« 激しいストレス。 | トップページ | 終え方のさまざま。 »

感涙。

夕べ、寝る前に、ムギを見に行った。

夫が抱っこしていた9時くらいに、敵が出現したのか、
猛ダッシュで走って行ったと聞いていたので、
警備が大変かな、とは思って行ったのだが、
実際に、寒い夜中に、空っぽの小屋を見ると、
一気に心がしぼむ。

ムギ…いないんだ…。

一縷の望みをかけて、「ムギ!」と呼ぶ。
何回か、呼ぶ。
もう電車も走っていない時間なので、小さめの声でも、
自分のテリトリーに居るはずのムギには、絶対に聞こえてる。

それでも、帰って来てくれない時がある。
警備の場所を、離れられないのだと思う。

逆に、帰って来られる時は、5分前後で帰って来てくれる。

夕べは、昼間と違ってまた冬みたいに寒く、
何度もムギを呼んだが、帰って来てくれず、
気持ちは真っ暗になった。

あきらめるしか、ないか…。

夫に、帰って来なかった旨、メールして、
朝のムギの様子を教えて欲しいと書いて送った。

しかし、帰ろうとしたその時、ちょっと遠くから、
ムギが、声を掛けて来た。
「ママ、まだいる?」みたいな、確認。

ムギちゃん!
わたしは、興奮して、思い切りいい声で、ムギを呼んだ。

すると、またムギが鳴く。
わたしが呼ぶ。
ムギが鳴く。

そうして、警備の前線から、ムギは帰って来てくれて、
当たり前のように、わたしの脚に乗って来た。

ムギ…帰って来てくれたの?
ママが呼んでる声を聞いて、帰って来てくれたの?

いじらしくて、切ないくらいにいとおしい。

そんな猫、いる?
外飼いの猫なんだよ?

体がひんやりと冷たかったので、急いで毛布でくるんだ。
帰って来てくれたことに感激して、わたしはちょっと泣いた。



ムギは、最初はまだ、気を抜けない様子だったが、
やがて、降りて座って、ちゅーるを要求。
小屋に入らず、外で食べるというので、出してやった。

食べ終えると、また、脚に乗って来た。
ふっくらと、まあるいフォルムがかわいらしい。

その後はリラックスモードに入り、まったり過ごした。
こんな夜中なので、絶対に誰にも邪魔されることがなく、
二人きりの、貴重な時間だ。

いつまでも、こうしていたいけれど…。

時計は3時を回っていて、わたしは出来れば、暗いうちに寝たい。
呼びつけておいて、悪いなあと思いながら、
まったりしているムギに降りてもらうために、
シーバを使うことにした。

ガサゴソし始めたら、ムギは、振り返ってわたしを見て、
自分から、小屋に入ってくれた。

あ…。
ムギ…。

ムギが、乗っていたくて乗ってたんじゃなくて、
ママを癒してくれていたのね?

ごめん、ムギ。誤解してた。
ムギがママに、チャージしてくれてたんだね?

でも、じゃあ、お礼に、シーバ少しあげるね。

ムギは嬉しそうにカリカリとシーバを食べた。
わたしは、久しぶりに、本当に何日ぶりかで、すんなり寝付いた。
ぐっすり眠ることが出来た。

帰って来てくれたムギ、ありがとう。
隣で寝てくれたちま、ありがとう。




今日は、とうとう、歯医者に行った。

実は、去年9月に、胆のうを摘出する際、
口腔外科での事前診察が必須で、
そこで不具合と小さい虫歯を発見され、
退院したら、これを持って、行きつけの歯医者に行くようにと、
書類を持たされていたのだ。

けれど、心の傷がひどく、
胆管にはめられた管の抜去も控えており、
とてもじゃないけれど、歯医者に通える、精神状態にはなかった。

歯医者って、絶対に痛いし、怖いし、抵抗できないし、
とてもハードルが高いのだ。

わたしが行っている歯医者の先生は、お喋りで楽しいし、
今、ここをこうしてるからね、と説明もしてくれる。
うつ病がひどいとき、夫に連れて行ってもらって、
夫には、見える場所に座っていてもらったので、
わたしが精神を病んでることも知っている。

それでも、エネルギー不足で、行くことが出来ないまま、
半年も経ってしまった。



書類を渡し、胆のうを摘出したんですが、
その際に、虫歯を指摘されて、退院したら行くように言われたんですけど、
ちょっと精神をやられてしまって、来れなくて、
半年も経ってしまいました、と説明した。

そうしたら、先生が、こんな風に言ってくれた。
「いいよいいよ、そりゃ胆のう取るって、大変だったね。
生きててくれれば、それでいいよ。」

生きててくれればいい、って、言ってくれたのだ。

わたしは、急に、胸にこみ上げるものがあって、
思わず、ハンカチを握った。

涙がちょっと出た。



「生きてるだけでいいよ。」って、
わたしたちのような患者が、最も言ってもらいたい言葉だと思った。

そして、できることなら、家族に言ってもらいたい言葉だ。

働いてもおらず、社会にも家庭にも貢献しておらず、
他人から見れば、毎日を意味なく過ごしている。

でも、わたしたちは、わたしたちなりに、
色々感じるし、実際に、こうして生きているわけだ。

あれもできない、これもやれてない、と批判されることが多い。
健常じゃないから、そこが、無理なんだよってことが、理解されない。

役に立ってないこと、恥じているよ。
消費だけしてて、申し訳ないと感じてるよ。



思ったのだけれど、
難しいことではなくて、複雑でもなくて、
わたしたちは、ただ、シンプルに、
「やさしくされたい。」だけなのだ。

子供のころから多分これがずっと根底にある気持ちだ。

やさしくされたい。
ただ、それに尽きる。

だから、「生きてるだけでいいよ。」ってシンプルな言葉に、
感涙してしまうのだ。

見えないだろうけれど、日々、耐えていることがある。
理解されないのもわかっている。

でも、ただ、やさしくされたい。
そう思った。

                                                伽羅moon3

 いつもお読みくださり応援ありがとうございます。クリックお願いしますclover

|

« 激しいストレス。 | トップページ | 終え方のさまざま。 »