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バラ色の人生。

夕べはすんなり寝付けたが、
今日は、もしかしたら、
お姑さんが攻撃に来るのではないかと、
怯えていた。

告げ口したことを逆恨みされて、
乗り込まれたら、
わたしは口答えもできず、あっけなく潰れる。

起きてから、音を立てないように、
そーっとそーっとトイレに行き、
トイレの前にある、古新聞を数束つかんで、
またそーっと部屋に戻った。

ゆうべ夫と言い争いになり、
お姑さんは、「明日は部屋から出ないからいいわよ!」と
ブチ切れていたそうだが、
リビングに居て、テレビの音が聞こえている。

乗り込んで来られたら防げない。
怖くて怖くて、
わたしはドアの内側に、ビールの箱を積み上げていた。

クシャミも我慢して、
ちまにも「鳴かないで、しーっ。」と言い聞かせて、
とにかく気配を殺して、古新聞を読んで過ごした。

この期間中に、色々整理しようと考えていたのだが、
実際は、ただ、息をひそめて暮らす羽目になった。
何にも出来ない。

昨日も今日も、買い物にすら出られず、
夫が買って来てくれたパンと、
カップラーメンで食いつないだ。

肉とか、野菜とか、汁とか、食べたい。
だからグルメ番組は見ない。
辛くなるから。

夕方、お姑さんが降りてきた。
一気にわたしに緊張が走る。
ドアをノックされても出ないつもりでいた。
闘って勝てるはずがないし、
恩義があるから、口答えもできない。

夕刊と郵便物を取りに行って、
しばらく、玄関にいらしたが、
わたしは気配を殺していたので、
そのまま、二階に上がって、自室に移動したらしく、
静かになった。

夫は会社のお付き合いで帰りが遅い。
娘ちゃんたちが帰って来たのも、やっと10時だった。
夫が11時くらいに帰って来て、
ホッとして、力が抜けた。

一日中、緊張していて、本当に疲れた。

酔った夫と、少し話をした。

夫は、お姑さんがわたしに攻撃するのでは?と
心配してくれていたのだった。
朝、お姉さんに、昨日の事情を説明して、
自分は今夜は帰りが遅くなるので、
今日、来てもらえないか、とメールで頼んでくれたのだそうだ。

わたしは感激した。

お姉さんは御用があって来られなかったが、
そんなことはよくて、
夫が、わたしを守るために、
そこまで気を回してくれていたことに、感激したのだ。

わたしの前の夫は、ひどかった。
愚痴をこぼせば、「お前は嫁やろうが。」と非難し、
「嫁の代わりなんかいくらでもいる。親の代わりはおらん。」と
言い放ったヤツだった。
もちろん、味方になってもらったことなどない。

わたしは、男性に、守られたことがなかったのだ。

初めて、夫という人に、守られて生きてるのだ。
なんという幸せなことだろうか。

夫と色々喋っていて、
夫が、会社内で、利口に立ち回れず、
出世することがなくてごめん、と言った。
わたしは、そんなことは思ったこともないと言った。

夫は、だけど結婚生活、もっとバラ色だと期待したでしょ?
と言う。
ううん、わたし、バラ色だよ?
そう答えた。

あの初婚生活に比べたら、
今の暮らしは天国だよ。
夫が常に盾となり守ってくれている、そのことが、
人生において、何よりも嬉しいと感じている。
ありがたくて、感激しているのだ。

会社での地位がどうだったかなんて、どうだっていいじゃない。
夫は、ずっと、ビジョンのある生き方をしてきた。
それはとても素晴らしいと思う。

前の夫は、
たまたま、一つだけ受かった大学に進み、
たまたま、一つだけ受かった会社に入社し、
何のビジョンもなく、志も一切持たず、
営業に配置され、
仕事が出来なくて出来なくて顧客がゼロになり、
東京支店に飛ばされたヤツだったのだ。

そんなヤツと結婚したおかげで東京に来られたので、
わたしはラッキーだった。
わたしにとって、東京ほど、合っている土地はない。


今、夫に守ってもらえている人生。
これが、バラ色の人生だ。
わたしは幸せだ。

                                          伽羅moon3

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