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諦めなくて良かった。

わたしは、ムギに執着している。

可愛いとか、愛してるとかのほかに、
執着もしているのだ。

だから会えないときは、とても辛い。

まあいいか~とは、思えず、暗くなってしまう。


でもそれは、きっとムギだって同じように思っていて、
ムギが会いたいことだってあるだろう。
隣の家の屋根に来ている時は、明らかに、わたしに会いたい時だ。

他にも、アパートの階段を2~3段登ってるのを夫が見たことがあるようで、
ひょっとしたら、二階まで来ていることだって、あるかもしれない。

ムギがいくら会いたいと思っても、
わたしが出向いて行かなければ会えず、
逆にわたしが自分の都合で会いに行っても、
ムギが留守で、呼んでも帰って来れない日もある。


このところは、脅威になるものがないので、
大体庭やガレージに居る。

夜は警備についているのか、留守がちで、
呼ぶと、数分で走って帰って来てくれる。


でも、夕べはちょっと違ってた。

わたしが、カラーコピーを撮りに、コンビニに行こうとして、
夜中の12時に玄関を出たら、
ちょうど帰って来たのか、ムギが階段の下に現れたのだ。

お互いの顔が合って、「ムギちゃん。」と呼ぶと、
ムギは甘えた声で鳴いた。
 
「ムギ、階段、登って来れる? ここまで来れる?」と聞いたら、
行きたいけど行けないよ、怖いよ、という返事だったので、
玄関の内側にかけてある「ムギ袋」を手に取り、
降りて行って、ムギのリビングに行った。

会ってしまったものは仕方がない。
ムギもわたしについてきて、ムギのリビングに来たのだが、
わたしの履物が、いつものサンダル(偽物のクロックス)ではなく、
ちゃんとしたサンダルだったことに気が付き、
匂いを嗅いで、離れてしまった。

ムギは、「いつも同じ」であることに、異常に執着する子なのだ。

なので、仕方なく、
「じゃあ、ムギ、いつもの時間にママちゃんと来るから、待っててね。」
と言い聞かせて、
ムギ袋は洗濯機の上に置いて、コンビニに行った。

帰って来てしばらく作業をして、いつもの夜中2時に、
ムギに改めて会いに行った。

待っててね、と言っておいたのに、ムギは留守だった。

ムギは、「待っててね」という言葉を理解しているが、
ちょっと待たせすぎたのかもしれない。
お使いから帰って来たら、すぐに来てくれると思っていたのかもしれない。

なので、何回も、ムギを呼んだ。

パラパラと雨が落ちて来ていて、
風で門扉がギシギシ言うたびに、ムギかな?と聞き耳を立てる。

呼んで呼んで、20分待ったが、帰って来ない。

いくらテリトリーが広くても、
真夜中に「ムギ!」と叫ばれてるわけだから、
聞こえていないわけがない。
きっと何か、理由があって、帰って来られないのだ。

敵と対峙していて、膠着状態なら、帰って来ることは出来ない。

今夜は、会えないのか…。
コンビニから帰って来て、すぐに行ってあげれば良かった。

諦めて、立とうとしたとき、かなり遠くで、
ムギがわたしに呼びかけて来た。
あの感じだと、通りの向こう側だ。

ムギちゃん!と呼ぶと、さらにムギが鳴きながら、
走って帰って来てくれた。

ああ、良かった、会えたよ。
ムギ、遠くから帰って来てくれたんだね。
警備、大変だったの?
すぐには帰って来られなかったんだね?

ムギはゴロゴロと喉を鳴らしながら、わたしにピトっとくっついている。

ふと、匂う気がして、
シッポを持ち上げ、懐中電灯で、ムギのお尻を見てみた。

すると、やっぱり、そこから、草と、ウンちゃんが、出ていた。

ああ、ムギちゃん! 可哀想に!

草がちぎれてしまわないように、そーっと抜いた。
長い草が出て来て、お尻はスッキリした。
ウェットティッシュで、ちょっと拭いてやった。

ムギ、お尻、気持ち悪かったね。
辛かったね。
さっき会った時、しきりに鳴いたのは、これを知らせたかったからなの?
ママ、気が付くのが遅くてごめんね。
さぞ気持ちが悪かっただろうし、
男として、かっこ悪かっただろうと思うよ。

諦めて帰らなくて良かった。
待ってて良かった。
会えて良かった。
気付いてあげられて本当に良かったよ。


こういうことがあるから、ムギは夫と二人で見てあげないといけない。
普通の4本足のコなら、何とかできることが、
ムギには無理なことがあるのだ。

お尻がスッキリしたのが気持ち良かったのか、
ムギはゴキゲンで、二人で腹這いに寝そべって、
色んな話をした。

本当に、諦めなくて良かった。


今日から夫が出張で留守だ。
夕方、ムギのところに行こうとして、
郵便受けの郵便物を取り出そうとしてモタモタしていたら、
ガレージにいたムギがじれて、
「きゃ~ん。」と高い声で呼んできた。
「はいはい、今行くよ~。」

今日はいっぱいくっついて甘えてくれた。
餌ももりもり食べた。
お尻は綺麗だった。良かった。

夫が留守なので、庭の花に水をやっていると、
ムギがそれを変な顔で見ていた。
ママ、へたくそだな、と思ってたかもしれない。

遅くに帰って来る娘ちゃんたちのために、
玄関の外灯をつけて、リビングの窓のシャッターをおろす。

戻って来ると、またムギが甘えて来たので、
手からカリカリを食べて一緒に過ごした。

今夜もこのあと、会いに行くけれど、
いるかな?
呼んだら帰って来てくれるかな?

諦めずに待とう。

                                               伽羅moon3

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