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わたしに孤独はない。

退院してから、いつもの美容室にシャンプーに行った時、
肩や背中をマッサージしてくれた馴染みの美容師さんが、
「伽羅さん史上で、最も固いです!」と言った。

わたしは、膵炎でお腹が痛くて、
気がついてなかっただけで、
緊張と恐怖で、体が、コリ固まっていたのだ。

なので、これまた馴染みのマッサージ師さんにメールで説明し、
肩甲骨までと、
腰から下で、と頼んで、マッサージに行ってきた。

彼女にも、メールして状況は伝えてあった。
わたしの顔を見て、
彼女は、涙ぐんだ。

「本当に、辛かったですね。まだ終わりじゃないけど、お疲れさま。」
そう言ってくれた。

店長さんが出掛けて二人きりになったので、
病院でどんなことが起きたかを話した。
そしたら、彼女の旦那さまも、同じ病院で非常に不愉快な経験をして、
今、彼女は、わたしが転院する病院にかかっていると言う。
なんというシンクロ。

二人きりなので、内緒で、
「これお見舞いにね。」と、時間を長く揉んでくれた。
お尻とかがすごく疲れていたことがわかった。

4人部屋の辛かったことも話した。

気管支炎がまだ治っておらず、咳をしていたわたしは、
その咳が、同室の方に申し訳なかった。
他人の咳でも、聞けば苦しい感じがするだろう。

西向きの病室で、窓側のベッドの方は、鬼のように暑いらしく、
クーラーが入っていたが、
わたしが咳をするので、
「クーラー、寒いですか?」と聞きに来られてしまった。

寝るとき、大量の睡眠薬を飲んでいるせいもあって、
わたしはいびきをかいているらしい。
それも申し訳なかった。

内視鏡を突っ込んで管をはめた日は、
夜中に吐いてしまって迷惑をかけた。

膵炎を起こして、苦しんだあとは、
だんだんお腹の張りが減るに連れて、
オナラが出る。
これも、申し訳ない。
でも、これを出さないと楽になれないのがわかっているので、
もう開き直って、出すしかなかった。

すごく暑くて、でも窓側の人が何も言わないのに、
クーラー頼んではだめかしらとか、
洗面台を使うタイミングとか、
カーテンの隙間が異常に気になって何回も直すとか、
神経がすり減って、疲れ果てた。

必要以上に気を張って、はきはきと対応し、
にこやかに微笑んでお礼を言いまくり、
いくら痛みを訴えても、慣れるまでしかたないですね、とかわされ、
果てには、実は膵炎を起こしていたのに、
誰からもそれを伝えられず、
ひっそり点滴が足されていて、自分で気づいたのだ。

もう沢山だ。
もう耐えられない。

けれど、健常な人は、こんなことは平気なの?


夫の本心を知って、
わたしは肝が据わった。
期待したから、がっがりするのだ。
もう期待することをやめればいい。

お願い事は、今までそうしてきたように、
丁寧に、言葉を選んで、お願いをする。
どうしても夫でなくてはならない場合だってあるからだ。

けれどわたしは本来は、頼みごとは嫌いだ。

前夫が、ひどいモラ夫で、何を頼んでも、絶対にいいよと言わない。
わたしは、
「すみませんけど、これが自分では出来ないので、お願いできますか?」
みたいに、丁寧に頼むようにしていた。

2歳の息子が、真似して、
「か~ちゃん、ちゅみまちぇんけど。」と言っていたくらいだ。

でもそれは逆に、相手をのさばらせてしまった。
いつもかも断られて、あっそう、じゃあもういいや、って、
友達に頼んだりすると、
「何で他人に頼むんや!」とキレられる。
あなたがやってくれないからでしょう?と言ったら、
「1回断られたら、もう一回頼め!」とぬかしやがった。

絶対に離婚すると決めた原因の一つだ。

だからわたしは、
もし何でも一人でできるなら、一人でやりたい。
相手の顔色をうかがって、びくびくして、
下手に出ればのさばられて。
そんなの、真っ平だ。

でも、ただ、背が低いというそれだけのことでも、
自分では出来ないことってあるのだ。
誰かに頼らざるを得ない時って、本当は、あるのだ。

その手を必要として、お願いしている相手を見下し、
1回断られたらもう一回頼め、だなんて、
とんでもないモラハラ夫だった。

一人でやれるなら、なんだって一人でやるよ。
でも、出来ないことだってある。

リウマチの治療ストップしたため
もう、指の関節が、痛くなってきた。

握る力も減っている。

一人前、食べてしまうと、
すい臓はまだ痛み、具合が悪くなるので、
少しずつ分けて、回数を多く食べている。

忙しい夫に、迷惑をかけないようにするので精一杯だ。
なるべく、頼み事を少なくすることが目標。
自分のことを自分でやる。

入院は一人で行く。
荷物はあるけれど、バスが病院のまん前まで行くから、大丈夫。
手術には、家族に立ち会ってもらわないと仕方がないから、
夫に休んで来てもらう。

退院は、手術方式により、
また、経過により、日にちが決まっていないので、
タクシーで一人で帰れる。
それ以外の面会は特に不要。
わたしは夫にこう伝えた。

誰も面会に来なくていい。
たとえば、苦しんで吐いているときに、
一緒に苦しんで分かち合ってくれるなら別だが、
それはありえないのだから、
誰も来なくていい。

一人でいい。

全然、孤独じゃない。
全く平気。

わたしには、心配してくれたり、
涙ぐんでくれたり、
一緒に泣いてくれる味方がいる。

それで充分だと思っている。

 

                                           伽羅moon3

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