらかなんだと思う。

それに耐えて、居てくれるムギに、感謝するよ。


昨日はお姑さんがデイサービスから帰宅したのが、
18時15分頃。
それを待っていて、それからムギに会いに出た。

すると、まだ、ドアの鍵を閉めてもいないのに、
わたしがアパートから出て来た、イコール、ムギに会いに行く、と
知っているムギが、
まだ、わたしの姿が見えてもいないのに、下から大声で呼んできた。

わたしの玄関の周りは、乳白色のトタンで目かくしされてあるので、
階段を降り始めないと、姿は見えないのに、
ムギはもう、待ちかねていたようで、大鳴きして呼ぶ。

可愛いいいい。

愛情のストックもなくなって飢えていて、
見たらお皿も空っぽ。お腹もペコペコだったんだね。

わたしがきちんと座る前にもう、乗って来ちゃって、
ムギったらもう、可愛すぎるよ。

それで、ムギから降りるまで、乗せておいた。
風が強くて寒かったので、ベッドの端っこに、カイロを仕込んで、
部屋に戻った。



夜中、いつものように2時に、ムギのところに行った。
夕方より風が減ったとはいえ、かなり冷えていて寒い。
ムギは小屋でぬくぬくしていてくれるかな?

そう念じながら行くと、
ムギは、なんと、小屋の中の、ドームベッドの中にではなく、
ドームベッドをつぶした形で、ベッドの上に乗り、
どうにかこうにか、体が小屋に入っているけれど、という、
とんでもない状況だったのだ。

え?
なにこれ?
何が起きたの?

ムギのシッポと脚は、小屋にしまいきれずに、空中に出ている。
「ムギちゃん、どうしたの!」
わたしが声をかけると、ムギは小さく、「きゅ~ん。」と鳴いた。
悲しそうな声。

ああ、そうか。

ムギ、ベッドの入り口が、へしゃげてしまって、中に入れなかったの?
それで仕方なく、ベッドの上に無理やり入って、寒さをしのいでたの?

ああ、ムギちゃん、ごめん!
ごめんよ!
ママのせいだね。
ああ、こんな寒い日に限ってなんてことに…。


今、小屋に入っているドームベッドは、
ムギと出会った時に、とりあえず買ったものだった。
まだ、ムギはノラ猫で、ガレージや庭に居ついていて、
わたしにも慣れてきたので、
わたしは片道30分も歩いて、ホームセンターに行き、
売れ残っていた、ショッキングピンクの、このベッドを買ったのだ。

そこに、古くなったカシミヤのマフラーを入れて、
わたしの玄関の前に置いた。


出会って二か月くらい経過したころで、2月の、最も寒い時期。
ムギは自分にあたらしく付けられた名前をすぐに覚え、
わたしが二階から「ムギ~!」と呼ぶと、
どこからともなく、出て来て、
わたしが餌の袋を振ってみせると、
怖かっただろうに、勇気を振り絞って、二階まで階段を上がって来たのだ。

それで、ベッドを置いてやったのだ。
わたしが、起きて、ドアを開けると、ムギがちんまりと入っていることがあった。
カイロとか入れてあげれば良かったのにね。
ムギは、魅力的すぎる猫だった。


どうしてもムギが欲しくなり、
自分の猫にしたくて、
夫の反対をおして、部屋に入れた。
その、ショッキングピンクのベッドをまずはお風呂場に設置して、
しばらくムギを室内に慣らした。

だから、もう、丸三年も使っているし、
洗濯をするので、ちょっとへたってきていて、
今年はもう、そのベッドに、防寒のために、ひざ掛けをかぶせると、
ちょっとひしゃげて、入り口が狭くなった。

ほぼ、ムギがいるのかどうか、見えない。

けれども、わたしには、そのことを、ムギが逆に喜んでいると、
思い込んでいた。
入り口がひしゃげて、狭いから、風も吹き込まないし、
自分の姿も見られにくい。
隠れ家としては、いいんじゃないかと思い、
この冬は、これをこのまま、使うつもりだったのだ。

