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わたしのマクドナルド。

高校生の時の話になるが、
わたしが行っていた高校は、バイトは禁止だった。

どのみち、進学校だから、みんな、バイトしている暇なんてない。

高校の3年の、三学期になると、
もう、授業らしきことは、行われなくなる。

今のようにセンター試験方式ではなかったため、
いろんな大学の入試が、いろんな日程で行われる。
受験生は、最後の追い込みなので、
塾に入り浸っていたり、受験だったりで、
もう、学校になんて、来ないのだ。

でも、わたしには、行くところがない。
あの家庭環境で、まさか家にはいられないし、
仕方なく学校に行くのだが、
来ていたとしても、クラスに数人しかおらず、
授業は行われず、
わたしは図書室に行ったり、当時付き合っていた男子と、
喫茶店に居たりした。

そこで、バイトをしようと思い立った。
担任の先生に、事情を話してみると、
「社会勉強ですからいいでしょう。」と許可をくれた。

当時、駅近くに出来たばかりの、マクドナルドに、
バイトの申し込みに行った。

店先での簡単なやり取りで、採用・不採用は、
すぐに家に電話する、と言われたのに、
電話がかかって来ない。

わたしは、乗り込んでいって、店の責任者に、顛末を話した。

最初に話したのはサブリーダーだったが、
その時は店長のすぐ下のマネージャーで、
わたしの説明を聞いて、
その場で、採用してくれた。

のちに、わたしが4月からは会社員となってしまうので、
期間が短いから採用したくなかったと聞いた。
けれど、電話が無かったので、乗り込んだわけだ。

すぐに、初日が来た。

オレンジ色のユニフォームを着て、
わたしは、「ドリンカー」を任された。

それは、土曜日のランチタイムだった。

初日が土曜日のランチタイムなので、
ごく簡単なことしか、教わる余裕がない。
注文票をうしろから覗いて、ドリンクを把握し、
決められたラインまで氷を入れ、飲み物を注ぎ、
蓋をして、カウンターに出す仕事だった。

まだ、マクドナルドが出来たばかりだったので、
ものすごい人数が押し寄せた。
大きな交差点に立っている店だったので、
その交差点にどれくらい人が溜まったかを見て、
指揮を取るマネージャーが、
ハンバーガーのパテを焼くコールをバックにする。

当時は、作り置きをして、10分したら廃棄というスタイルだったので、
廃棄が多いと、マネージャーの手腕が問われる。

わたしは、しっちゃかめっちゃかのカウンター内で、
仕事をこなし、認められた。

それからは、3月末まで、マクドナルドでバイトをした。

今、メニューに、「ハンバーガー」は、乗っていない。
でも本当は、100円で売っている。
赤字になるので、メニューに載せていないのだ。

当時は、ハンバーガーと、チーズバーガー、
フィレオフィッシュ、クォーターパウンダー、チーズクォーターパウンダー、
しか、なかった。
バイトしている途中で、チキンナゲットと、エッグマフィンが発売になった。

当時、ハンバーガーは、170円もした。
当然そのほかは、もっと高い。
なのに、時給が、430円で、交通費支給がなかった。

わたしは通学定期を持っていたので、それで電車賃は出たが、
時給430円では、食べたくても、
ハンバーガーなんて、買えなかった。

それなのに、当時付き合っていた男子が店に来て、
「おごってー。」と言ったので、
わたしは、嫌気がさして、避けるようになった。

三か月弱しか働かなかったので、微々たるお金だったが、
わたしはそれで、入社式に着るスーツを買い、
バッグや財布を自分で買った。

家が貧乏なのはわかっているし、
買って、と頼んで、渋られるのがすごく嫌だったからだ。


今はもう、駅前はさびれてしまって、マクドナルドも郊外型となり、
その店は残っていない。

けれど、親にけなされてばかりで、
自己肯定感が異常に低かったわたしにとって、
生まれて初めての、仕事であり、報酬だった。

わたしは、優秀であると認められ、
スーパーバイザー(地域担当の偉い人)が来店する日には
必ずシフトに入れられた。

就職する日が来て、辞める時、お別れ会をやってもらえた。


今もわたしは、マクドナルドが大好きである。
もちろん、モスバーガーのほうが、野菜もソースもたっぷりで、
いいのだけれど、
野菜と、大量のソースで、
ハンバーガーが、ぬるいのが、好きじゃないのだ。

マクドナルドの、安定した、ちょっとチープな感じが、
変わらずにずっと好き。

当時、高くて買えなかった、ビッグマックを、
時々食べる。

サンデーもあったっけな。
ソフトクリームに、ソースをかけるメニューなんだけれど、
チョコとストロベリーと、「ホットキャラメル」があって、
そのホットキャラメルのサンデーが、めちゃ美味しかった。

ナゲットも、今のような成形肉ではなく、
本当に、チキンの塊だったので、すごくおいしかった。
ソースの「マスタード味」は、むせるくらい辛かった。

懐かしいな。

わたしは、仕事でしか、自分を評価できない。
今の自分を評価できるものは、何もない。
居る意味もわからない。

ただ、この年齢で、母親が死んでしまったら、
息子にとっては、まだちょっと、早いかな?と思うだけ。
もし可能なら、お孫ちゃんも見てみたい。

是非に、とは思っていないよ。
子供を持とうが持つまいが、それは夫婦の自由だ。
他の誰かが口出しすべきことではない。

だから一切、何も聞かない。
デリケートな問題だからね。
気安く話題にしてはいけないのだ。

複数の子供を育てるのは、とても大変だからね。

猫も同じ。
わたしには、ちまとムギを、両方が納得する方式では、
やれなかった。

ちまは、お姫さま。
ムギは、小悪魔ちゃん。
相容れないのだ。

                                               伽羅moon3

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