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試されている。

夕べは、思いがけず、ムギが乗ってくれて、
そして熱もなく、元気そうで、
すごく嬉しくて幸せだった。

ゆっくり寝よう。
回復しよう。

午後、夫からのメールで起きた。
返事を返しがてら、今朝のムギは元気だったかを聞いた。

ムギ、すごぶる元気で、
夫にも甘え、
何回も乗って来たそうだ。

ああ、嬉しいねえ。良かったねえ。
ムギにも、「日常」の幸福が、わかったのかもしれない。
もちろん、家で飼うことがベストなのはわかっているが、
お外でも、幸せを感じてもらうことができるような、
環境やケアを、心がけて来ている。

きっと、そのことは、ムギにも通じたのだと思う。

ガレージだけど、床があって、
高床式の小屋があって、暖房が来ていて、
ドーム型のベッドが仕込んであり、
隙間風も防げるよう、ベッドにはひざ掛けやタオルが掛けられている。
この冬は、断熱材も敷いた。

お高い療養食を食べ、おいしいおやつももらい、
パパとママに甘えて抱っこされる。

これが部屋なら100点だけど、
お外を楽しそうに駆け回っているムギは、
キラキラしている。

甘えている時は、本当に、にっこりしてくれている。

部屋にいるときは、
こんないい笑顔は、見られなかった。

外で暮らしているのに、健康体だなんて、
なんてありがたいことなんだろう。

野良猫の寿命は4年だとテレビで聞いた。

ムギは、お外だけど、うちの子だからね。
ケアするし、いいもの食べさせてあげるから、
助かった命、大事にして、長生きしちゃおうね。
ムギは、5歳になった。


今日は夕方5時半に、会いに行った。
夫が車で買い物に出ていたので、
戻って来るのを待っていて、それから行ったのだ。

ムギは、車の横に、座っていた。
黙って、わたしを見ている。
わたしの動向を、観察しているのだ。

そうか。

ムギには、明確に、時間帯の概念があるのだね。

夕べは、夜中だったから、
躊躇なく、乗って来たのだ。
夜中には、ママしか来ない。
夜中に、捕まえられることは、ありえない。
ムギはそれを知っていて、突進して乗ってきてくれたのだ。

けれど、今日は、捕まえたのと、同じ時間だ。

ムギは警戒している。

わたしは、とにかく「いつものように」振舞うしかない。
すんなりと、音を立てずに、座椅子に座り、
自分のひざ掛けをかけて、
「ムギおいで~。」と呼ぶ。

ムギはわたしを凝視している。
怪しくないか、見極めようとしている。

やがて、甘えたい気持ちが勝ったらしく、
わたしの後ろを回って、ムギが乗ってきてくれた。
感激だよ。
ありがとうムギちゃん。

草の実がついているので、ブラッシングして取り、
ウェットシートで身体を拭く。
「ムギ、お腹ちゃんは?」と言うと、自力で身体を持ち上げて、
お腹を拭かせてくれる。
けなげで、いじらしい。

シートを2枚使ってきれいに拭いた。

お尻周りの毛が、カピカピして、束になっている。
気になるが、今日は、無理はしない。
また今度、リラックスしてるときに、拭こうね。

最後にまたブラッシングして、ムギはツヤツヤになった。
全身を撫でる。
耳を触ってみて、熱が出てないことを確認。
良かった。ムギ、元気そうだ。
無理言って、ワクチン打ってもらって、良かった。

今日は風がなくて過ごしやすいけれど、
ムギを冷やしたくないので、
「ムギ、毛布かけるよ。ムギの毛布だよ。怖くないよ。」と
説明してから、そっと毛布を出したら、
ムギは逃げてしまった。

怖かったようだ。

そうかあ。
そうだよね。
昨日の今日だもん、まだ、色々怖いし、
疑心暗鬼なのは当然だよね。

わかったよムギ、今日は毛布かけないよ。

ムギは一周して戻ってきた。
またわたしを見ている。
「ムギ、じゃあさ、ママに乗らなくてもいいから、おかか食べようか。」
わたしがそう提案すると、ムギは。欲しい、と鳴いた。

わたしの脚の隣で小皿におかかを出してやった。
しゃくしゃくと嬉しそうに食べる。

おかかがもし身体に良くなくても、
これは、心への栄養だよね。

すると、ムギが、今度は頭をこちらに向けて、
また乗ってくれた。
ムギちゃん、お顔が見れて嬉しいよ。

軽く撫でて、あとは、赤ちゃんをあやすように、
小さく、とんとんしている。
わたしの左手に、ムギがアゴを乗せる。
かわいいよ。嬉しいよ。

回りが暗くなって、冷えてきた。
毛布は無理なのはわかったけれど、
小さいフリースでいいから、ムギにかけたい。

「ムギ、小さい毛布なら怖くない?」と聞いて、
小屋から取ろうとしたら、
ムギが逃げてしまった。

そうか…。
とにかく、まだ怖いんだよね。
ごめんムギ。

ムギはどこかに行ってしまった。

でも、まだ、愛情が足りてないことは、わかっている。
シーバの袋を出してあって、まだもらっていない。

根気強く、わたしは待った。

するとやがて、ムギが戻ってきた。

わたしの周りをうろうろしている。

怖いけど、甘えたい。
甘えたいけど、怖い。
ムギは迷っている。

わたしは、とびきり優しい明るい声で、
「ムギ、大丈夫だよ。おいで。ママ、もう、ムギを捕まえないよ。」
と、必死にアピールするのみだ。

何度も誘って、やっとまた、3回目、乗ってきてくれた。
ムギちゃん。
ありがとう。
もう、毛布かけないから、寒くなったら小屋に入りなね。

しばらく乗って、ただくっついて、一緒に過ごした。

すると、ムギが、わたしに乗ったままの状態で、
シーバを食べたいのだと主張した。

いつもは、食べる時は降りてきちんと座る子なのだが、
降りたくないし、でも食べたいとのこと。
なので、膝に乗せたままで、一粒ずつ、シーバを食べた。

一粒ずつゆっくり。
一袋、全部食べた。
すると、心身ともに、足りたと見えて、
ムギがゆっくりわたしから降りた。

アヤメの鉢のお水を飲んでいる。

ムギ、ママまた夜中に来るよ。
待っててね!
会えたら、ちゅーる食べようね!

そう声をかけて、帰って来た。
一時間半が経過していた。

夫に報告したら、随分長く一緒にいたんだねと言われた。

そう、わたしは今、試されているの。
ムギの信頼を取り戻すためには、
こうして毎日、コツコツ積み上げるしかないんです、と返事した。


人間関係も、全く同じ。
相手が猫でも、同じ。
信頼は、日々、コツコツ積み上げるしか方法はない。

ただし、信頼は、ある衝撃を受けると、
たった一瞬で、崩壊する。

それが起こらないように、またムギの信頼を得られるようになりたい。

ムギは、動物の心というものを、
わたしに教えてくれた。

ちまは、とても情緒が安定した、お姫さまにゃんこだ。
だから、気がつかなかった。

ムギに出会って、
猫とはいえ、人間と同じ心がちゃんとあって、
それは、信頼をつなげば、理解し合えるのだと知った。

たまたま、猫の形をしているだけに過ぎない。
何でも知っているのだ。

わたしは今、ムギに試されている。
誠意を持って、接するよ。
愛情を、伝え続けるよ。

                                            伽羅moon3




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