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ムギが来ていた。

昨日は精神科に行く日だった。

前の夜には寝付けなくて、
朝になってしまいそうになり、
気持ちが焦る。

すごい量のセロクエルを飲んでいて、
そこに更にプラスしているのに、
神経が、オフにならないのだ。

眠くなって寝る、なんてことは起こらない。

じりじりと時間だけが過ぎていき、
わたしは諦めて一度起きた。
隣にいる、ちまの手を握って、愚痴を聞いてもらう。
ちまは、やさしく舐めてくれる。

更にセロクエルを足して、明け方ようやく寝付いた。

お昼に起きて、東の窓を開けた。
東側は、すぐ隣家の屋根なのだが、唯一、脱走防止がしてあって、
窓ガラスも、東窓だけ透明にしてもらってある。
ちまが、外を見る窓だ。


そしたら、隣家の屋根に、
ムギが来ていた。

ムギちゃん!

呼ぶまでもない。
ムギはわたしを見つめている。

ムギはわたしに会いに来たのだ。

この窓が、わたしの部屋であることは、よく知っている。
だってここに住んでいて、
ムギだって窓から外を眺めたし、
去年の秋に、ムギを外に返してからは、
時々ここに来て、わたしを見ていたのだもの。

切ない…。

会いに来てくれたのに、部屋に入れてやれない。
「ムギ、おいで!」って、手を広げて招き入れたかった。
よく来たね、って言いたかった。

でも、わたしの隣には、正妻のちまがいる。

「ムギ、寒いから、小屋に入りな?」
わたしがそう声をかけると、
ムギはマバタキして、返事をする。

ごめんムギ。
会いに来てくれたのに。

屋根にはもう、陽は当たっておらず、金属の屋根なので冷たいはずだ。
ムギ、小屋に入りな?
あったかくしてあるよ?

わたしは切なくてたまらず、窓を離れた。
辛いよ。
でも、部屋に入れてもらえないムギのほうが、もっと辛い。

出かける支度をして、出る前にもう一度見たら、
ムギはいなくなっていた。
小屋に帰ってくれたのならいいのだけれど…。

早く帰って来て、夕方ムギといっぱいラブラブしよう。


病院はすいていて、わたしが一番に呼ばれた。

寝付けていないことを話し、
まだ、夕飯作りを再開できてないことを話した。

セロクエルもそろそろ無くなるので、
頓服として出してもらった。

精神的疲労が回復するにはちょっと時間がかかるので、
もうしばらくの辛抱ですよ、と言ってもらえた。

薬をもらって、コンビニで夕飯用にお握りを買い、
電車に乗って速攻で帰った。

ちまの世話をして、自分はシャワーをして、
洗濯機を回し、
急いでムギに会いに行った。

ムギはちゃんと小屋にいて、
喜んで、食い気味に出て来てくれた。

わたしが座って自分の足をひざ掛けでくるむのを、
そばで待っていて、すぐに乗ってくる。

以前は、わたしの周りをぐるっと一周してから来る、って感じだったが、
今はもう、待ちきれないくらいのスピードで乗ってくる。

体を撫でて、異常がないかをチェックして、
草の実が付いていたら取り去り、
お尻から何か出てないか、チェック。
草が出てる時とかあるからね。

ムギ専用の、ひざ掛けをかけて、ムギをくるむ。
黄色くて、羊さんの柄のひざ掛けを、今年買ったのだ。
去年はそういう準備もしていなかった。

甘かったと思う。
外で冬を越すのは、大変なことなのだ。
ムギが倒れてそれが身に染みたので、
防寒対策はしっかりとやる。


ムギ、このところ、夜も小屋にいて寝ている。
昼間もいる。

わたしが思うに、
ムギも、外で冬を越すことの大変さがわかって、
寒くなってからでは遅い、と考えて、
秋口から、縄張りを誇示するための警備に行っていたのではないか。

