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天にも昇る。

最初のカウンセラーさんが亡くなってしまったとき、
使わせてもらっていた、カウンセリングルームの、
主宰をしている、女性カウンセラーさんと、
お通夜やお葬式で会って、言葉を交わした。

夫が仕事を休んで、
わたしを、お通夜とお葬式に連れて行ってくれたのだが、
もし、夫が隣にいなかったら、
勘違いされてしまうであろうであるくらい、
わたしは泣いた。

夫が嫉妬するので、詳しくは書けないが、
もとは、カウンセラーとクライアントとして出会ったのではないのだ。

運命的に出会ったのに、
まさか、死なれてしまうとは、思いもよらなかった。

ショックが大きくて、
わたしの時間はストップした。

その、ルーム主宰のカウンセラーさんは、
何度か、顔は合わせたことがあった。
カウンセリング内容の報告も上がっていたようで、
「あなた、本当はお母さんが好きなんでしょ。」と言われたことがあった。
「嫌いです。」
「いいえ、本当は好きでしょ。」
「嫌いです。」
という、やり取りをしたことがある。

それに何の意味があるか、知らないが、
不愉快だった。

お葬式の時に、名詞を渡され、
自分が引き継いでもいいので連絡して、と言われたが、
わたしは、彼女に頼もうかなんて、
思うはずもなかった。


自分の母親を嫌いだなんて、
相当、辛いことだ。
産んで育ててもらったのに、嫌いだなんて、ひどいと思う。

わたしがもし、息子から嫌われたら、
生きては行けないと思うからだ。

だからこそ、何とか、母と、上手くやれないかと、
模索し続けているのだ。

息子はわたしに会ってくれる。
結婚前は、秘密の話も一杯聞かせてくれた。
信頼されていると思って嬉しかった。

大好きで、誰よりも愛している息子に、嫌われたら、
もう生きては行けない。

だからわたしも、努力せねば、と思ったのだ。
努力している背中を、息子に見せなければ、と思った。

でも、もう、無理かもしれない。

力が残っていない。

これ以上、どうやって母とうまくやればいいのか、
全然、わからない。

諦めてしまっていいのか、
死ぬまで努力し続けるべきなのか、
わたしにはわからない。


今日、息子から、メールが来た。
3月か4月に、うちに遊びに来ませんか?
という、お誘いのメールだった。

寝ていたわたしは、飛び起きた。

天にも昇る気持ちだった。

わたしは、いつでも会いたい。
いつもかも、息子たちのことを考えている。
けれど、子供って、
親のことは、そんなには考えないものなのだ。

だから、要求していないのに、誘ってもらえて、
めちゃくちゃ、嬉しかった。

高校生の時、
「もう、ママのことなんて普段、考えないでしょ?」
と聞いた。
すると、当然、息子は「うん。」と答える。
そう、それでいい。

「でもさ、お弁当を開けた瞬間だけは、ちょっとは思いだす?」
と聞いてみた。
すると、それにも、「うん。」と答えた。

貧しい内容のお弁当だったが、
食べ盛りの一食をなるべく楽しめるよう、
色々工夫した。
フタを開けたその瞬間だけ、
わたしのことを思い出してくれたら、それで充分だった。

息子は18歳で働き出して、
やがて、夜勤が続くようになり、
心も身体も、疲れていった。

そんなとき、「弁当、食べたいな。」と、
ぽそっと言った。
「卵焼きが入ってて、カマボコが入ってるやつ。」

わたしが作るお弁当は、
冷凍食品も多用したが、
卵焼きだけは、毎日焼いて入れていた。
お袋の味だと言ってくれた。
刻んだネギを入れたり、海苔を巻き込んでみたり、
カニカマを真ん中に入れたりと、
毎日色んな卵焼きを、入れていた。

カマボコ、と言ったのは、
彩りが欲しくて、ピンクのカマボコを焼いたものを、
よく入れていたからだ。
チーズを挟んで焼いたり、
海苔を巻いたりして、入れていた。

それを、食べたいと言う。
そんなに、代わり映えのしないお弁当だったけど、
何でだか、飽きなかったんだよね、と言った。

息子の心が疲れているのがわかったので、
翌日から、夜勤明けで起きた時に、食べられるよう、
高校生の時のようなお弁当を作って、
置いておいた。

どれくらいの期間、やったかなあ。
そんなに何ヶ月もでは無かったように思うが、
はっきりとは記憶していない。

夜勤に疲れて体調を崩し、
やがて息子は会社を変わった。

その、辞めた会社に、後に入社したのが、
お嫁ちゃんだったのだ。

息子は、人間関係は大事にしていて、
辞めた会社の飲み会や行事に、呼ばれては参加していた。
息子は人間性を好かれていた。

それで、お嫁ちゃんと、運命的に出会ったのだった。


「かもめの玉子」問題で、
キミの気持ちを、母親として守りきれなくて、ごめん、と
息子にはメールをしておいた。

でも、それについては返事がなかった。
何と返したらいいか、わからないのだろうと思っていた。

それが、今日の、「うちに来ませんか?」とのお誘い。

嬉しすぎて、もう、天にも昇る気分だった。

勝手な思い込みだけど、
ねぎらわれている感じがしたのだ。

夫が出張から帰って来たら、スケジュールを聞いて、
遊びに行く計画を立てよう。

おみやげ、何がいいかな。
何をあげたら喜ぶかな。

息子が、いい結婚をして、
そして、わたしたちに会ってくれる。
自分のしていることを思うと、恥ずかしくなる。

でも、今は、ただ甘えよう。
彼らとの時間を、大事にしよう。


東京にも雪が降った。
ほぼミゾレだったが、ずっと降り続いていた。
ムギはちゃんと小屋にいてくれて、
身体もぬれていなかった。

良かった、安心した。

寒いは寒いけれど、風がなかったので、
行ったら、喜んで出て来て、脚に乗った。
一時間も一緒に過ごした。

明日もまだ、ミゾレが降るような予報。

わたしは、試しに、ムギにトイレを置いてみた。

お外で暮らすムギに、トイレを使う意味があるのかどうか、
正直、わからない。

ムギはわたしたちの前に現れる前、確実に、家猫だった。
トイレをちゃんと使える子だ。
どうすればニンゲンが喜ぶかを、知り尽くしている。
言葉も通じる。
入院経験も多い。

なので、「そうか、ここでおトイレすれば、
濡れた冷たい土を掘らなくても済むんだ!」、と
気がついてくれないだろうか?と思って、
車の後ろの、雨が吹き込まない場所に、置いてみた。

使わないようであれば、また引き取ってくればいいだけ。
試してみる価値があると思ったのだ。

ゴミ箱もポリ袋もセットして、
風で飛ばないようにブロックでガードした。

ムギ、おトイレ使うといいなあ。

そしたら、排泄の様子を、こちらも把握できる。

このあと、また会いに行く。
寒波が来ているから、小屋をしっかり暖かくしたい。
ムギを守れなければ。

母は強し、だよ。

                                          伽羅moon3




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