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「成功体験」。

お笑い番組とか、バラエティが見られるようになって、
今は、特定の番組を録画しておいて見る。

お笑い界でも、下積み20年みたいな人も多いし、
若くして、一発でブレイクした人もいる。

どっちも大変だ。

長く下積みをしていた人は、
バイト生活から逃れられなかっただろうし、
すごい貧乏も経験していると思う。

若くして、ドバっと売れてしまった人は、
その時はいいけれど、では次のネタでもウケて、
そのまま人気を維持できるのかが、問題になる。


わたしが好きな芸人さんは何人もいるが、
女性では、圧倒的に、渡辺直美さんが好きだ。

たった30歳で、あそこまで自分を作り上げたことに、
敬意を感じる。

体型を生かしたお笑いの芸。
自力で開発して、今も人任せにせず、自分でやっているメイク。
プロデュースしているファッション。
すべてが素晴らしいと思う。

最近はドラマにも出ているので、見ているが、
演技も上手で、無理がなく、綺麗で、本当にうっとりする。

素の顔がすごい美人とかじゃないのに、
自分で考えたメイクで、あそこまで美しく変身できるのはすごい。
付けまつ毛の長さ数ミリにも、こだわっているのだ。

若干30歳で、あの地位を確立した成功体験は、
今後もどんどん彼女を進化させるだろうし、
世界に向けて、発信を続けていくことだろうと思う。


決して恵まれた環境で育ったわけではないのに、
やさぐれもせず、なりたいものになった彼女は、素晴らしい。

メイク動画は、わたしもYouTubeで、
思わずしげしげと見入ってしまったのだが、
今、世界的に大人気になってる動画だそうだ。



わたしには、「成功体験」が、ないなあ、と思った。

わたし自身が、すごくちっぽけなので、
鎧を着こんで生きて来たから、
何かを任されたら、もう必死にやる。

それが終わると、わたしにやって来るのは、
やった!という高揚感ではなく、
「なんとかやり遂げられた…。」という、とてつもない暗闇だったのだ。

中学生の頃からそれはひどくなり、
学校での責任あるイベントを終えるたびに、
わたしは泣き崩れた。

なぜ泣いているのかを、理解できる人はいなかっただろう。

わたしはズタボロだったのだ。



それでも、才能はあった。
明確に、ここが得意、というものはあった。
それを仕事にしたかった。

でも、ど田舎の、理解のない両親のもとに、
親の勝手で一人っ子として生まれ、
何一つ、叶えられないまま、結婚に逃げた。

そして当然、その結婚も失敗。


デザイン事務所で働いている時が、一番才能や技術を、
認めてもらえてたかもしれない。

あとは、人形屋に居た時も、1フロアを任されたので、
わたしは必死に勉強して、
着物の柄の名前や色の染めの名前を覚えた。


性格をほめられたことがなかったので、
仕事で成功を収めるしか、自己肯定ができなかったのだ。

仕事ができない自分には、何の意味もない。
生きてる価値は、全くないとは言わないけれど、
いなくなっても、誰も困らない。

いくら才能があったとしても、それを開花させて、
世間に発表できなければ、単なる、趣味だ。

わたしにとっては、趣味なんて、どうでもいいことだ。


粘土の仕事で、本を一冊出したが、
それも、出版社がつぶれて廃盤になったため、
世間には出回らなかった。
「先生」を養成する先生になって欲しいと言われていたが、
その間の生活費を稼ぐ手段がなかった。

この人生は、結局、お金がない家に生まれたために、
進学できない、夢を叶えられない、そういう人生だったのだ。

ただ、昨日も書いたように、素晴らしい息子に恵まれたこと、
それが最も大きな幸福だ。

子供が幸せだってことは、いいねえ。

わたしの両親は、なぜ、そう考えないのだろうか。

わたしは部屋に息子の写真をいっぱい飾り、
息子にもらったものを大切に保管して生きているが、
わたしの親に、そういう気持ちが全くないのは、どうしてだろうか。


やっとの思いで出した本も、チラッと見ただけで、
あとは本棚の一番端っこで、
二度目を見てもらうことなく、置かれてある。

もしわたしなら、手元に置いて、毎日見るけどね。
息子が歌手だったら、毎日歌を聞いてから寝ると思うよ。


今後の人生でも、
わたしはもう、成功体験は得ないと思う。

修業を積んで、次の人生では、絶対に仕事で成功したい。

                                              伽羅

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