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スイッチが入れ替わり。

三日間、ヒキコモリをした。
夫と多少の接触をした以外、ずっと部屋にいた。
沢山眠った。

こういう期間がわたしにはもっと必要だとわかった。

なんだか、今年は辛すぎて、
最近は精神的にもズタズタで、
ろくなものを食べていない。

ヒキコモリ三日目にして、ようやく、
オニギリと、お味噌汁が作れた。

コンビニのおにぎりがおいしくない。
よりふんわり握りました、とかうたってるけど、
それって、コメを減らしましたってことだよね。
ご飯がすかすかで、海苔だけ紙みたいに硬くて、
バランスが悪すぎて食べられたものじゃない。

自分で握った、みっちみちの固いお握りがわたしは好きだ。

やっと、食事らしいものを食べた。

洗濯もやれた。
掃除は、またいずれ。


わたしのやる気スイッチが、他のものに入れ替わってしまった。

直接は知らない猫の死を聞いただけで、
ゴンやムギを思って、号泣してしまう。

昨日のブログ記事、
わからないかもしれないが、
わたしは声をあげて泣きながら書いた。

年十年も頑張っても、決して報われないことがあるのだと、
そう思うと、やりきれなくて、
とても辛かった。

わたしが、吐きながら母の話を聞き続けた
あの時間を返してくれ。



大切なものを亡くした悲しみは、
一生消えないと思う。
忘れる必要もないし、一生悲しいままでいい。
それでいいじゃないか。

なぜそれを、みながよってたかって、
前を向けだの、立ち上がれだの、歩き出せだの言うのか。

ずっとそこで足踏みをして泣いていてもいいじゃないか。

悲しいことは、悲しいままでいいのだ。



ゴンを失った悲しみがあったから、
去年、ムギの命を救うことができたのだ。

夜中に小屋の中に倒れていたムギ。
倒れていたのが、小屋の中で、本当に良かった。
どこかよそで、力尽きなくて、小屋に入ってくれていたから、
異常に気が付くことができた。

呼んでも、ゆすっても、小さく、「ううう…。」としか鳴けなかったムギ。
真冬なのに、小屋の外に脚も尻尾もだらりと出ていて、
肉球は冷たくなり、
顔に触れたら、吐いたのかよだれかで、ぐしゃぐしゃだった。
今朝から全く食べていない。
絶対にこれは異常。

時刻は午前2時。

朝まで様子を見る?
でも、様子を見たからと言って、良くなる要素が、今、見える?
しかも明日は、行きつけの動物病院は休診だ。

夫に、ムギの様子がおかしいとメールだけして引き上げるか、
夫を叩き起こそうか、
数秒、迷った。

でも、このままでは、ゴンの二の舞になる、と
わたしは直感した。

夫を起こして、ムギがおかしいと告げると、
まだ4時間しか寝ていない夫は、
「でも、ムギはムギの意志でそこにいるんだし。」と言った。
死んでも仕方がない、という意味だ。

わたしは、部屋に戻って、大事に持っていた、
夜間救急の病院に、電話をした。
ムギの症状を伝えて、アドバイスをもらおうと思ったのだ。

けれど、話し始めたら、急に体がガクガクと震え出して、
息もうまく吸えず、途切れ途切れにしか、話せなかった。
ガクガクに震えた。
その時わかった。
ムギはいま、もう、死の瀬戸際に居る。


救急病院で電話に出た女性医師は、
あくまでも、診ないとわからない、と言いながらも、
「呼びかけて、反応がないとなると、それはもう、緊急事態です。」
と、はっきり言った。

わたしは夫のところに戻り、泣きながら、
「ムギ、危ないって。もう、緊急だって。」と伝えた。

そうだ、もうムギは死んでしまうのだ。


夫は無言で飛び起きて、着替えを始めた。
わたしは過呼吸を起こしてブルブル震えていた。

ムギを失いたくない。
ムギを失いたくない。
まだたった一年しか一緒に暮らしてない。

キャリーにムギを入れ、抱きかかえて、車で病院に連れて行った。

全部の信号で赤で止まってる気がした。
早く、
早く!
ムギが死んでしまう。


病院に着いてわたしだけ車を飛び降りて、
インターホンを押すと、建物の2階から、
もう病院のスタッフさんが駆け降りて来た。

わたしから無言でムギを奪うと、階段を駆け上がりながら、
「冷たい!!」と叫ぶ声が聞こえた。

ムギはすぐに診察ベッドに寝かされ、
両側からドライヤーの強風を当てられて、温められた。
わかっていたら、毛布でくるんでカイロを入れて連れて来たのに。
「人慣れしていますか?」と聞かれても、わからなかった。
一応カラーをつけられて、ムギはたくさんのスタッフに囲まれた。
二人がドライヤーで温めて、そのほかの人は、
管をつけたりする作業に入った。
わたしと夫は、診察室の外に出された。

途中、ドクターが出て来て、
「あとでまた詳しく説明しますが、このままだったら、あと数時間の命でした。」
と言われた。


やっぱりそうだ。やっぱりそうだったんだ。
あのまま、ムギを小屋に置いて、わたしが寝てしまったら、
翌朝、冷たくなったムギを、夫が発見することになっていたのだ。



しばらく待って、診察室に呼ばれた。
銀色のお皿に、なみなみと、赤いドロドロの液体が入っていた。
「これだけの量の血尿が、入っていました。」
それは、人間の大人の2~3回分はあったと思う。

助けられると思います、と言われた。
なので、明日の朝に、移せる、
24時間体制の病院を探してくださいと言われた。
ここはあくまでも、夜間だけの救急施設なので、
置いてはおけないのだ。

ムギを預けて一旦帰宅して、病院を探して、決めた。
夜がしらじらとあけていた。

携帯を握ったまま、座っていたが、いつの間にかウトウトしたようで、
電話で起きた。
救急病院からだった。

ムギの命は、山を越えた、助かると思います、という報告だった。



別の病院に入って、ムギは20日間、入院した。
毎日毎日、面会に行って、一時間も二時間も一緒に過ごした。
面会を終えて引き渡すとき、
ムギは毎日ぺしゃんこになって、いやーんと鳴いた。


ムギを助けられて良かった。
ゴンの二の舞にならなくて本当に良かった。
ゴン、ありがとう。ムギちゃん、危ないよって、教えてくれたんだね。
ムギね、ゴンと同じで、3本脚なんだよ。お揃いだね。


一年後の、今年の検診で、ムギは、お外で生きてる子なのに、
どこも、何にも、悪いところがなかった。
すごいことだと思う!

確かに、ムギを見ていると、いつも気を張っていて、
安らぐ時間は少ない。
ムギと同時期に、一斉に現れたノラ猫たちが、
今もムギをねたんで、場所を狙っているのだ。
だからムギは毎日警備に忙しい。

ストレスも恐怖も多い。
人も怖い。カラスも怖い。

でもね、ムギ、ムギは一人じゃないんだよ。
パパとママが一緒にいるからね。
いっぱい愛情をチャージして、生きる力に変えてね。
いいご飯もあげる。
心の栄養になるおやつもあげる。
毎日ちゃんと会いに行く。

夜中にムギをこっそり胸に抱いてること、
二人の秘密だよ。

死なないでねムギ。大事にするからね。
お願いだよ。

                                            伽羅moon3

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