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2016年2月

終わっちゃった。

土曜日、息子たちのマンションに遊びに行った。

去年の10月に会って以来だから、
4ヶ月ぶり。
お互い23区内に住んでいるのに、
なかなか会ってもらえなかった。

やっとやっと会えた。
無事にこの日を迎えられて良かった。

当日の朝、バスの便があるよとメールが来た。
駅から15分強、歩く覚悟でいたのだが、
わたしが股関節を痛めているので、
バスで行くことにした。

マンションは、バス停のまん前。
15階建て、コンシェルジュと24時間の管理人さんがいる。
大規模なマンションだ。

エレベーターも3基あった。
開放廊下から、ドアまでにはポーチがあって、
風でドアがバーンと開いてしまうこともないし、
ベビーカーや自転車も置ける。

息子たちが買ったのは、3LDK。
到着して、まずお部屋を案内してもらった。
二人暮らしだから、リビングと和室しか使っていなくて、
ほか二部屋は、まだガラガラ。

収納がいたるところにあって、これもまだガラガラ。

家具には、ちょっと統一感はなかった。
息子は、一人暮らしを始めた時に、
わたしが選んで買った家具をまだ大事にしており、
そこにお嫁ちゃんの嫁入り家具が入り、
さらに今回、買い足したもので、
色んな色になっていた。

ベランダがすごく広くて、
栽培も出来そうだし、子供のプールも置ける。
高層階なので、いい眺め。

ベランダから、お嫁ちゃんの実家マンションが見える。
双眼鏡で見ていたら、
親の姿が見えるそうだ。
近所で良かったね。
お嫁ちゃんは、安心だろう。

持って行ったケーキをみんなで食べた。
6個買っていった。
そうすると、選ぶのが楽しいからね。
わたしも、ケーキなんて何ヶ月ぶり。

お喋りして、それから早めの夕飯となった。
二人が料理を作ってくれた。
鶏のから揚げ、ブリかま焼き、レンコンのカレーきんぴら、
卵焼き、卵入りポテトサラダ、タタキきゅうり。
どれも美味しかった。

息子に料理を教えたことがないのに、
こんな美味しいものを作れるなんて、
才能だなあと思う。


いっぱいお土産を持って行った。
メインは、夫が用意してくれた、多額のお祝い金。
青海波という文様が金箔押しされた祝儀袋に入れて渡した。

青海波(せいがいは)は日本の古い文様で、
末広がりにいいことが広まるという、
おめでたい文様だ。

二人は祝儀袋の厚みに驚いていた。

それから、お嫁ちゃんには水色でふわふわの室内履き。
すぐ履いて、あったかい~と喜んでくれた。

息子には頂き物の羊羹。
羊羹は、お嫁ちゃんは食べないので、
丸かじりする~と喜んだ。

それから、縁起がいい柄のかや織りの布巾。
そして、二人が、集めたいであろう、
ぐい飲みを3個。

わたしが11月から、探して気に入ったものを、
買い溜めていたのだ。
全部気に入ってくれて、すぐに使った。

楽しく色んな話をした。
もっともっと話していたかった。

でも、夫が、もうそろそろ帰ろう、と言ったので、
名残惜しいうちに、と思って、帰った。

バス停まで送ってくれた。

あんなに楽しみにしていた一日が、
終わっちゃった…。


退院してから、ムギははじめての長いお留守番。
トイレしてくれてるか気にかかる。
真っ先に見に行ったら、
ちゃんとトイレに、両方してくれてあった!

