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見捨てないで!

色々なことが、いっぺんに起きてしまった火曜日。

寝起きに、起きた大事故とは、美容師さんからのメールだった。

先日「少数精鋭」というタイトルで、
わたしにとっての大切な美容師さんのことを書いたが、
もう本当に、彼女じゃないと、ダメなのだ。

いつも感謝していたし、色々差し上げて来ていたし、
話もいっぱい聞いてもらって、聞いて、
二人で一杯笑って、
楽しく過ごしていた。

けれども、そのメールの内容は、
「今の店を辞めようと思います。伽羅さんのことは、一生担当させていただくつもりでしたが、申し訳ありません。」
という話だったのだ。

寝耳に水とはこのことだった。

店長さんと彼女の二人しかいない店なので、
店での待遇とか、給料の話とか、
一切、聞いたことがなかった。
彼女も、愚痴を言わないで来た。

だから、もうすぐに辞める、と決まっているメールだったので驚いた。

わたしと居る時は笑っていたけれど、
実は、雇用状況がひどくて、店長もひどい、ということを、
そのメールで初めて知ったのだ。

まず、時給制ではなく歩合で、たった35%しか、もらえてないそうだ。
なのに、長く店にいることを強要され、
店ばかりか、ビルの廊下や階段の掃除までやっていたのに、
時給は派生せず、ただ働き。

彼女は、小学生のお子さんが二人いるが、
ご自分のお母さまと同居しており、
お母さまが、子供たちの帰りを待っていてくれたり、
家事も手伝ってくれるので、頑張って働いて来れていた。

けれど、どう考えても給料が安く、
交渉しても、ならばもっと客を連れてくればいいとか言われ、
この条件が嫌なら別にいてもらわなくても、という店長だそうで、
次々に、美容師さんが辞めて、
彼女一人になってしまっていたのだそうだ。

一軒家の住宅ローンもあるし、今後お子さんにもっとお金がかかるし、
もう限界だ、と思って、
店を変わることにしました、と書いてあった。

そんなにひどい状況だったなんて、全く知らず、
しょっちゅう会っているのに、愚痴も聞いてあげてなくて、
わたしは申し訳がなかった。

それで、知り合いが開いた、カラー専門の店に行こうと思います、
明日、面接に行ってきます、とのこと。

待って、カラー専門店、ってことは、
もうわたしのシャンプーは、してもらえないってこと?

わたし、どうすればいいの?

わたしは、彼女の人柄と、シャンプーの技術に、惚れぬいているのだ。
水恐怖症のわたしは、うつ病になってから、髪を洗えなくなり、
いつもベトベトだった。

再婚してからは夫が洗ってくれたが、
強めにやって、というと、爪を立てるので、頭皮に傷がつく。

アパートに越してからは、お風呂が狭すぎて、
しかも追い炊きもついてないので、無理になり、
やがてわたしは、彼女と出会い、
シャンプーのために、美容院に通うことになった。
当時は、シャンプーが1,000円だったので、安いものだった。

彼女がスタイリストに昇格し、店を変わったので、着いて行った。
シャンプー料金は、二倍になったが、
それでも他の店よりは安くて、
とにかく、がっしがしと、3回も洗ってくれて、
こまめに耳は拭いてくれるし、
ブローも丁寧にやってもらえて、
その間、お喋りをして、わたしの楽しみの一つだったのだ。

だから、彼女を失うなんて、考えられない。
どうしよう、困った、どうすればいいの?

