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チャージ!

退院した日は、12時間も眠った。

一晩の入院とはいえ、
疲労はしているのだ。
ちまがいるから起きたが、ほっておいたら、
夕方まで寝てしまいそうな勢いだった。

洗濯を回しながら、自分の夕飯を作り、
夕方、こっそりと、ムギに会いに行く。
あ、ちまには、ちゃんと言ってから行くよ。

ムギは夕方だと、まだパトロールに行かずに、
小屋の中で寝ているので、
大体会える。
会えないときは、ベッドや食器が乱れているので、
多分、お姑さんが来てしまって逃げたあとだ。

昨日、久しぶりにムギに会った。
二日間、来なかったけれど、ムギは怒っていなくて、
きゅ~んと鳴いて、すぐ出て来てくれた。
嬉しかった。

今日はシャンプーに行った。

退院できたので予約どおりに行けることはメールしておいた。
麻酔が効かなくて、オエオエした話をして、笑った。
「この人、話、盛ってるわあと思われたんですね!」と怒ってくれた。

処置が終わって、誰かが、「ストレッチャーを」って言ったとき、
わたしが起き上がって座り、
「自分で帰れるので大丈夫です。」って言ったら、
「いやいやいや。」って、ダチョウ倶楽部みたいになって、おかしかった。
せめて車椅子で帰ってくれって頼まれて、
乗せてもらったにすぎない。

こういう患者さん、ほかに居ないのかなあ。

美容師さんと、そろそろ年末ですねって話してて、
わたしたち、知り合って何年くらいになります?って聞かれたが、
うつ病で記憶があいまいなわたしにはわからなかった。

彼女がまだ入店したてで、研修中だったときに出会った。
だから、あの時いくつだった?と聞いたら、
ああ、もう6年も経ってます!ってびっくりしてた。

そんなになるのか。
それはびっくりだ。

わたしはうつ病になって、髪を洗えなくなった。
再婚してからは、毎日夫と一緒にお風呂に入り、
時々髪を洗ってもらっていたのだが、
アパートに越してからは、お風呂も狭いし、
追い炊き機能もないし、
そのうちに完全別居になって、わたしは勝手であるが、困った。

そんなときに彼女に出会い、
シャンプーをやってくれたのだが、
すっごい、好みのぴったりなシャンプー加減だったのだ。

人生で、ダントツの一位だ。

それまでわたしは、美容院に行っても何も話せなかった。
話したくなかった。
今日はお休みなんですか~?とか聞かれても困るし、
土地にも疎いから、話す内容もない。
本も雑誌も読めなかった時期だったので、
ただうつむいて、黙っていた。

髪型なんてどうでもよく、洗えてない髪が恥ずかしかった。

50肩とういのになってしまい、
完全に、腕があがらなくなってしまった。

そのタイミングで、わたしは彼女を指名して、
月に何回か、シャンプーに通うようになった。

すぐに打ち解けて、いろんなことをいっぱい喋った。
彼女の関西弁が気持ちよく、後ろ向き加減が、ちょうど良かった。

お店では、「あの伽羅さんが喋って笑ってる!」と、
ひそかに評判だったそうだ。

彼女が合格してスタイリストの資格を取り、
しばらくしたあと、店を変わると教えてくれて、
わたしも、彼女だから通っているに過ぎないので、
一緒について店を変わった。

今は、夫の次に、よく会う人である。
そうかあ、もう6年も経ってたなんて、思いも寄らなかったよ。

帰ってきて、シャワーして、
慌ててムギのところに行った。
パトロールに出てしまったら、会えなくなるからだ。

ムギは、小屋で寝ていた。
昨日、ベッドの敷物を、ふわふわなのに替えてやったのだが、
気に入ったみたいで、ちゃんと寝ていた。

わたしがひざ掛けを脚にかけて座ると、
ムギがきゅ~んって鳴きながら出て来て、
コンクリのところで、喜びのゴロンゴロンをする。
ムギおいで~って言うと、すぐにくっついて来てくれて、
このところは、すぐに脚に登ってくる。

手を貸してやって脚に納めると、
ちょっと体を拭いたり、ちょっとブラッシングしたり、
撫でながら、傷などがないかを調べて、
ムギにもフリースをかけてやる。

そうすると、お互いにあったかくて、いい気持ち。
しっとりと脚の隙間にムギがおさまっていて、
あったかくて幸せなのだ。

色々お喋りすると、時々ムギは振り向いて、
ニッコリしてくれる。
撫でている手に、頭をスリスリしてくる。

しばらくくっついていて、ムギが降りて、
座って、ゴッツンコしてきて、
「何かくれ!」と鳴く。

おかかをやり、食べ終わると、車の周りを、パトロールしてくる。
戻ってくると、また脚に乗って来る。

これを3セット繰り返す。
時間にすると、一時間ぐらい。

そうすると、お互いに、気力をチャージできるのだ。

ムギは、一人で小屋を守る気力。
わたしは不自由な心で生きていく気力。

ただ黙ってくっついているだけで、
心が通う。

猫の心と、人間の心、そんなに差はないのでは?と感じる。

息子たちが来て、アパートで4人とちまでワイワイやってた夜、
ムギは庭にポツンと座って、
アパートの玄関を見上げていたという。

翌日、会いに行ったら、会って甘えてくれたが、
あぐ~って、噛まれた。
もちろん、力は加減しているので大丈夫なのだが、
ムギは、ちゃんと、自分の感情を、表現してぶつけてきた。

夫なんて、ダウンジャケットの上からだが、
噛み逃げされたそうだ。

ムギ、寂しかったんだね。
ワイワイやってるの、わかるもんね。
ボクだってあそこに住んでたって、思ったよね。

寂しいとか、うらやましいとかいう感情が、
ちゃんとあるのだ。
犬より、豊かな気がする。

ちまは情緒の安定した子なので、
とても助かる。
素直で、気取りもなく、フレンドリーで、優しい。
天使ちゃん。

ムギは、可愛すぎるワガママな小悪魔ちゃん。
つい、会いたくなっちゃう。
でも、ちまの手前、夫がいるときは、一日一回。
夫が出張だと、心配なので、夕方と夜中に行く。
朝は長女が面倒を見てくれてる。

世話はするけれど、
与えてもらっているのは、人間側だと思う。

ちまムギは、大事な大事な命。

これからも、お互いにチャージしようね。

                                          伽羅moon3



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