良かった~。
夫が片付けて掃除してくれた。
わたしはちまとラブラブ。

早速ブログに書こうと思っていたのに、
友達にメールし終えたら、ガクッと力尽きた。

あれれ。
腑抜けになっちゃったよ。

何ヶ月も、会いたくて会いたくて、
楽しみにしていた日。
あっけなく終わっちゃった。

ずーっと鬱状態だったから、
きっと気力を使い果たしたのだろう。

パソコンを開かず、寝ることにした。


しかし、ヘトヘトなのに、眠れない。
仕方なく、セロクエルを2錠飲み、
ちまにお願いをして、
一緒に寝てもらった。

ちまはしばらくお腹の上に乗っていてくれて、
わたしがウトウトし始めると、
移動して脚にぴったりくっついて寝てくれた。

何度か目が覚めたが、ずっとくっついていてくれた。
ちまはわたしの天使ちゃん。


日曜日、アラームで起きる。
ちまが胸に登って来る。
ああ、このままずっと寝ていたい。
しんどい。

ムギの世話は夫がしてくれたが、
ちまはお腹が空いているので、わたしが世話しないと。
ちまのために頑張って起きた。


息子たち、すごく節約をしている。
二人ともが、お弁当に水筒、という生活だそうだ。
外食もせず、
携帯はガラケーとスマホの2本持ちにして節約。

ちょっと心配。
二人の節約加減が、強くて。
お嫁ちゃんは、神経が細いから、
なんだか必死に見えて、気持ちが大丈夫か心配。

息子は、痩せて、顔がシュッとしていた。
親としては、太っていれば心配だけど、
前回会ったときに比べてかなりシュッとしてるので、
やはり心配。


お嫁ちゃんからは日曜日にメールの返事が来た。
次はまたちまちゃんに会いたいので、
お邪魔したいと書いてあった。

今ならムギにも会えるけど、
ムギはお外に返さなくちゃね…。
ちょっと寂しいし、心配だけれど、
このままの生活でいいはずがない。

楽しみが終わっちゃったね。
3月になる。
ムギが毎日オシッコしてくれるといいなあ。

わたしの股関節も、と思っていたけれど、
7回の施術では、治せないみたい。

自分でストレッチしなくちゃ。

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ソフトなパンチ。

昨日は、結局ムギはオシッコ出せなかった。

順調に回復してる、と安心したのに、
また、気持ちが真っ暗になる。

土曜日は、
夫は午前中がお父さまの法事だし、
午後は二人で息子のマンションに行くので、
病院には行けない。

だから、もし出せなかったら、
金曜日の夕方、病院に行くしかない。

でも、行きたくない。

ムギをしょって、駅まで歩くだけで、わたしはフラフラになる。
バスに乗れば、
バス停から動物病院はすぐだけれど、
ムギの気分の落ち込みがすごいから、
連れて行きたくない。

夕べ、寝る前、
出て来て膝に乗ってくれたムギを抱いて、
「オシッコ出ろ~、オシッコ出して~。」
と言いながら念じた。

すると、ムギがまだゴロゴロ言っているのに、
自分からベッドにもぐってしまった。
そして、顔だけ出すので、
わたしも顔を近づけた。

そしたら、左目に、
軽~い、ふわっとしたパンチをされた。

え?
ムギ何それ?

パンチなの?
タッチなの?

爪は出ていなくて、
肉球の隙間の毛が、目に当たってちょっと痛かった。
ふんわりパンチ。

オシッコオシッコって、きっとうるさかったんだね。
ごめんごめん。
もうやめてね、っていうパンチだよね。

わかったよ。明日はもう何も言わずに、
ムギを信じて待つよ。

夫のパソコンに、オシッコ出てないことをメールして、寝た。

目が覚めると、ひどい鬱状態。
このところ、毎日こうだ。
起きることが嫌でたまらず、
ちまを乗せて、永遠に寝ていたい気持ちになる。


朝、夫が来てくれて、オシッコ絞ってくれた。
連絡帳に書いてあり、
使ったペットシーツが置かれていたので、
重さを量った。

24グラムか…。
これでは、一日の量としては足りないな。
でも、嫌がられるであろう役割をやってくれた夫に深く感謝。

整体に行って来た。
あと3回しか来れないので、何とかしてくださいね~と
脅しをかける。

ある程度、良くなったが、
階段の上りはすごくキツいし、
ただ立っていることも困難。

回数券を使い切っても、すっきり良くはならないだろう。
でも、もうこれ以上、おねだりはできないので、
諦めよう。
高いからね…。

銀行に寄ってから帰宅した。
ちまにおかかをやり、
すぐムギを見に行く。

すると、猫トイレに、
まあるい足跡が二つ並んであった。
お?
トイレに来た?

でも、砂の中にはカタマリがない。
あれ?

