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いじける・すねる。

夫が長期の出張で、留守にしている。

わたしは夫の代わりに、
帰って来る娘ちゃんたちのために玄関の外灯をつけ、
リビングのシャッターを下ろし、
庭の花に水やりをする。

そして、水やりがへたくそで自分も濡れ、
そのあと、たいがい雨が降る。(苦笑)


ムギは、パパが大好きだ。
大好きなパパに会えなくて、ムギは明らかに沈んでいる。
餌もちょこっとしか食べられない。
わたしの手からちょっと食べるくらいで、
あとは、食が進まないようだ。

昨日は、カウンセリングのあと、買いたいものを探していて、
帰って来るのが遅くなった。
それでも、ちまの世話だけして、自分はシャワーもせずに、
服を脱ぎ捨ててムギに会いに行った。

ムギは車の横でわたしを見ていて、門を開ける前にもう、
呼びかけて来た。

寂しかったね、ごめんよムギ。
遅くなっちゃったね。

餌に口もつけず、ただわたしを待っていたかと思うと、
可哀想でたまらなかった。

体を綺麗に拭いて、ブラッシングして、
おかかを食べて、手からシーバも食べられた。

ムギとしばらく過ごしてから、母屋の用事をこなし、
部屋に戻ってシャワーして、ちまに餌をやり、
自分が夕飯にありついたのは9時頃だった。


夜中、ムギに会いに行った。
留守だったので、呼んで待った。

すると数分で、鳴きながら走って帰って来てくれた。
愛おしい。
ちゅーるを食べて、しばらくくっついていたが、
手からすこし餌を食べた後、離れてしまったので、
「ムギ、ママもう帰るよ? いいの?」と声をかけた。

そしたら、ムギは慌てて戻って来て、くっついてきた。
ムギ、寂しいんだね。
パパに会えなくて、寂しいね。
ママだけじゃ足りないもんね。

「ムギ、抱っこしてもいい?」
そう聞いてみたら、意外にも、いいよって答えが来たので、
抱き上げて、胸にしっかり抱きしめた。

ムギ、寂しいね。
あしたも、ムギとママと二人だよ。
寂しいね。

ムギ、大好きだよ。
愛してるよ。
夜中にこうして抱き合ったこと、
ママは一生忘れないよ。

ムギの匂いを吸いながら、そうささやいた。
ムギが降りたので、また明日ね、と帰って来た。


今日は出かける時は、姿が見えなかった。

帰って来ても、庭でだらけておらず、いないのかなあ、と思ったら、
わたしが階段を上がっていくとき、
ムギの木のベンチに、三角耳のシルエットが見えた。
あ、ベンチでくつろいでるんだ。
「ムギ! あとで行くから、待っててね!」
そう声をかけて、部屋に入った。

ムギは、「待っててね。」がわかる子だからね。

ちまにとりあえずおやつをあげて、自分はシャワーをし、
慌ててムギに会いに行った。

ところが、ベンチにいないばかりか、姿が見当たらない。
おかしいな。
待っててね、と言ったら、待ってるはずなのに。

何度もムギを呼んだ。
そこらにいるはずだ。
でも、返事もない。
そんなはずないのに…。

わたしは、湿っぽくなったムギの敷物を取り替え、
お皿を濡れティッシュで拭いて綺麗にしていた。
ふと、「まさかね…?」と思って、車の下を、覗いてみた。


ムギが、いたのだ!
顔は向こうに向けて、体をぺしゃんこにして、
車の中央部あたりまで、深く入って隠れている。

「ムギ! ムギちゃん!」
呼んでも呼んでも、ムギはピクリともしない。
振り向くどころか、シッポすら動かさない。

わたしは怖くなって、車の横に行き、コンクリートに這いつくばって、
ムギを見た。
顔が合って、ムギが「にゃー。」と鳴く。

ムギ、完全に、すねている。

朝、パパに会えないことが寂しくてすねているのか、
わたしが、待っててね、って言ってから、
来るまでが遅いと思ったのか、
わからないけれど、とにかく、完全にいじけていた。

ムギ…。
寂しいんだね。
パパに会いたいんだね。

「ムギ、ママ、会いに来たよ。ムギ出ておいで。」
そう声を掛けると、返事はする。

で、わたしが定位置で座って待っていても、
ムギは全然来ない。

再び、コンクリの上をハイハイして行ってムギを覗き、
「ムギ、寂しいね。でも、今日もパパは帰って来ないよ。
ムギとママの二人だけだよ。ムギおいで。おかか食べようよ。」
と、精一杯、ムギを誘った。

ムギは、餌ではつられない子なのだ。
欲しいのは、常に愛情なのだ。

座椅子に座って待っていたら、ようやくムギが動いて、
近づいて来た。
隣のコンクリの上で、ゴロンゴロンとローリング。
きゃ~、ムギちゃん可愛い~!と賛辞する。
(賛辞しなくてはならないのだ)

そうして、やっとやっと、隣に来てくれた。
「ツン」が終わったら、今度は「デレ」である。
くっついて、お腹を見せて、モフれというのでモフモフし、
体を拭いて、ブラッシングして、全身を撫でて、
ようやくムギは落ち着いた。


大好きなパパに会えなくて、すねているムギ。

ママが来て、呼ばれてるのに、
本当はすぐに行って甘えたいくせに、意地を張って隠れてるムギ。

もうこれは、猫じゃないよ。
小さい子供だよ。

というか、夫に似ている。

「ねえ、ムギ、そんなに意地を張らないで、ママにもっと甘えな?」
そう言うと、ぐふぐふ言いながらスリスリして来る。

おかかを食べて、シーバも食べて、
しばらくくっついていたが、離れて行ったので、
「ムギ、ママお花に水やりするね。怖くないよ。」
と説明してから、花に水をやった。

わたしには、花を育てる文化がないので、
すごい面倒だと思うし、
夫は園芸が好きだけれど、忙しすぎて
花を愛でる暇なんてないのでは?と思ってしまう。


母屋に入って、リビングのシャッターを下ろし、
匂いがこもって臭いので換気扇を回しておいた。
外灯もつけて、ミッション終了。


それから洗濯して、ご飯食べて、洗濯干して…。
息つく暇もない。

美容師さんによく言われる。
休んでなくちゃいけない病気なのに、いつも何だか、
急いでるし、全然ゆっくりしてませんね、って。

わたしが動かないときは、「動けない」時である。
そういう時は、ベッドでちまと、ダラダラしている。

いくらちまと暮らしていても、ちまはもう、
猫じゃらしでは遊ばなくなったし、
抱っこも短時間でいいようなので、
あまり構ってあげてない。
でも、毎晩、ベッドで一緒に寝てくれる。
幸せだな。


夫からメールが来た。
ムギに会いたいよ、って書いてあった。
そうだよね、会いたいよね。
ムギだって、パパがいなくて憔悴してるんだもの。

夫は明日帰って来る。


わたしは、古いママ友さんと、会う。
どうかな、15年はお会いしてないと思う。

わたしはすっかり風貌が変わってしまい、
見つけられないと思うので、
鞄の色を教えておいた。
目立つ色だから。

古い書類に、わたしの証明写真が混じっていたが、
再婚した当初は、まだ、女性らしさがあった。
痩せてはいなかったが、小奇麗にはしていた。

今や、オバチャンどころか、オッサンみたいになっちゃったよ。

明日が楽しみ。

                                                伽羅moon3

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