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ちっぽけなわたし。

夕べは、寝る前にもムギに会えた。

待っていてくれたらしく、わたしが階段を下りて行き、
門扉の前に来たときには、もうムギから声をかけてきた。

ムギちゃん、いたの~。
声をかけると、ムギは狂喜して、
車の前でゴロンゴロンと転がって喜んでくれた。

なんていとおしいの?

ムギのリビングに移動して、しばしラブラブする。
体をふいてやり、ブラッシングをして、
自分では掻けない右の首をいっぱいカキカキしてやる。

それが済むと、「何かくれ!」というので、
おかかをやった。
シーバという餌の袋を見せると、それもくれ!というので、
手のひらに、一粒ずつ出して、ムギに与える。

何粒かまとめて手に乗せると、
ムギは慌ててしまい、いっぺんに食べる傾向があって、
噛まずに飲み込む。

シーバという餌は、外側がカリッとしていて中がとろっとしているらしいので、
噛まないとおいしくないと思うのだ。
だから時間をかけて、一粒ずつ食べさせる。

合間合間にパトロールに行くので、
昼間みたいに、ゆったりとは過ごせない。

夕べは風があって、肌寒かった。
これからはもう、冬の格好をして来なくては。

寒さに耐えかねて、
ムギの小屋には小さいカイロを仕込み、
ムギが警備をしている時に、
「ムギ、ママ帰るね。また明日来るね。」と言った。

ムギは庭に居て、わたしを見つめていた。
階段を登っていくわたしを見ていた。

あの部屋に、住んでいたことがある。
ちまという猫がいた。
ボクはなんで部屋に入れてもらえないんだろう。
ムギがそう言ってるように感じて、
すごく辛かった。

部屋に入ると、暖房もしていないのに、
風が吹いてなくて、暖かかった。

部屋はこんなに暖かいんだ…。

わたしは、ムギを思って切なくて泣いた。

ごめんよムギ。
一緒に暮らせたらいいのにね。
ママが頑張れなくてごめん…。

ムギが病気になり、入院して、退院して、
浴室で療養している最中も、
このまま部屋で、ちまと3人で暮らせないだろうか?と
何度も何度も考えた。

わたしさえ我慢すれば、
わたしさえ頑張れば、
何とかなるんじゃないの?

離れたくない。
離したくない。
何とかならないの?

ムギを抱いて、
ムギが引くくらい、大泣きした。

でも、一緒に暮らしてるときは、
ちまに先にご飯を出すと、
ムギは怒って、あてつけに、
してはいけないところでじゃあじゃあとオシッコをした。

その瞬間は、決して、
ムギを可愛いと、思うことができなかった。

これがちっぽけなわたしという人間なのだ。

あれでは、誰も幸せには暮らせないように感じる。
けれど、寒くなってくると、
小屋でムギが倒れていた、あの夜を思い出す。

いつか、ああして、ムギを失う時が来るんだ。
そのとき、わたしは、どれほどの後悔をし、
どれほど自分を責めるだろうか。

たった3年で死んでしまったゴンちゃんの二の舞は避けたいと、
ムギを安易に部屋に入れて、
耐えられなかった弱いわたし。

夕べは、辛くてパニック発作を起こしそうになったので、
セロクエルを2錠足して飲んだ。

ムギのことで泣いているのに、
ちまが涙を舐めてくれた。
優しいちま。


日曜日。起きてパンを食べて掃除をして、
ムギのところに行ってみた。
ムギ、ちゃんと小屋にいた。
すぐに出て来てくれて、くっついてくれた。

夫が朝、会いに出ても、ムギは眠くて、
小屋から出てこないそうだ。
夜通し、警備をしているのだろう。
朝になって、やっと小屋で眠るのだと思う。

体を拭いて、ブラッシングして、首をカキカキした。
今日は、スープをやったら、喜んで飲んだ。

途中、出掛けていた夫が帰って来たので、
ムギは逃げてしまった。
こちらが二人になると、ムギは寄って来ないのだ。

わたしは、まだ薬が残っていてしんどかったので、
庭に居たムギに、また夜来るからね、と声をかけて帰った。

辛い。
なんだかもう、いろんなことについて、頑張れない。

自分が思っている以上に、ダメージが大きいようだ。

リウマチの注射が怖くて打てない。

夕飯作りにも、復帰できてない。

頑張れる気力というのが、どうにも、出て来ないのだ。
どうしちゃったんだろう?
全然、頑張ろうっていう気分になれない。

夕飯を作らないから、
夫と長女に負担がかかっている。

でも、シュミレーションしてみると、
スーパーに行って、食材を買うシーンで、
もう挫折しているのだ。

安い食材を買って、具沢山の煮物を一品作る。
それだけのことが、出来るようには思えないのだ。

どうしたんだろう。

自分のためにも、さっと火を通すだけで食べられる、
汁物しか作れてない。

それが今のわたしの限度なのだ。

なんでやれないのか、と思われているかもしれない。
きっと思われているだろう。
自分でも、何で出来ないのか、わからない。

ここで無理をして、また、
「やっぱり無理です。」って投げるほうが良くないと思っているので、
復帰には非常に慎重になっている。

今、胆管に入っている管を抜いて、
膵炎を起こさずに無事に退院できたら、
それが本当の退院だと思っている。

それまで、休みたいけど…
気が引けるけど、いいかな…。
お荷物で申し訳ないけれど。

日曜日の夜中は、ムギに会えない確率が高い。
理由はわからない。

会えなくて、また、泣きながら寝るかもしれない秋の夜。

                                          伽羅moon3



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