排水溝を見てみた。
すると、排水溝に、発見。
そうか、ムギ、トイレに頑張って来て、
前足が入ったところで、出ちゃったのねー。

良かった!
可愛い!
出してくれたよー。
量は見えないけれど、出してくれた事実があるので、
病院には行かない。
辛いもの。

わたしは安心して、ホームセンターに行って来た。
毎日、オシッコの心配ばかり。
ムギにも、わかったからもういいよ、とふわっとパンチされたし。
口うるさく言うのはやめよう。

帰宅して、ムギには人間トイレにいてもらい、
シャワーならびに浴室清掃。
ムギの敷物を取り替えて、お洗濯。
忙しい。

おとなしいちまちゃんのことが、
ついおろそかになる。
ちまに甘えてばかりだ。
申し訳ない。
今日は一時間くらい、お腹に乗せてラブラブした。


土曜日は、やっと、やっと、息子に会える。

無事にこの日を迎えられるか、心配だった。
渡したいものが沢山袋に入っている。

ちまとムギは、
ムギが退院してから初めての、長いお留守番。
でも、二週間前は、絶望していて、
息子のマンションに行く日、ムギをどうしようかと悩んでいた。
それを思うと、感慨深い。

ムギが元気になったら、5種のワクチンを打って、
ガレージの小屋に帰す。
ちょっと寂しいけれど、今の暮らしは、可哀相だからね。

そのあと、わたしのリウマチの治療が終わったら、
やっと少し時間が出来る。

何ヶ月も映画を見ていないし、
一人カラオケにも行きたい。

みんなが元気で幸せな春が来て欲しい。
健康なだけで、充分幸せだとわかった。

わたしのうつ状態も、少なくなることを期待する。

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綱渡りの人生。

最初の結婚は、
息子を授かるためだけの縁だったようなので、
もう思い出したくない。

結婚後一年半で、転勤で東京に来られた。
一年半は、地獄だった。

最初の夫は、いいところか一つあった。
それは、わたしを、好きに泣かせてくれたことだ。

わたしは鎧を着てお面をかぶって生きていたので、
泣いたりすると、
キミには似合わないよ、笑って、なんて励まされたりする。

そう言われると、理解されないことが苦しくて、
その相手は遠ざけた。

弱くてもろくて、泣き虫なわたしを、
許容してくれる人が欲しかった。

存在を許されたかった。


息子がまだ三歳くらいのとき、
限界を感じて、離婚を考えた。

しかし、手取り11万で東京での暮らしは、
超がつくほど貧乏で、
息子を抱えて、一人で生きて行くことは困難だ。

でも、二度と田舎には戻りたくない。
東京にいたい。

わたしは、月に一万円、貯金しようと決めて、
息子が幼稚園に入った時に、
短い時間、働き始めた。

保育園に入れるのは嫌だった。
一緒に居られる時間が減ることは本望ではない。

手に職があったので、採用されたのだが、
正社員からも、他のパートさんからも壮絶にいじめられ、
一年弱しか働けず、他に移った。

けれど、何かしらどこかしらでずっと働いており、
マンションの同じ階で開業したデザイン事務所さんに雇ってもらい、
収入が安定した。

10時から17時まで働き、
時には夜21時から夜中2時までまた行ったこともある。
頼りにされていたし、
あの事務所で働いたから、
離婚することが出来た。


30歳でもう離婚を考えていたのだが、
今思えば、怖いもの知らずだった。

若いということは、パワーがある。
歳をとってしまうと、離婚に費やせる気力がもうなくなる。
わたしは、早く離婚できて正解だった。

前夫も、結婚相談所に登録して、
いい方と出会って再婚してくれたし、
それは本当にホッとした。

あんなに頼りにならず冷たく酷い夫だったのに、
同じ人とは思えないくらい、
連れ子さんのこともちゃんとやっていた。

息子が肺炎で入院する時、
来なかったくせに。
そう言うと、それで学んだんや、と言っていた。

へえ。
人は変わるんだ。


わたしはパワフルに動いて離婚し引越しをした。
引越し当日、一日休んだだけで、
ずっと仕事に行っていた。

しかし、常に体調が悪くて、
蕁麻疹が消えなくて、体をかきむしり、
血まみれになっていた。

3ヶ月くらいたったとき、
起き上がれなくなって、仕事に行けなくなった。
理由はわからなかった。

ちょうど、事務所も暇な時期だったので、
一ヶ月ぐらい休んで、家で寝たり起きたりしていた。

思えばあれも、うつ病の兆候だったのだ。

一ヶ月休んで、また猛烈に働いた。
仕事をしている自分が好きだったし、
息子とささやかに贅沢するのを、楽しみに頑張った。

息子と一緒にお風呂に入り、
抱き合って、愛情確認。
全然寂しくなんてなかった。

甘えさせてやれたと思うし、
泣かせてやれた。
息子は天使のような心で、いつもわたしを支えてくれていた。


多分、愛情の土台がしっかりしていて、
安心すると、
人は精神的に成長して、自立できるような気がする。

人と猫は違うが、今、ムギを見ていてそう思う。
ムギは、ご飯よりも愛情を優先的に欲しがる。
抱っこして、気持ちが落ち着いてから、
ご飯を食べる。

食べて、また膝に戻って来ることもあるが、
大抵は満足する。

人も、絶対的に愛されていると信じることができれば、
一歩、踏み出せるのではないだろうか。

さらっと自立した息子が、
頼もしく見える。
結婚していない友達ばかりだというので、
今時は、二十代で結婚して家を持つなんて、
珍しいのかもしれない。
特に東京はそうだろう。

