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30年越しの約束。

入院までのスケジュールを、
きちきちに詰めている。

それらすべてを予定通りにこなしてから、
入院して手術を受けたい。

今日はまず、歯医者を予約した。
手術前に、口腔のケアをするのが、この2年くらいで決まったらしく、
一箇所、詰めたものが取れてしまっていたので、
今のうちに治してもらおうと思った。

3時においで、と言われたので、
それまでに、と思い、パレットプラザに行った。
従姉の娘ちゃんの結婚式に、5月に参列したのだが、
わたしが撮った写真のデータをもらっておきながら、
まだプリントしていなかったのだ。

息子の結婚式の写真もここでプリントして、
素敵なアンティーク調のアルバムを見つけ、
それに入れて一冊にしてある。
娘ちゃんのも、同じので色違いのアルバムを買って、
二人分、並べたかったのだ。

一番仲がいい従姉。
というより、彼女としか付き合ってない。
お互い一人っ子だし、お互いに一人子供を生んだ。

わたしが東京に来るのが嬉しかったのは、
彼女が都内に住んでいたからでもある。
すごく心強かったし、
引っ越してからは毎日のように電話で話し、
東京の西と東で遠かったが、
しょっちゅう会った。

わたしより少し遅れて彼女に娘ちゃんが生まれて、
その時に、約束したのだ。

お互いの子供が、結婚するときには、
お互いに出席しようね、って。

兄弟がいないから、親族席が少ないのはわかっていた。
姉妹のつもりで付き合ってきた。


そしてわたしの息子が結婚し、
今年、彼女の娘ちゃんが結婚した。

二人とも、とても祝福された結婚だった。

当たり前ではない。
結婚しない人が増えている中で、
最高の相手と出会えて、結婚できるって、
もう今は、全然当たり前じゃない。

息子たちは、古い重厚な建物で式を挙げた。
柿渋色の柱と、赤い絨毯が印象的だったので、
アイボリーのアルバムにした。
表紙に写真が一枚入るが、
階段の踊り場で手をつなぐ二人を上から撮った写真を入れた。

娘ちゃんは、
淡いミントグリーンにお花を散らしたカラードレスが印象的だったので、
それを表紙に入れたくて、
ターコイズブルーのアルバムを選んだ。

歯医者の帰りに受け取り、
家に帰ってすぐに、写真をアルバムに入れていった。
ピンボケなのもあってそれは省いた。
料理の写真も、全部撮ったはずなのに、
メインのローストビーフがない。

撮り忘れて食べたか、プリントし忘れたか。

アルバムが出来て、それが余りにも素敵なので、
携帯で写真を撮り、添付して、従姉にメールした。

すると、彼女から、いいなあ~とうらやむ返事が来た。

彼女のところには、わたしが撮った写真以外、
まだ娘ちゃんたちからはデータが来てないと言うのだ。
彼女は働いていて、家事もしており、
旦那さまの家事援助はゼロだ。
だから、時間がない。

こんな風にやってる時間が取れないのだ。

なので、もし良かったら、アルバム作って、送ろうか?と聞いてみた。
わたしは、いまなら時間が取れるし、
二時間もあれば出来てしまう。
やってあげたくなった。

そうしたら、嬉しい~、作って~!と返事が来た。
しかも丸投げである。

わたしは、嬉しかった。

信頼されて、何かを託されるって、こんなに満たされるものなんだ?
ってびっくりした。
結婚式の当日に、急に、写真お願いって言われたのも、
嬉しかった。

もちろん、ぼやぼやしてられなかったけれど、
すごい張り合いがあって、楽しかった。

30年以上前に、
彼女の結婚式が東京であって、
わたしたちは田舎から上京して出席した。
わたしは写真が趣味で、一眼レフのいいカメラを持っていた。
そこで、彼女の結婚式の写真を撮影したのだ。

そしてその娘ちゃんの写真も、わたしが撮った。

30年。
いいことのほうが少なかった。
でも常に、彼女はわたしの隣に居て、
どんな状況でも、味方であってくれた。

人生の支えである。

久しぶりに、息子の結婚式のアルバムも出して、
二冊、並べて、じっくり見返した。

嬉しくて、涙が出た。
なんて幸福なんだろう。

見詰め合って微笑んでいる息子。
幸せそうな姿は、今も全然変わっていない。

30年前の、彼女との約束を果たせて、
心から嬉しかった。
あんなに祝福されて、いい笑顔でいる子たち。

自分の子の、笑顔にまさる幸せはない。

親として、最高に最高に、幸せだ。
もうこれで、悔いはない。

子どもが最高の伴侶を見つけて結婚できた。
わたしは、子どもとして、父にも受け入れてもらえた。
これで充分に幸せである。

従姉もわたしも親バカで、
自分の子を、めちゃ可愛いと思って疑わない。
いいじゃないか、親ぐらい、そう思っていても。

可愛いから育てられたし、
可愛い子に、来てもらえて幸せな人生だった。

ただただ、幸せに、微笑んでいて欲しい。
わたしたちの願い。

                                           伽羅moon3

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