« だから言ったでしょ。 | トップページ | チャージ! »

謝罪。

病室に戻って来て、
濡れてしまった服を着替えるのを手伝ってもらい、
あとはすることもないので、
音楽プレイヤーで音楽を聴いていた。

すい炎が、起こるかどうか。

あの痛みは、しっかり記憶している。
どこが痛むのか、痛みがどんな風に移行するのか、
しっかり記憶している。

だから、兆候があらわれたら、すぐ、自分でわかる。

体調は落ち着いていた。
痛みは出ない。

なんともない。

水分は、すぐに飲んでかまわないと指示が来たので、
自販機でポカリを買い、
ほんとはダメかもしれないけど、
カップディスペンサーで甘いコーヒーを買って飲んだ。

だって、空腹なんだもの。
病室に戻ってきたとき、ちょうどお昼で、いい匂いで充満していて、
そのときすぐにでも食べられそうな感じだった。

でも、看護師さんに、聞いてみたら、
今夜は絶食なんだって。

コーヒーを買うとき、つい、献立表を読んでしまった。
七五三の特別メニューで、夕飯がすごい豪華だった。

読まなきゃ良かった。
食べられないのか。

リウマチの先生には、インフルエンザにかからないようにと、
強く言われたので、
ずっとマスク着用。
耳にはイヤホンを刺しっぱなしで、外界をシャットダウン。
そうでもしないと、4人部屋は乗り越えられない。

同部屋で、同じ日に入院した人は、
ものすごく親しみをこめた瞳で、丁寧に挨拶してきた。
わたしは、深く会釈だけした。

隣のベッドは、お婆さん。
歳を取ると、いろんな音が出ちゃうんだね。

夕方5時になり、回診で、主治医が回ってきた。
「先生、ありがとうございました。」とお礼を言ったら、
主治医は、恐縮して、
「麻酔が効かず、申し訳ありませんでした。」と、
頭を下げられた。

きちんと謝罪を口にしてくださった。

あんなにしつこく訴えたんだけど、
こんなに効かない患者がいるってこと、
主治医も、内視鏡室の麻酔の人も、知らなかったんだね。
薄ら笑いして、まあまあ、って言ってたもの。

「でも、反射がすごく強いんですね。」とも言われた。
わたしの喉の、拒絶反応がすごいのだ。

今は、歯医者で型を取るとき、
いわゆるセメントが、たった3分で固まる世の中になったが、
昔は、20分くらいかかったものだった。

奥歯の型を取るときなどは、
わたしはオエオエしてしまい、本当に大変だった。

そこは、自分の体質なので、仕方がない。
主治医のせいじゃない。

けれど、こういう患者も実際にはいるんだってことを、
知っておいてもらえたらなと思う。
脅しで、麻酔効きませんよ、って言ってるわけじゃないのだから。

ピンピンしているわたしを見て、夕飯抜きを不憫に思ったらしく、
主治医が急遽、夕飯を手配してくれることになった。

液体ですけど、食べましょうか、間に合うかな?と
時計を見て、電話で手配してくれた。

空腹でお腹がぐうぐう鳴っていたので、それはありがたかった。
食べても、食べなくても、すい炎になってしまうときは、
なってしまうんだもの。
完全に絶食していて、点滴からも栄養を採ってなかったのに、
前は発症してしまったんだからね。

午後6時に、みんなにご飯が行き渡った。
豪華なメニューに驚く声が聞こえた。
いいなあ、特別メニュー。

わたしのご飯が来ないので、ナースステーションに行ったら、
主治医がパソコンに向かっていたので、
先生、わたし、ごはんもらえるんですよね?と聞いたら、
急に頼んだので、今作ってると思いますよって言われた。
はずかし。

でも、食べることは生きることなのだ。

15分くらいたって、看護師さんが運んで来てくれた。
液体かと思ったら、五分粥で、
焼き鮭もついていた。
いいの?

鮭は好きじゃないので普段は絶対に買わないけど、
全部食べた。
おいしかった!

すい炎、大丈夫かなと様子を見ていたが、
痛みは来ないし、内臓も活発に動いているのがわかる。

夜、熱を計ったら、37,1度あった。
これくらいだったら平気。
前にすい炎になったときは、8度超えたからね。

常用の薬は、いつものお薬ケースに入れた状態で、
薬剤師さんに一度渡したのだが、
信用されてるらしくて、
金庫保管の、ハルシオンが入っているのに、
「綺麗に入れてありますねえ。ご自分で管理して飲んでください~。」と、
そのまま戻ってきた。

痛みが出ない状態で、夜になり、
朝の血液検査の結果で、退院できるかが決まることになり、
消灯のあと、睡眠薬一式を飲んだ。

寝られるか?と思っていたが、
意外に、11時くらいにストンと寝付いた。

目が覚めて、よく寝た、朝だ、と思い、
携帯を見たら、
まだ3時半だった。

ちょうど4時間半寝て、きっぱり目が覚めてしまった。
もう眠れない。

トイレに行って、
仕方がないので、ただ音楽を聴いていた。

なかなか時間が経たない。

6時になり、明かりが付いた時にはホッとした。

6時半くらいに採血に来たが、
痛みも熱もないので、多分帰れるだろうと思っていた。

朝の回診で、主治医が、
血液検査で異常がなければ、午前中に退院です、と言ってくれた。

朝ごはんは、全粥。
おいしい。
嫌いなお粥でも、それしか食べられなければ、とっても美味しい。

9時くらいに、日勤の看護師さんが来て、
退院が決まったと言ってくれた。

良かった。
ちまが不憫なので、帰りたいのだ。
安心した。

これで、一連の、胆石騒動は、終了した。
これでもう、胆石の痛みに、怯えなくていいのだ。
嬉しい。
長かった。

わたしは荷物をまとめた。
でも、前日に退院が決まっている人が優先されるので、
前回よりは、かなり事務手続きに時間がかかった。

それでも、何の手違いもなく、スムーズに、
退院することができた。

バス停から家までは商店がないので、
院内のローソンで、サンドイッチやクロワッサンを買って、
バスで帰った。

行きも帰りも、ギリギリ雨にならず、助かった。

階段を登り、ドアをあけて入る。
ちまのお出迎えはない。

引き戸を開けて入ると、ちまは、わたしのベッドサイドの、
自分のゴージャスベッドで、眠っていた。
寝ぼけまなこでわたしを見つめた。

ちま、ママ帰って来たよ!

ちま、特に驚かず、特に喜ばず。

でも、夜、夫に聞いたら、
ちまは前夜、必死に夫に登って、抱っこを要求し、
必死に顔を舐めたという。

学習したんだね。

ママが帰って来ない時があって、
その時は、パパにすがって生きるしかないって。
普段は絶対に夫を舐めたりしないのだから。

その日はムギのところには行かないで、
ちまとゆっくり過ごした。
一緒にお昼寝した。

今回、恐怖がすごくて、
いろんな人に、いっぱい励ましてもらった。
残念ながら、麻酔は効かなかったけれど、無事に終わったし、
主治医が非を認めて頭を下げてくれたので、
わたしとしては、不満はない。

とにかく、
胆のうと、胆石が、わたしからなくなったのだ。

あとは、心の回復に努めましょう。

ありがとうございました。

                                           伽羅moon3



 いつもお読みくださり応援ありがとうございます。クリックお願いしますclover

|

« だから言ったでしょ。 | トップページ | チャージ! »