でも、彼女が今の店で、そんなに冷遇されてると知ったからには、
店をかわるのは、賛成。
でも、わたしのシャンプーも、
そのカラー専門店で、どうにかやらせてもらえないか、
聞いてみてもらえないですか?と、
泣きついた。

そして、わたしが、あまりにも、「あなたじゃないとダメなの」って、
言いすぎて来たから、
店を辞める決意が揺らいで、長く苦しめたんじゃないかと、
反省もした。
追伸として、その反省もメールした。

そしたら、彼女から、
今、ひとりなので、ちょっと電話で話せますか?とメールが来たので、
もちろんOKした。

わたしが謝ると、彼女は、全然そんなことないです、
伽羅さんがいてくださったから、頑張って来れたんです、
でもあまりにも条件が悪いから、と言ってくれた。

それで、わたしからの嘆願メールを読んで、思いついたことがあって、
それは、店を掛け持ちする、ということだそうだ。

新しい店に籍は移して、
今の店の予約が入った時だけ、出稼ぎに来る。
彼女が出稼ぎに来たとしても、店長には65%も入るのだから、
問題ない、という。

そして、美容師というのは、店を掛け持ちして良い、と、
決められた職業なのだと教えてくれた。

だから、そこを着地点として、面接に行って相談してきます、
せっかくスタイリストになって、カットもパーマもやれるのに、
一日中、カラーだけやってるのもむなしいですし、と
折衷案を考え出してくれた。

わたしは、心から安堵して、
思わず泣いてしまい、
ごめんね、わたし、あなたじゃないとダメなの、と言ってしまった。

翌日、面接が終わったらメールします、と言ってくれた。


そしてそのあと、薬局の注射問題やら、
親からの着信やら、号泣やらの、一日が終了した。

水曜日に面接に行くと言っていたのだが、
美容師さんからは、メールが来なかった。
きっと、疲れが出て、寝てしまったんだろうなと思って、
こちらからはメールはしなかった。

木曜日に、どのみち、シャンプーの予約をしていて、会えるので、
場合によっては、ひそひそ話ができるかもしれない、と思い、
予約時間に、美容院に行った。



わたしはいつも大体5分前には到着する。
ビルの3階なのだが、ビルの階段で、美容師さんが、わたしを待っていて、
小さい声で呼んだ。

すると、昨日は、ちょっと色々考えなおして、
そしたら熱が出て、早く寝てしまったんです、ごめんなさい、と
言われた。
相当、心が疲れてるんだろうね。可哀想に。

それで、あのあと、色々考えなおして、
やっぱり、カットもパーマもやりたいので、求人を検索して、
別方面にある、知らない美容院に、行ってみたそうだ。

彼女の家からは、今の店に行くのと、通勤時間(自転車)は
変わらないとのこと。

地域に根差した、地域密着型のお店で、
すごく料金が安いそうだ。
カットも、カラーも、2,000円以下でやっているそうだ。
シャンプーと、ブローが別料金になっていて、
合計すると、今より、150円くらい高くなりますけど、
カットとかカラーが安いので、トントンだと思います、とのこと。

簡単な説明を受けて来たそうだが、
予約も受けるし、予約なしの人もどんどん入れるので、
お待たせしてしまう場合が出てしまうかもしれないんですけど、
と恐縮していた。
そんなのはいい。

わたしは、彼女を失いたくないのだ。

で、働ける日数や時間を聞かれて答えたら、
そんなに沢山働けるなら、正社員で採ってあげられるよと、
言ってもらえたそうだ。
それは、いい話じゃないか。
彼女は、そこで採用されたら、掛け持ちはしないとのこと。

ただ、わたしは、今、降りているターミナル駅から、
更にバスに乗らないと行けない住所になるので、
ちょっとだけ、不便だけれど、それにもすぐ慣れるだろう。


マッサージ師さんに続いて、美容師さんまで、
こんな大きな変化があるなんて、
ビックリの年になったが、
わたしにとっては、かけがえのない人たちなので、
絶対に失うわけにはいかないのだ。

でも、マジで、美容師さんの最初のメールを読んだ時には、
「わたしを見捨てないで!」と思ってしまった。


階段でひそひそ話してから、何食わぬ顔で、普通に入店して、
「こんにちわ~。」と言っておいた。


最終的な面接と契約が、昨日だったのだが、
無事に採用されました!とメールが来た。
うんうん、良かった。

マッサージ師さんも、美容師さんも、
技術力が高く、人柄もすごくいい。
良い職場環境で、実力を発揮して働いてもらいたいと思う。

心から応援する。
そしてずっと着いて行く。

                                            伽羅moon3


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