なのに、こんなことになって…。

わたしは自分を激しく責めた。

新しいベッドは、実は去年の冬の終わりに、
セールになっていたものを、買ってあるのだ。
それは夫の寝ている部屋の隣の和室の押入れにある。

今年から、それを使えば良かったのに!
ムギ、ごめんよ、ムギ、寒かったね。

ムギは、鳴きながら降りて来て、わたしに乗って、
しばらくしたら、ちゅーるを食べたいと座ったので、あげたら、
それきり、ぷいっと出かけて行ってしまった。


夜中にベッドの入替えをするわけにはいかないから、
夫に、事情を説明したメールを送り、
とにかく、手元にあるものだけで、
どうにか、ムギがベッドに入れるようにしなくては、と、
いろいろやってみた。

餌を置くのに使っていた木の板を、小さいフリースで包んで、
輪ゴムでとめて、
それをドームベッドの内側に立てて、
入り口を広げた。

こうしておいたら、ムギが明け方の寒い時間帯に、
ベッドに入れる。

けれども、ムギに不自由をさせ、寒い思いをさせた責任で、
辛くて苦しくて、わたしは泣いて、
とても寝られる状態になかったので、
強い頓服を、飲んだ。

頓服は効いて、眠ることが出来た。


しかし、朝の夫からのメールに、
わたしはがっくりと来た。
朝、夫が見に行くと、
ムギはやはりまた、ベッドには入っておらず、
ひしゃげたベッドの上に乗って、どうにか小屋に入っていたそうだ。

なんということ…。
入り口は広げておいたので、絶対に入れるはずなのに。

でも、つまりそれは、
入れなかった、のではなく、入りたくない、何かの理由があるということだ。

それを取り除いてやらないと、ムギはベッドに入れず、
凍えてしまう。

ベッドを取り替えよう。

わたしは、降りて行って、母屋の和室の押入れから、
買って置いた、新しいドームベッドを取り出した。
夫にねだって買ってもらっただけあって、しっかりとした作りで、
ちまのに比べたら、はるかに硬さがあって、いい。
良かったよ、買っておいて。

夫がやって来て、忙しいだろうに、手伝ってくれた。

小屋の屋根を開けて、全部を引っ張り出して、
敷物をし、ベッドにはホットマットを仕込み、
小屋の中にそのドームベッドを設置し、
隙間風で寒くないように、タオルで背面を封じ、
ベッドにはひざ掛けをかけて、防寒した。

ベッドの中の敷物も新しくして、端っこにはカイロを入れて、
餌も定位置に入れた。

ムギは、帰って来たらすぐ、ベッドが変わったことに気づくはずだ。
入ってくれるだろうか。

引きずり出した古いベッドを、嗅いでみたが、
所詮、人間の嗅覚ではわからない。
でも、ムギにとって、何かしらの、入りたくない理由があったのだと思う。

お願い、ムギ、新しいベッドに入ってね!


そう願いながら、ちまの病院に出掛けた。

ちまは、異常なし。
次は3月に、一年に一度の大検査とワクチン接種。


帰って来て、夕飯支度に参加して、
ちまの世話をしてから、ムギのところに行った。
懐中電灯で照らした時には、居なかったのに、
わたしが車の後ろに回ると、ムギは爪とぎの上に座って、
きゅ~ん!と鳴いた。
待っていた時の声だ。

果たして、無事にベッドに入ってくれたのかどうかは、わからなかった。
ただ、餌は全部食べて空っぽになっていた。

わたしに乗って、ムギはゴキゲンだった。
ムギ、夕べ、寒い思いしちゃったね。
新しいベッド、すごくいいから、入ってねんねしてね。
一時間ちょっと、一緒に過ごした。
ムギが降りたので、わたしは部屋に帰った。

このあと、会いに行くが、ベッドに居てくれるかどうか、ハラハラする。
どうか、入って居て欲しい。
気持ちが伝わりますように!

ムギが寒くありませんように!
                                           伽羅moon3


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