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気絶の元日。

わたしが眠りに入れるのは、
早くても夜中の2時台。
日頃は3時~4時の間に寝ている。

それを変えるのは無理なのだ。

一昨年まではそれを説明しても聞き入れてもらえず、
元旦、一回7時に起きて、
座卓を囲み、挨拶をして、
お雑煮を食べる。

もう、拷問でしかなかった。
そしてそのあと、また着替えて寝なおす。
起きると、夕方になってしまっている、というありさま。

今回は、母が、
無理して起きなくていい、
ご近所さんの家に行くのに間に合う時間でいい、と
初めて言ってくれた。

ご近所のお家には、11時に招待されているので、
わたしは10時過ぎに起きて、
両親に挨拶をし、
着替えて用意をした。

年末に、そこのうちの、おばちゃんの夢を見たのだ。
寝込んでいる夢だったので、ひょっとして、と怖かった。
だから、会いに行きたかった。

自分の子供と分け隔てなく優しくしてくれたおばちゃん。
おじちゃんは、たった50歳で、ガンで死んでしまった。
可愛がってもらったわたしは、今でも泣ける。

おばちゃんは、頑張って定年まで働いて、
定年になったら、あれして、これして、と思っていたのに、
リウマチを発症してしまった。

当時、今のようないい薬がまだなかったので、
どんどん進行して、
ほとんど歩けない体になってしまった。

幸か不幸か、お子さん二人が、どちらも結婚せず、
一緒に暮らしているので、いいけれど、
おばちゃんも、母と一つしか違わない。
いつまでも生きててくれるとは限らない。

わたしは、これが最後かもしれないと思って、会いに行った。

おばちゃんは、涙を流して喜んでくれた。
多分、母が愚痴をこぼしているのだろう、
帰って来てやってね、と言われた。

おばちゃんは、常に物静かで冷静で、
理知的で公平で、
わたしの母とは大違い。
子供ながらに、うらやましかった。
おじちゃんも、わたしが怖がらないよう、
顔にお湯がかからないように髪を洗ってくれたり、
映画に連れて行ってくれたり、
イタリアンレストランにも連れて行ってくれた。

自転車の練習をさせてくれたのも、そこのおじちゃんなのだ。

父と息子が座敷でご馳走になっており、
わたしと母は、おばちゃんと話していたが、
わたしはそーっと、息子の隣に移動した。

そこの家のお姉ちゃんと、飼っている猫の話で盛り上がった。

庭には、小さな野良猫がたくさんたむろしていた。
どうやら、餌だけやっているらしい。
賛否両論あるとは思うが、
敷物も無く屋根もなく、小さい猫たちが、寄り添って過ごしていた。

4人一緒に帰ることに成功した。

帰りに、野良猫を見ていたら、中の一匹が、
群れから出て来て、寄ってきた。

息子の脚に、スリスリして、一緒に階段を降りてくる。
小さい声で鳴きながら、「連れて行って。」と言っている。

坂道の途中まで、付いて来てしまった。
切ない。

あれを見てしまうと、ムギは、まだ恵まれてると感じた。
正当化するわけではないが、
小屋があって、電気で暖房してある。
ムギが選んで居ついてくれたから、わたしたちも頑張った。

野良猫の寿命は、4年だという。
余りにも短い。
ムギをそんなに早く死なせてはならないと固く思う。

帰宅して、わたしはお雑煮を食べた。
息子は別室でコタツに入ってテレビを見ている。
父が、お昼寝のために二階に上がってしまった。

まずい、母と二人だ。

わたしは急いで食べ終えて、
ねっとりと喋りだした母を振り切って、
息子のいる部屋に逃げた。

そしたら、母が追いかけて来て、喋られてしまった。

もちろん、息子がいるから、父の悪口をあからさまに言うことはしない。
けれど、わたしはしんどくて、苦しくなった。

無理。
無理だよ…。

やっと母が居間に戻って、
わたしはコタツで、急激に意識が遠のいた。

やばい、寝てしまう。
でも、もう、体が動かない。
息子の名を呼び、助けて、寝ちゃう、寝たくない、と
繰り返し言ったが、
息子は、寝ていればいいよ、と答えただけで、
わたしは、気絶した。


気が付いたら、夕方になっていた。

あああ。
息子と二人で過ごせる、貴重な時間だったのに、
気絶して終わってしまったよ…。

リフォームで、母屋に避難生活をしている時、
玄関脇の和室にいたのだが、
玄関で、お姑さんが、鍵をガチャガチャ、
ドアをドッタンバッタンとやり始めて、
その様子に狂気を感じて、
やはり、3時間くらい、気絶したことがあった。

脳が、シャットダウンするらしい。

マトモに接していたら、壊れるので、
気絶させられるのだと思う。

まあ、気絶と睡眠は、似たようなものなので、
その夜は、全然寝付けなかった。
朝の4時になって、仕方なく階下に下りていって、
薬を足して飲んで、ようやく寝たのだ。

豆電球をつけて、息子の寝顔をずっと見ていた。
もう、見られないかもしれない。
そっと手を伸ばして、息子の髪に触れてみた。
天然パーマなので、ふかふかした手触り。
可愛い息子。
愛おしい子。

2日には、お嫁ちゃんが来る。
お嫁ちゃんは、性格がとても可愛いので、人気者だ。
会えるのは嬉しいことだ。


まだ続きます。

                                          伽羅moon3




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