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もしやり直せるなら?

どう考えても、
わたしは、今が、人生において最も幸せだ。

不思議に思われるかもしれない。

躁うつ病で、リウマチで、
胆のうを摘出したばかり。

でも、今の生活が、辛くない。

今まで生きてきて、辛くなかった時期が、
ないのだ。
ずっとずっとわたしは、辛かったのだ。

無理の連続で、発症した。

だから、今のわたしが、真実のわたし。
嘘のないわたし。

そのことが、どれほど楽なことか。


人間性を否定されて育ったので、
仕事で成果を上げるしか、自分を肯定する手段がなかった。

だから、どの職場でも、精一杯やったし、
それなりの成果を常に上げてきたと思っている。

今はその、仕事を持たない状況にある。

再婚してからしばらくは、
ほとんど出かけられなかった。
街の道も覚えられないし、
昼間、働いている女性を見ることが、辛かったのだ。

今はもう、辛くない。
何年もかかって、ようやく、自分をけ入れられたのだと思う。

わたしは親に対して、恨みがましいことをよく書くけれど、
わたしだって、当然、不完全で、未熟な親だった。

何が違うかと言ったら、
親を許せないわたしと、許してくれた息子、
という差だと思う。

息子は、いい子に育った。
立派な社会人になり、きちんと一人で暮らせる力を持ち、
大切な人と結婚できた。

上手に、親離れしたのだ。

なのにわたしは親に対して、
まだ色々と、恨みがましく思っている。

大変だったのだ。
すごく大変な生活だったのだ。
父は三交替勤務、
母も働いていて、すれ違いも多く、
祖父の借金を背負わされて、大変だったのだと思う。

でも、その原因は、わたしにあるわけではない。
決してそうじゃない。

だから、「大変だったんだから」という理由で、
わたしを精神的に虐待してよかったということにはならない。

母がいけなかったのは、
わたしに、大人の愚痴や悪口を聞かせたことだ。
本来なら、自分の姉妹や友達に話すべき愚痴や悪口を、
わたしにいつも聞かせた。

わたしは、母の友人ではない。
一生、子どもなのだ。
子どもに対して、話してはいけないことが、世の中には沢山ある。

そのボーダーラインを守れなかったのは、
圧倒的に母が悪い。


しかし、わたしも未熟な親で、
息子を傷つけたことが何回もある。
悔やんでも悔やみきれない。

いいよ、って許してくれるとは思うが、
もしまた、来世で親子になれたら、
今度は絶対に傷つけないのに。

やり直せるなら、そこから、やり直したい。

離婚したことも良かったし、
息子の適正を見抜いて、特殊な高校に入れたことも良かった。
大学に行っても、適職に就けない人がほとんどだし、
わたしの友人だって、
勉強ばっかりしてて、いい大学に行っても、
専業主婦という人もいる。

もちろん、専業主婦が楽なのではないよ。

ただ、大学で学んだことを、なぜ、生かしきれなかったのかと、
わたしには疑問なだけだ。

わたしには、なりたい自分があった。
やりたい職業があった。

親の理解を得られず、仕方なく普通の高校を出て就職した。

けれど、その後、経験を積んで、
デザインの仕事に就くことは出来た。

専門学校にも行かず、大学にも行かず、
社会に出て働きながら吸収して、
なりたかった自分になることはできた。

それで、食べていけなかっただけだ。


田舎に生まれたから、選択肢がなかった。
もし東京に生まれていたら、専門学校くらいには行けたと思う。

沢山、無理をした。

そして、病気になった。

でも、この、病気のわたしこそが、
わたしの「芯」。
本物のわたしが、この姿なのだ。

それがわかって、今は、何もせず、休んでいる。
もう、頑張れないんだなあって思う。


夕方、ムギのところに行こうと、
階段を降りて、母屋のほうに向かったら、
門扉の前に行き着くよりも先に、
ムギから声を掛けてきた。
大きな声で、わたしを呼んだのだ。

待っててくれたんだ?
ムギ、待ちかねて、キュンキュン鳴いて、
コンクリの上で、ゴロンゴロンとローリングして、
座ったわたしに突進して来た。

ああ、ムギ、会えて嬉しいねえ!

こんなに喜んでもらえて、ママは幸せだよ。

拒否されてる期間、本当に辛かったよ。

もしわたしが、息子に拒否されたら、
生きていけないくらいに苦しむと思う。
だから、今年は実家に帰省する。

ただし、母とは二人きりにならないようにする。
息子に話して、協力してもらう。

親の事情を、子どもに押し付けることをしたくはないのだが、
母のことを悪く言うのではないので、
息子も、いつも、今はそれでいいんじゃない?と言ってくれる。

わたしは、わたしが、母の何にキレたのかを、
誰にも言っていない。
とてもじゃないけれど、恥ずかしくて言えない。

話したほうは満足して楽になったかもしれないが、
一人で抱え込んだわたしを、
一体誰が、助けてくれるというのか。


何事もなかったように振舞うつもりだけれど、
崩壊した心が治ることもない。

ラインは、超えてしまったら、おしまいだ。

                                           伽羅moon3




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