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男を見る目。

今の結婚は、
明らかに、夫がわたしを選んでくれた。

わたしは、初めて夫を見かけたとき、
感じるものがあった。
それは、
「こういう人はわたしを好きになるんだよな~。」
という、非常に上から目線のものだった。

遠かったのに、ベロベロに酔っていた夫は、
トコトコと歩いてわたしの隣にどかっと座り、
「なんでこんなところにいるの?」
と、そう聞いてきたのだ。

初めて会って、初めて掛けられた言葉が、それだった。
わたしは、居て当然の場所にいただけなので、
返事に困った。

しかし、夫はこの時のやり取りを、全く記憶していない。


紆余曲折あって、
夫からは何度も結婚を求められたが、
何度も断った。
無理だよ、できっこないよ、と思った。

けれど、今は、
この人と再婚して本当に良かったと思っている。
色々、思うことはお互いにあるけれど、
わたしは救ってもらったのだ。

江戸時代なら、「身請け」してもらったようなものだ。

わたしは常に、自分で選んだ人と付き合って来た。
それがことごとく、うまく行かなかったことを考えると、
わたしには、「男を見る目がない」
ってことだ。

今回は、選んでもらえた立場だったから幸せなのであって、
わたしにはとことん、見る目がなかったと思う。

それとも、わたしなんかと付き合ったから、
男が全員、不幸になっちゃったのかな。
それもありうるね。



お姑さんに、気に入られていないことは知っている。

最初に、ご挨拶に伺った時に、
「結婚は、死別ですか? 離別ですか?」と質問された。
離婚であることを答えた時点で、
もう、わたしへの判定はアウトなんだと感じた。

死別は仕方がない。
でも、離婚は、性格が悪いからだと思われる。

それはやはりその通りだったようで、
お姑さんは、籍を入れることに反対した。
財産目的と思われたのだ。

それで、夫は、お姑さんを連れて、
わたしの実家に行ってくれた。
それだって、最初は、
「君のご両親が、こっちに来てくれないかな。」と言われたのだ。
わたしは憤慨して、
それは逆だろう!と怒った。

そしたら夫が、お姑さんを連れて行ったのだ。

実家は、田舎の、小さな敷地の、二階建ての日本家屋だ。
庭だってちょっとしかない。

でも、その時、わたしの両親は、
町に一軒しかない料亭を予約して、
一番高いコースを申し込んでくれてあった。

会食のあと、お姑さんから見たらきっと貧乏くさい家だろうが、
実家に連れて行って、家を見せて、話をしてくれた。

その接待があったので、
お姑さんの気持ちも、少しは軟化した。


先日、夫がまた、ベロベロに酔っているときに、
わたしにこう言った。
そもそもが、キミは気に入られていないし、
評判だって悪いんだからさ、
いまさら、気にすることないよ。
ばあさんが何を言っても、無視してかまわないよ。

それを聞いて、喜んでいいのかどうか、複雑ではあった。

いや、でも、楽になったかな。

人間って、勝手なもので、
自分が好き嫌いを言っておきながら、
自分が嫌われることは、やっぱり嫌なのだ。

でも、自分が嫌いだと思っている相手に、
好かれるはずがないじゃないか。

結婚当初は、わたしに対する期待があった。
夫にも、お姑さんにも、お姉さんにも、
わたしがちょっとは家のために立ち働けると、
期待があったと思う。

でも、全然ダメだった。
逆に、そのプレッシャーで寝込んだり、
大人数での食事に耐えられなくなって、
家族を避けるようになってしまった。

手助けどころか、真逆で、
手を煩わせる存在になってしまった。

今も、何も手助けできてない。


夫が出張で留守だと、
わたしは、異常に緊張する。
一泊ならまだいい。
二泊以上の出張だと、
出張中に、必ず、困ったことが起きるからだ。

東日本大震災の時もそう。
お姑さんが倒れた時もそう。
去年、わたしが胆石が詰まって緊急入院になったときも、
夫は出張中だったのだ。

このあいだ、富山に二泊の出張だったので、
わたしは極度に緊張して、
夫が帰宅した土曜日には、
疲れが出て、動けなくなってしまった。

猫たちの命を守るのはわたししかいない。
またお姑さんに、何か困ったことが起きるかもしれない。
本当に緊張して、しんどい思いをした。

だから、居てくれると、安心だ。
ムギのことだって、
夫はしょっちゅう、「もう知らない。あとはキミが全部やって!」と、
捨て台詞をするけれど、
それではムギを守れないのだ。

二人の眼で、違う時間帯に違う角度で見て、
情報を共有しなければ、
お外の子だから、ムギを守れない。


夕方、ムギに会いに行ったら、ムギが居なかったのでびっくりして、
「ムギ!」と大声で呼んだ。
そしたら、「きゅ~ん」と、小さい返事があった。

え? どこ?

ムギ、小屋にいたのだ。
でもすごく奥の方にぎゅーって小さくなっていたので、
見えなかった。

何か、怖いことがあったのだろう。

わたしが座ったら、喜んで出て来て、
真横でお腹を出してごろんごろんしたあと、
脚に乗ってきた。

今日は、途中、おかかを小屋で食べたいと言っただけで、
あとはひたすら、乗っていたよ。
風もなくて、寒くなくて、楽だった。

ムギ、ママそろそろ帰るね、と言うと、
数秒、考えて、
しぶしぶ降りてくれた。
また夜に来るからね!


今日は自分のために、クリームシチューを作った。
残ったルーだけがあって、外箱がなかったので、
適当な分量で作った。

でも、市販のルーだから、まずくはならない。
量もそこそこ出来たので、
帰宅途中の夫に、良かったらいかがですか?と
メールして聞いてみた。
食べるようなら、ジップロックに入れて用意するので、
帰りに寄ってもらえますか?と書いて送った。

すると、帰宅したら小鍋を持ってもらいに行きます、と
返事が届いた。

夫が取りに来てくれるなら、作ることは嫌ではない。
母屋に行くことのハードルが、高いからだ。
でも、煮物は、夫みたいに上手には作れないから、
今回は特別ね。

昼間、お姉さんがいらしてたとのこと。

そうか。
多分、お姑さんとお姉さんが、ムギを見に行ったんだ。
だからムギは怯えていて、あんなに奥で縮こまっていたんだ、
と、予測した。

お姉さんも動物は好きだから、
前も、見に来て、ムギはダッシュで逃げた。
お姑さんも、毎日見に行くらしくて、
毎日逃げられるのよね~と言っている。

じゃあ、行かないでもらえますか?って言いたいけど、
言っても、覚えられないのだから、わたしは黙っている。

ムギの居心地が悪くなることは、やめて欲しいのだけれどね。
仕方がないよね。


ああ、そうだ。
男を見る目が無かった話。

ひどい悪夢を見たのだ。
前に付き合っていた男が、
働きもせず、ヒモ生活。
どうやってこの支払いをするのよ!と思った場面で、
ハッとして起きた。

そうだ、わたしはもう再婚していて、守られているんだと気付いた。

でも、余りの後味の悪さに、起き上がることが出来ず、
もう一回寝た。

だから、夫と結婚して、本当に救われたし、
幸せだという話でした。

                                            伽羅moon3




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