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どっちがおかしいのか。

「普通の人」なんて、存在しないと思う。
みんな、少なからず、自分を基準に物事を判断する癖がある。

人の言動を例に挙げ、非難し、
「普通、こうだよね?」と愚痴をこぼすなんて誰もがやっている。

けれど、じゃあ、その「普通」って、
どこに基準があるの?
誰が、どういう理由で決めたことを、「普通」と言うの?

常識で考えろよ!と言われても、
その「常識」だって、例えば、住んでいる地方が違えば、
通用しなくなるじゃないか。

人と、自分は、違っていることが当たり前で、
犯罪でない限り、人の習性や言動を、
普通じゃないと、批判するのは、おかしいと思う。




でも、それはわたしが、世間でいうところの、
マイノリティーになったからこそ、わかることだ。

病気にもならず、挫折もなく、
自分は正しく生きて来たと思える人は、
常に自分が正義であり、基準であり、
そうではない相手を、批判し、攻撃し、排除しようとする。

これは、恐ろしいことだ。

時々、わたしは、自分がおかしいのか、相手がおかしいのかが、
わからなくなる。

それは、一つ一つは、些細なことだけれど、
えっ、それを、そうしちゃうの?みたいに、
びっくりすることがある。

今月、精神科に行ったとき、受付の人が、新しい人だった。

お会計に呼ばれて、支払いをしたら、
すごく普通に、領収書を、二つ折りにされたのだ。

わたしは、ムカッとした。

なんで、折っちゃうの?
どういう理由があって、断りもなく、勝手に折っちゃうの?

そう思って、非常に不愉快だった。
折ったほうがいい理由が、わたしには全くないのだ。
領収書は、夫に提出するので、
折ったりせず、綺麗な状態で保管してある。

それを、何の断りもなく折っちゃうって、
この人、おかしくない?
って、思う。

どう?
みんなは、どう思う?

でも、世間さまから見たら、
正常だからこそ、病院の受け付けで働けている人と、
正常ではないから、その病院に通っている患者だから、
おかしいのは、どっちですか?と尋ねたら、
わたしがおかしい、ということに、なるのだろう。

けれど、正しい・正しくない、という分け方ではなく、
そうされるのは困るとか、不愉快であるとか、思うのは自由だ。

来月は、絶対に、「なんで勝手に折るんですか。」って言う。
その行為は、正しいことではないと、伝える。



わたしは、店員さんに対して、きちんとお礼も言うし、
礼儀は守る。
しかし、相手の態度が悪ければ、それはそれを職業としているくせに、
必要なことがやれてないということなので、
きっちり、クレームを入れる。

でももし、わたしが精神科にかかっているとバレたら、
「あの、おかしい人。」って言われるんだ。

地雷が多い。
普段、耐えているので、キレると怖い。
そういう自分もわかっていて、これじゃ母と同じになってしまう!という恐怖で、
自分を、押し殺している。

だからリラックスできないんだ。
母のようにだけはなるまいと、必死に戦って来たのだ。
でも、同じ狂気を持っていること、知っている。
だから必死に抑えている。




自分を産んで育ててくれた母を嫌いだなんて、
世間的に、ひどいと思うし、恥ずかしいと思う。
親不孝だと思う。

だから、どうにかならないかと、何年も、頑張ってみた。

でももう、おしまいだ。
歩み寄れないことが、はっきりわかった。

自分の力不足だ。
父には、申し訳なく思うが、
息子のやさしい気持ちを踏みにじった母を、
わたしは、生涯にわたり、許さない。



今日は、ムギは小屋の奥のほうに、
気配を殺して、潜んでいた。
呼びかけると、小さく返事をした。

途中、シーバを食べて、ムギがあやめの鉢の水を飲んで、
庭先に座っている時に、お姑さんが出て来た。
お姑さんは、なにも羽織っておらず、「寒い寒い寒い!」と叫んでいた。

ムギに気が付くと、
「あんたそんなとこにいるの? おいで」と言う。
ムギは体勢を低くして、距離を取りながら、「いや~ん」と鳴く。
「何が嫌なのよ、こら!」と怒鳴る。
逃げるムギを追いかける。
わたしは、怒鳴りたいのを必死にこらえていた。

心の中では、「あんたが来るから逃げるんだよ! 邪魔すんな!」と、
毒づいている。
わたしは、微動だにしなかったが、何せ車が無くて隠れられないので、
お姑さんの目にも入っていたらしく、
「ほら、あっちでオバチャンが待ってるわよ、行きなさい!」と追いかける。

だから、アンタがいるから逃げるんだよ!
しかも、あんたにオバチャン呼ばわりされたくないわ!

沸点が低くなっているので、いちいち腹が立つ。

どっちがおかしいのか。
どっちもおかしいのか。


お姑さんが家に入って、ムギは鳴きながら戻って来た。
ね~ムギ、そうだよねえ~。

車の点検は終わり、夫が乗って帰って来たので、
一安心。
これでもう、あの恐怖からは逃れられる。

怖かっただろうに、勇気を出して乗って来てくれたムギには感謝だ。

                                                伽羅moon3

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