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見逃さなかった。

昨日は夕方、ちゃんとムギに会えた。
夜また来るからね、
ママが呼んだら、ちゃんと帰って来てね、と、
ムギに約束して部屋に戻った。

そして、約束通り、毎日の日課で、
夜中の2時に、ムギに会いに行く。

最近は留守にしていることも多く、
呼ぶと走って帰って来てくれたりする。

でも、呼んで待っていても、帰って来てくれない日も多い。
冬場は、小屋の中にいる確率が高かったので、
ちょっと寂しい。



夕べも、行ったら留守なので、呼んで待っていたが、
帰って来ないので、
仕方なく、夫に報告メールを送って、部屋に戻った。

ただいま~と言いながら部屋に入ると、
部屋の隅っこの、ドレッサーの椅子に設置した、
小さい夏用ベッドにいたちまが、
椅子の背に、アゴを乗せていて、とても可愛かった。

ちまちゃん、かわいい~!
わたしはキャッキャ言いながら、ガラケーで写真を撮った。

そして、そのあと、そろそろ寝るから、
窓のシャッターを閉めよう、と思って、
東の窓を開けた。

わたしの部屋は、北と南と東に窓があるが、
北はベッドサイドだし、
お姑さんの部屋の真ん前なので、開けることは全くない。
南側は、前のマンションの通路の正面にあたるので、
お互いが丸見えになるので、あまり開けない。

東側も、お隣の家がすぐそばに迫っているが、
ちょっとこちらの部屋の方が前方にあるため、
あちらのベランダから、覗かれる心配はない。

なので、東窓だけを、透明なガラスにしてあり、
起きたらシャッターを開けて、カーテンも開けて、
レースカーテンも、キャットタワー部分は開けておく。

そうすれば、ちまがキャットタワーから、外が見られるのだ。



お隣の家の屋根には、
ムギが来ていることがある。

多分、ノラ時代から、使っている場所なんだと思う。
屋根に後付けされたサッシのベランダには、下に隙間があり、
そこに入れば、雨風を防げるからだ。

今までも、ムギが来ていたことが、3回ある。

一度は、呼んだら寄って来て、庇に降りて、
ジャンプしたらわたしの部屋に入れるくらいまで来たので、
来ちゃったらどうしよう、と思ったくらいだ。

そう言うことがあるので、寝る前まで、シャッターは開けている。

でも、夕べは、もし隣の屋根にいたら、
わたしがムギのリビングで呼んだ声が、
聞こえないわけはないので、まさか、居ないよね?と思いつつ、
窓を全開にして、ちょっと目をこらして、見つめた。

すると、ベランダに掛けられた、すだれの下から、
シッポが出ていた。

暗い色の、しましまシッポ…。


ムギだ!

ムギが、来ていたのだ。
でも、「ムギ! ムギ!」と、何回呼んでも、
まったく反応がなく、微動だにしない。

まさか…具合が悪くて、ママに助けを求めに来たの?

わたしは焦って、シーバと言う餌をキッチンから持ってきて、
お隣の屋根に、投げた。
カランコロンと、音がする。

すると、ムギが動いて、すだれの下を通って、
こちらに顔を向けた。
「ムギ!」
お花のついた、スエード調の首輪をしているので、完全にムギだ。
「にゃあ~。」
ムギは返事をしてから、シーバを拾いながら食べて行った。

ムギ…。

ママに会いに来ていたんだね。
いつから、そこにいたの?
寂しくなっちゃって、会いに来たの?

ママ、さっき、ムギのお部屋で、ムギのこと呼んでたの、
聞こえてたでしょ?


ムギは、わたしに会いに来ていたのだ。
この窓だけが、唯一、会える場所なのだ。


ムギには、「階段登って来て、オデコで、玄関、ゴンゴンしてくれたら、
ママわかるから、来ていいよ。」と言ってある。

でもムギは、わたしの声がする、明かりがもれている窓の外に、
ずっといたのだ。

切なくて、切なくて、
どうしたらいいのかわからなかった。

ちまも、顔を出して、ムギを見た。

すると、ムギは、一声鳴いて、塀に降りて、物置に降りた。

わたしはちまにもおやつをあげて、
すぐ外に飛び出した。

ムギは、アパートの前の細い通路に立っていた。
「ムギ、ムギのお部屋に行こう? 行って、ちゅーる食べよう?」
そう、声をかけて、手で、おいでおいでして、
わたしが先に、ムギのリビングに行って、座った。
「ムギおいで~。」
そう呼ぶと、ムギが、鳴きながら近寄って来た。
そしてわたしにくっついて来て、「会いたかったよ。」と甘えた。


ムギちゃん。
ムギちゃん。
会いに来ててくれたんだね。
気が付くのが遅くてごめん。
ずっと待ってたのね?

ママ、ボク来たよ!って鳴いてくれたら、ママ聞こえるのに。
なんで黙って、隠れてたの?

切ないよう。


ムギは、キジ猫なので、色が暗い。
暗闇では、判別が出来ない。
でも、用心深く屋根を見たので、シッポを発見出来たのだ。

ムギはきっと、わたしとちまが、じゃれている声を聞いていたはずだ。

シッポだけ、出しておく、というのが、
ムギの、ムギなりの、精一杯の表現だったのだ。

見つけられて良かった。
気が付かずに、シャッターを下ろしてしまっていたら、
ムギの心は、もっと傷ついたよね。

身を潜めて、ママが見つけてくれるのを、待ってたんだね。
ムギ、切ないね…。



会いに来てくれてありがとう。
次に来た時は、ママ来たよ!って、呼んでね。

ムギはゴロゴロ言いながら、ちゅーるを平らげ、
パトロールに出掛けて行った。

切ない夜だった。

                                              伽羅moon3

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