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最も怖いもの。

幽霊も怖い。
災害も怖い。
借金の取り立ても怖い。

だけど、世の中で最も恐ろしいのは、
人の「狂気」だと思う。

少なからず自分にもある。
だからわかる。

夕べは寝付けなかった。
夫が起きて、出勤していくまで記憶にあるから、
7時半くらいまで寝られなかったのだと思う。

12時くらいに、異様な音で目が覚めた。

部屋のシャッターを閉めたままにしているので、
工事の騒音はそんなにひどくない。
しかも職人さんはお昼休みの時間帯。

わたしが居るのは、
母屋の玄関の真横の和室である。
玄関に、お姑さんがいて、
色んな場所の鍵(勝手口とか物置とか)が保管してある、
木製の、アクセサリーボックスをガチャガチャしている。

鍵には鈴が付いているものもあるので、
鈴もちりんちりんと鳴っている。
その合間に、玄関のドアを、開けたり閉めたりを、
繰り返しているのだ。

母屋の玄関のドアは、開閉にすごい大きな音を立てる。
だからわたしは今回の避難では使っておらず、
ガレージの勝手口から出入りしている。
とにかく、気配を殺したいからだ。

お姑さんが、
やたら玄関のドアを開け閉めする行動があるのは、
ずいぶん前から知っている。
アパートにいても、すごく聞こえるからだ。

一時間ぐらいずっと開け閉めを繰り返している日が、
時々あって、
わたしには、別に被害はないけれど、
その都度、夫には報告してきた。

鍵たちがいじられてぐちゃぐちゃにされてるのも、
夫に聞いて知っている。
それを、壁一枚隣で、実際にやっているのだ。

お姑さんにとっては、何か意味のある行動なのだろうが、
夫はいつも迷惑している。

わたしも、今回すぐ隣で延々やられて、
いつ終わるのか、
トイレに行きたいけど、狂気を感じて出られずにいた。

お昼休みの夫からメールが来たので、
知らせたが、
「困ったものだ。」と返事が来た。
誰にも、どうしようもないのだ。

わたしは息をひそめていたが、
30~40分やって、気が済んだのか、
お姑さんが二階に上がって行った。

わたしはやっと、そーっとトイレに行った。

音を立てたくないのでテレビは見ずに、
古い新聞を読んでいた。

午後3時頃、宅配便が来た。
お姑さんが対応して受け取った。

そうしたら、再び、
鍵をガシャガシャ、ドアをガッシャーン・バッターン、が始まった。

鍵は、アクセサリーボックスの、くるくる回るフックにいくつもかかっている。
フックを回しながらガシャガシャ・チリンチリンと音をさせ、
その合間に、玄関ドアを、
ガッシャーン・バッターンと開け閉めする。

その行為を、延々続け始めたのだ。

20分。30分。40分…。

全然勢いは治まらない。
すぐ隣で、延々とそれが繰り返されているのだ。


わたしは、おかしくなってきた。
狂気を感じる。
あ、これは自分が壊れる、と思って、
布団に横たわって、タオルケットをかぶった。

ちまも怖がってわたしにくっついている。

そのうちに、恐怖から逃れるために、
わたしの意識はシャットダウンされた。

メールで意識を取り戻した。
夫から、「帰ります。」とメールが来ていた。
それが6時くらい。

お姑さんの、鍵じゃらじゃら、
ドアをガッシャーン・バッターンは、
まだ続いていたのだ!
すでに3時間越え。

わたしは夫に恐怖を訴えた。
ノイローゼになる、というか、もう既におかしくなっちゃってると
ヘルプを出した。

夫は、わたしを信じて理解してくれた。

見てないのに、わたしを信じてくれたのだ。

こんな状態だと、
明日、お姑さんに夕飯を買って来て渡すのは難しい、と伝えた。

すると、夫は、対策をするから大丈夫だよ、と言ってくれた。

6時40分に、気が済んだのか、
お姑さんは二階に上がって行った。


疲れているのに、夫が、
わたしが明日、出掛けなくて済むように、
お姑さんとわたしに、パン屋さんのパンを数個、
買って来てくれた。

わたしの栄養状態も考えて、
ヨーグルトも買って来てくれた。
そのあと急いでうな丼も用意してくれた。

美味しかった。
ありがたい。

鍵はぐちゃぐちゃにされてあって、
あんなに開け閉めを繰り返していた玄関ドアは、
鍵がかかっていなかったそうだ。

夫がお姑さんをいさめると、
わたしに対して、
「告げ口なんかして!」と怒りをあらわにされたそうだ。
告げ口、ってわかるってことは、
意識してやってたってこと?
わざと?

夫は、怒りが沸点に達したと言いに来た。
他にも腹が立つことがいっぱいあるそうだ。

一人で背負っている夫が気の毒だ。
帰って来るのが嫌だという気持ちがわかるよ。
今後も、いっぱい、愚痴を聞いてあげよう。
こんなにわたしを守ってくれてるんだもの。
本当にありがたい。

明日も宅配便が来る予定があるらしい。
つまり、また同じことが繰り返される可能性がある。

でもいい。
夫がわたしの言ったことを信じてくれて、
味方になってくれて、守ってくれてるんだもの。
あと一日だけ耐えれば、
明後日からは夫が休みに入る。

あと一日だけ、耐えよう。
息をひそめて、そーっと過ごそう。


世の中で最も恐ろしいのは、人だ。
自分にも狂気があるから、わかる。

                                           伽羅moon3

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