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まさかの「家紋」。

初めて、マッサージ師さんと、プライベートで会った。

わたしは、人間関係には、もう失敗したくないので、
すごく慎重になっている。

躁転していたとき、わたしはたくさんの人と交流し、
そして人を傷つけることもした。
沢山失敗をして、どうにもならず、
夫に尻ぬぐいをしてもらった。

あれから、自分が躁鬱病であったことが判明した。
躁状態のときには、わからないのだ。
まるで、治ったかのように頭がクリアになり、
アクセサリーのデザインだっていくらでも浮かぶし、
寝ないで作業していた。

ミシンを買ったりして、縫物に挑戦したり、
ヤフオクも、マメに出品したり買ったりしていた。

しかし、やがて、坂を転がり落ちるように鬱の大波が来た。

それでようやく、ああ、躁鬱病だったんだと、
自分で気が付いて、医師に申請した。


あれから病院も変わって、いいドクターに出会えて、
4か月間、毎週通院して薬を微調整し、
今はどうにか、「軽い鬱状態」に、抑えてもらっている。

躁鬱病は、鬱の時は何もできないのだが、
躁状態になると、危険なのだ。
やたらと高揚し、万能感が生まれ、攻撃的になる。

それを抑えるための薬を飲んで、生きている。

わたしの奥深くに埋めてある怒りは、半端なものではない。
そこに触れないように、今は生きている。
いつか、向き合って膿を出さなくてはならないのかどうか、
それは今は、わからない。

ただ、自分が正気でなくなった時に、この口から、
どんなひどい言葉が出てしまうのかを考えると、
空恐ろしい。




人間関係で失敗するのはもう、嫌なので、
一番頻繁に会って、一番話をしている美容師さんとも、
プライベートでは会わない。
会わない方がいい、と感じるのだ。

でも、今回の、マッサージ師さんの一件では、
わたしからの言葉に背中を押された、ぜひ聞いて欲しいと言われたので、
思い切って、会ったのだ。

結果は…

すごく、すごく、楽しかった。
いいのだろうか、と心配になるくらい、楽しかった。

彼女がこの町の店から、本来契約している店に移動することになり、
そうなった、酷いいきさつを聞いてあげるために会ったのに、
のっけから、和の色の話や、着物の柄の話や、
「家紋」の話で、盛り上がってしまった。

わかる?
好きな家紋を、言い合うんだよ?
それをお互いが、知ってるんだよ?

彼女が、「伽羅さんが一番好きな家紋は何ですか?」と聞いたので、
「わたしはね、丸に抱き茗荷、です。」と答えたら、
彼女がちょっと飛び跳ねた。
「次は?」と聞かれたので、
「菱にのぞき片喰」と答えた。
あとは、裏ねじり梅とかもたまらない!って話した。

で、あなたは?と聞いたら、ダントツで、「違い鷹の羽」とのこと。
うん、あれはカッコいいよね!
あとは、「九曜」と、「六文銭」」が好きとのこと。
わあ、渋い好みだなあ~!と笑っていると、
彼女が真顔になって、
「実はわたしの実家の家紋、「丸に抱き茗荷」なんですよ。」
と言った。

すごくない?
何千種類もあるのに、そこが一致する?

しかも誕生日を教えたら、
彼女の旦那さまのお母さまと同じだという。

ああ、この人は、江戸で一緒に生きてた仲間なんだなあと、
しみじみ痛感した。

今生でまた巡り会えて、本当に嬉しい。



コーヒーを飲んで、チーズケーキを食べて、
コーヒーのお代わりをしながら、
3時間、喋った。

肝心な話も聞いた。
もう、店長のバカさ加減に、開いた口がふさがらなくて、
わたしは激昂した。
彼女は、怒ってくださってありがとう、と言っていた。

そんな店、彼女が抜けたら、あっけなく潰れる。
間違いない。

よく、そんな環境で、今まで頑張れましたね、
本当にお疲れさま、と伝えた。

そして、彼女のマッサージ技術で、特に優れていると
わたしが思っている施術を伝えた。

隣のベッドで、知らない人が施術されてるので、
「あ~、そこそこ!」とは言いにくくて、今まで、心の中で、
「あ~、そこそこ。気持ちいい~!」って思ってたの、って言ったら、
じゃあ、新しい店舗では、声に出して言ってくださいね!とのこと。
なるほど、これが効くのね、と、励みになるそうだ。

あとは、彼女の家のワンちゃんの話とか、
うちのちまムギに話もちょっとした。

名残惜しかったが、3時間で解散した。

また会いたい。

でも、ゆっくり、少しづつね。
失敗しないよう、踏み込みすぎないよう、慎重に。


わたしは、働けない。
でも、働いている人をほめたり、ねぎらったりすることができる。

どうしてそんな風に言ってくれるんですか?と
彼女に聞かれた。

わたしがね…
そういうことをしてもらえずに、育ったからなの。
褒めてもらえないばかりか、けなされてけなされて育ったの。

だからね、自分は、そうはなるまいと、
思いながら生きているんです。

お互いに、目がうるうるした。

楽しい一日だった。



夜遅くなって、長い出張を終えた夫が、部屋に来た。
ヘトヘトになっていた。

話を聞き、飲み物を出して座らせて、
みかんをむいて、差し出した。

明日、一緒に夕飯を食べる約束をした。

夫が、「ありがとうね。」と言って帰った。


言葉は、形としては、残らない。
体の疲れも、肩こりも、言葉で消すことはできない。

でも、言葉には、力があって、
それが人に、心を伝えるんだよ。

わたしは、言葉を大事に生きて行く。

ああしかし、家紋談義、楽しすぎた。

                                           伽羅moon3


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