土曜日、初めて息子のマンションに行く。
会うのも、10月以来だ。
楽しみでしょうがない。

いっぱいお土産を持っていく。

息子と出会えて良かった。
わたしの人生をステージに分けるとしたら、
不幸な1ステージのあとに、
息子と生きる2ステージがあった。
それは幸福だった。

息子が完全に自立したので、今は第3ステージ。
年明けから、ずっと辛いことが続いていたが、
そろそろ、楽になりたい。

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史上最悪の二週間。

起きる少し前、
ちまが毛布にもぐって来てくれた。
するすると足元に移動して、
ふわふわの毛が脚にあたる。

あったかい。幸せ。起きたくない。

でも、そうも行かないので起きる。
冬の猫はいいものだなあ。

ムギを見に行った。
ムギ、なんと、
トイレの中に、ウンちゃんも、オシッコも、
両方してくれてあった!

すごい!
すごいよムギ!
偉いねえ、頑張ってくれたんだね。
ちょっとちびった形跡があったから、
努力してくれたことがよくわかるよ。

写真を撮って、夫に送った。
友達にも報告。


今日は、待ちに待ったカウンセリングの日。
遠かった…。

前回のカウンセリングは、ムギが退院した翌日だった。
まだ、点滴の作用があって、
ムギがいっぱいオシッコを出せていた。

翌日から、出なくなり、
ムギとの通院が始まり、
ストレスで、全員が、落ちてしまったのだ。

退院して来て嬉しそうだったのに、
通院が始まってムギは落ち込み、食も細く、
挙句に噛み付いて、パンチまでしてきた。

わたしは、鬱状態が酷くなり、
何年ぶりかで、寝込むという経験をした。
夫に鍋を洗ってもらい、
掃除機もかけてもらった。

健常な夫ですら、ストレスで気力ゼロになった。
わたしは辛くて夫の前で泣いた。

股関節が限界で、整体に行かせてもらい、
リウマチ内科では、支払いでもめて、
本当に、もう無理!っていうぐらい、辛い辛い二週間だった。

泣きながら、カウンセラーさんに聞いてもらった。

カウンセリングは、わたしには必須である。
思考の整理がつくし、、専門家のアドバイスももらえる。

わたしは、怖くて喧嘩なんて出来ないと話した。
大声で相手を否定しあう行為。
けなしあう行為。

感情的になることが、どんなに恐ろしいことかを、
わたしは小さい頃からよく知っている。
だから、それを拒んでいる。

わたしにももちろん、激昂する感情はある。
それを、出さないで抑圧して生きているだけのことなのだ。
中身は同じ。
でも、その兵器で人を殺めたくはない。

怒りにまかせて、
思ってもいないことを、言葉にしてしまうことって、
本当に起こりうるのでしょうか?と尋ねてみた。

わたしは、思ってもいないことは、絶対に口からは出ない、と
信じて生きているからだ。

カウンセラーさんの答えは、
思っていないことは、言葉にはならない、とのことだった。
ただ、その事実が深層心理にあり、
本人がまだ自覚していない場合がある。

やはりそうだ。
火の無いところに、煙は立たないのだ。

母の恐ろしい言葉も、
夫の不用意な言葉も、
全部、本心なのだ。

それを知ったら、もう絶対に喧嘩なんて出来ない。
傷付くのは絶えず抑圧している側であって、
凶器を持って刺されたら、大怪我をする。

しかもそれを無かったことにしたり、
こっちだって大変だったんだから、と言い逃れするのは、
わたしには、やはり、許せないことだ。

かといって、言い争うのも嫌だから、
このまま、抑圧して生きて行く。

接点を少なくして、攻撃を受けないように、
自衛するしか方法はない。
相手には、凶器を持っている自覚がないのだから。

母みたいに、外面がいいと、
わたしの告白なんて、にわかには信じてもらえないだろう。

帰省しなかったことを悔やんではいるが、
母に会いたくない気持ちは、特に変わってはいないのだ。


カウンセリングの帰り、デパ地下でお弁当とパンを買い、
久しぶりに安らいで帰って来た。

