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踏み込まない領域。

息子たちが帰って、
わたしはベッドで放心状態になりながらも、
彼らと話したことを、反すうしていた。

帰り際に、お嫁ちゃんが、
「またうちにも来てください。」と言ってくれた。

多分、彼女は、社交辞令ではないと思うのだ。
裏表のない、素直な性格の持ち主だから、
きちんと考えてから物事を言うはずだし、
実現しないことをあやふやにいう子でもない。

付き合いは短いが、そういう子だと、わかる。
だから、信頼しているし、可愛く思っている。


わたしとしては、年に4回会えたら嬉しいな~と思っている。
そのうち、実家で会うのは計算外で。
でも、3回くらいしか無理かな?

息子は土曜日しか出たくないと言うし、
土日は夫は結構予定を入れているからね。

でも、わたしの気持ちとしては、
彼らの家に行くのは、年に一回で良くて、
あとは来てもらったほうが、ちまにも会えるし、
わたしも嬉しい。

それに、もしも、彼らに子供ができたりしたら、
お嫁ちゃんの妊娠期間でしんどい時とか、
赤ちゃんが生まれて、外に出られない時とかが、
来るかもしれない。

そうなったら、こちらから行くので、
それまでは、ずっとこっちにおいでよ、というのが本音だった。

お嫁ちゃんにそれを伝えようと思って、
メールをした。
すごく楽しかったこと、お土産、どれも嬉しかったこと、
いっぱい食べてもらえて嬉しかったことを書いた。

そして、今度は来てくださいって言ってくれてありがとう、
でも、今後、あなたたちが出づらい時期が(例えば、二人が子供に恵まれるとかね。
でも決して、子供がいるべきとは、思っていないですよ。)来るかもしれないので、
ずっと、こっちに来るパターンでもいいんですよ、
と、書いた。

すると、夜中に返事が来た。
「子供がいるべきと、思っていないと書いてくださって、
とても気が楽になりました。」
という、一文が書いてあった。

彼女は、プレッシャーに苦しんでいるのだとわかった。


3LDKの、大きなマンションを購入したのだから、
きっと、子供を持つ夢はあると思う。

でも、彼らは、まずは二人で二人を楽しみたいと言っていた。
それは結婚したばかりの頃だ。
いずれは欲しいけどね、と言っていた。

その質問は、結婚したばかりだったから、
許されるものだ。
わたしではなく、夫が聞いた。


夫は、自分が三人兄弟で、
三人兄弟の人と結婚し、
三人の子供をもうけた。

だから、「子供は3人いて当たり前。」と思っている人だ。
そこは、非常に押しつけがましい。

末っ子くんが独立して行くとき、
付き合っている彼女さんが年上だと知った途端、
すぐ結婚して、すぐ子供作らないと!と力説し始めた。

わたしは、わたしの息子ではないが、
夫の説教を全力で止めた。

それは、当人同士だけの問題であって、
親が口出ししてはならない域なのだ。

末っ子くんも、結婚はするかもしれないが、
子供を持つべきと、考えてはいない、と答えていた。

酔っていたから、夫は覚えていないだろう。


そりゃあ、子供が3人いたほうが、いいのかもしれない。
それはわたしには想像もつかない。

しかし、子供の人数とか、
もっと言えば、子供を欲しいと思うかどうかなんて、
それは、夫婦二人の問題なのである。

他人がとやかく言うべきではないし、
むしろ、親こそ、プレッシャーを与えることは、
絶対にしてはならないと、わたしは思う。


結婚の意義は、
一人ずつであった二人が、「二人」という単位になり、
それを「家庭」とする。
色々共有したり、協力したりして、一緒に生きて行くことを選ぶ。
それが、結婚の意義なのだ。

じゃなかったら、わたしたち夫婦だって、結婚した意義がなくなる。


お正月、実家で息子夫婦と一緒だった時、
お嫁ちゃんがコタツの上に、
堂々と、基礎体温計を置いていた。

欲しくて使っているのか、
まだ欲しくなくて使っているのか、
どちらかなんだと思ったが、
もちろん、そこには絶対に触れない。

踏み込んではならない域なのだ。

でも、今回のお嫁ちゃんのメールからは、
プレッシャーを受けている感じが読み取れた。

付き合っていると、「結婚するの?」と聞かれ、
結婚したら、「子供はまだなの?」と聞かれ、
40歳も過ぎてしまったら、「なんで子供を持たなかったの?」になる。

大きなお世話だ。

結婚して、4年になるので、多分周りから、
子供はまだ?と聞かれたりすることが増えたのではないだろうか。

まだ欲しくないのに、と思っているのか、
もしくは、欲しいけどまだ出来ないんだよって思っているか、
どちらであるかはわからない。

でも、わたしは、そこには決して踏み込まないと決めている。


結婚は、二人がそれぞれ、幸せであることが、まず大前提だ。
それが無い結婚には意味はない。

子供は、いたらいるだけの、喜びがあふれている。
同時に、同じ量の、大変さと煩わしさが存在する。

一人っ子同士が結婚した息子たちが、
複数の子供を望むとは、わたしは考えていない。
というか、あんなに幸せなのであれば、
別に子供がいなくても、充分幸福な結婚であり、
幸福な家庭ではないか。

そこで完結しても、いいではないか。


わたしは、お嫁ちゃんに、
子供は、いたらいるだけの喜びがあるけれど、
同じだけ、大変さと煩わしさがあるよ。
結婚したなら子供を持たなくては、なんて、思う必要は全くないよ。
わたしは、一切踏み込まないので、
授かるときは授かるものさと、
気楽に構えていてね、とメールを返した。

あなたたち二人の結婚は、あなたが「楽であること」が、
最も大切なことだと思っています。
だから、ご実家の近くにマンションを買ったのもいいことだし、
家事は全部、息子がやっていいんですよ、
どうか楽に生きてくださいね。

わたしはそう書いて、送信した。



わたしは一人っ子で、一人しか子供を育ててない。
複数の子供がいる家庭を、まったく想像できない。
再婚して、母屋に住んでいるときは、
5人が全員、別々のことを、遮りながら喋るので、
わたしの脳は混乱して、
食事のたびに、汗びっしょりになり、ヘトヘトになった。

それに、末っ子くんや、息子たちだけが頑張っても、
今後、日本の人口は明らかに減少する。
そんなことはもう、わかりきっている。

子供を持つことが、結婚の意義ではない。
一緒に過ごして、楽しかったり、楽であったりしたら、
それが一番いいではないか。


親子だからこそ、入ってはいけない領域が、あるのだ。

                                               伽羅moon3

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