まだ寒くないうちに、
ムギは積極的にパトロールに出かけ、
夜な夜な喧嘩をして、
傷を負って帰って来ていた。

皮がベロンってなっちゃうくらいの酷い怪我もあって、
ムギに、テリトリー、そんなに広げなくてもいいんじゃないの?と
忠告したくらいだ。

でも多分、広げる目的ではなく、
冬になる前に、しっかり、
縄張りを決めておきたかったのではないだろうか。

そして実際に寒くて辛くなったら、
そのときは、ぬくぬく小屋で過ごせる、という計算。

ムギは頭がいいし、外の世界を充分知っているので、
そういう戦略を立てたのだとわたしは思う。

秋口から、エサももりもり食べて、
皮下脂肪をちゃんと蓄えた。

秋の間は、夜中はパトロールで忙しく、
あまりゆっくり会えなかった。
それが、寒くなってからは、ちゃんと小屋にいる。

ありがたい。
ムギ、よく頑張ったね。偉いよ。
賢いね。


真冬の気温になってるので、
ホットマットのやんわりとした暖房だけでなく、
使い捨てカイロを入れて、小屋のベッドを温めてある。
気温予想を毎日読んで、調整している。

やれることは、すべてやりたい。
もう、ムギが倒れるのは絶対に嫌だ。

夕べ、夜中に行ったときは、
小屋にいて、リラックスして寝ているのだけれど、
出て来ない。

いいんだよ、居てくれて、ムギが気持ちよく寝ているなら。
それでいいんだけれど、
もしかして、具合が悪かったら?と
過去の記憶が頭をもたげる。

手を差し入れて、こちょこちょしてみたら、
ムギはぐふ~と言って、くるっと回転し、
お腹を上に向けて、
世界で一番かわいいポーズをしてくれた!

ムギちゃん…。
可愛すぎる罪で逮捕ですよ…。

ずっとそうしてくれてるので、写真も撮れた。
超かわいい…。

しばらくお腹をモフらせてもらった。
お腹は、あったかくてほこほこしていた。
よしよし、いいぞ。

そのあと、静かに寝ているので、わたしもしばらく見ていたが、
やっぱりどうにも心配なので、
「ムギ、スープ飲む?」と、聞いてみた。
すると、ムギがぱちっと目を開けたので、
小皿にスープを入れて、小屋の中に差し入れしてやった。

すぐに飲んで、ゴキゲンだった。
良かった。安心した。
また明日ねって約束して、帰った。


夕べは早い時間から、新しいパソコンを立ち上げたのだが、
まったく、インターネットに接続できず、
何の画面にも行けない。
おとといは、どうにかこうにか、ブログを更新できたのに。

申し訳ないけれど、夫に来てもらった。
二時間くらい、あれこれやってみてくれたが、
夫にもよくわからず、お手上げ。

なので、せっかくい色々移行したり設定してくれたのに、
一回、初期化することになった。

一晩中、初期化していた。

さっき、出かけていた夫が帰って来て、
すぐに来てくれて、こうして更新できている。

今日も夕方、ムギのところにいったら、ちゃんと小屋で寝ていて、
すぐに出て来てくれた。
今日は風がなくて過ごしやすかったので、
脚にのったムギをモフモフしていたら、
クルッと上を向いて、また超可愛いポーズを見せてくれたよ。

小悪魔ちゃん…。

こうすれば、ニンゲンさまがイチコロだってこと、
ムギはよく知っているのだ。
可愛すぎる…。


隣の屋根に来ていたのを見たときは、
切なくて泣きそうになった。
本当に、「ムギおいで!」って、
手を広げて言いたくなった。

でも、ちまと3人では、うまく暮らせない。

ムギ、一緒に冬を超えようね。
目いっぱい、気持ちよくしてあげるから、一緒に頑張ろうね。

部屋に戻ってくると、ちまが、
「プリンセスちまティー」に思える。
今朝ももぐっていて、一緒に寝てくれてたよ。
ふわふわ、幸せだね。

小さい命に見えるかもしれないが、
重たい、大切な命たちだ。
しっかり守る。

                                             伽羅moon3



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