テレビを見ていたが、落ち着かないので録画にし、
明日の夕飯の煮物を作った。

夕飯を、一品にしてもらって、すごく楽になった。
二品、作り続けて、一年続かなかったが、
当初から無理をしていたということだろう。

夫にばかり負担がかかって、申し訳ないが、
長く続けるために、これでいくしかない。


夜遅く、ムギが床に下りた音がした。
しばらくして、見に行くと、
またちゃんとトイレの中に、オシッコしてくれてあった。

ちょびっとチビっていたから、
ムギは努力してくれているのだとわかる。
床は拭いて、排水溝も流して、
トイレは写真に撮って、
片付けた。

ただ、食べて、飲んで、オシッコ出してくれることが、
こんなに嬉しいなんて。
ムギの存在に感謝する。
本当にありがとう。

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世界でたった一人。

言ったとおり、夫は朝ムギのところに来ていなかった。

起きてから見に行くと、
お皿は空っぽ。

浴室の床に置いたトイレの前に、
ムギがオシッコをちびってあった。

ああ、ムギちゃん!
トイレに行こうと頑張ってくれたんだね!
入る前に、出ちゃったんだね。
いいよいいよ、すべてOK!

どんな形でもいいから、
ムギがオシッコ出してくれればいい。

整体に出かける前に、
もう一度お皿を見たら、
きれいにお薬だけ残してあったので、
仕方なく、お口を無理矢理開けて、
薬を放り込んだ。

そしたら、わたしの膝の上で、
お漏らしした。
うん、いいよいいよ!
それもOK!

着替えて、洗濯機を回してから出掛けた。

整体で、下半身のみ、施術してもらう。
あと3回で、治してもらえるだろうか。
高い金額を払っているので、どうにかしてよね、と思う。

スーパーに寄って帰宅。
洗濯物を干して、夕飯の煮物を作った。

お姑さんは、昼間も、夕方も、椅子に座って寝ていらした。
なので、特に話はせずに帰った。


夫から帰るメールが来て、
ムギはオシッコしましたか?と聞いてくれた。
なので、普通に報告した。

言葉という兵器で、わたしを傷付けて、
何もなかったことにするようだ。
でも、わたしも喧嘩する気は全くないので、
何もなかったかのようにふるまう。

喧嘩することは必要だと夫は言う。

そうかもしれない。
しかし、経験のないわたしには、
そんな恐ろしいことは、やはり出来ない。

兄弟がおらず、
親に一方的に責められ怒られるだけの毎日。
ターゲットは常にわたし一人。

かばってくれる人もおらず、
時には両方の親から同時に責められた。
そのことが辛すぎて、
些細なことでも涙が出てしまう。

そんなことで泣くな!とまた怒られる。
泣くことすら、許してもらえない。

絶対的王者の親の前で、
わたしは、一人の味方も持たず、
小さい頃から、ずっとずっと、孤独だった。

世の中に、
たった一人の味方もおらず、
分かち合う相手もいなかったのだ。

なんて可哀相な子供!
可哀相で、涙が出るよ。


喧嘩って、恐ろしい。
売り言葉に買い言葉、とか、
思ってもいないのに怒りで出る言葉とか、
あるんでしょ?

それで相手を精神的に傷付けておいて、
両成敗なんてあり得ない。

言ったもん勝ちだよね。
言葉という兵器で、相手を殺すんだよね。

言葉は恐ろしい。
口から出てしまったら、もう取り返せない。
なのに、そう思っていない人が多い。

カッとなって思わず言ったが、
本心ではない、と、もし言われても、
もう言われて傷が付いた箇所からは、
大量に流血している。

しかも、思ってもいないことを、口走るなんてあり得ない。

一度だって思ったことがあるからこそ、
その言葉が出るんでしょ?
そうとしか考えられない。

言葉で、相手を否定して、
なじって、貶めるのが、喧嘩だよね。

そんなことは、絶対にしたくない。
鎧なしで、生きていけないじゃないか。

なぜ、尊重しあって生きて行けないのか。

気軽に喧嘩しようなんて言えるのは、
傷付ける側に立っているからだ。
余りの衝撃に押し黙る人間にとって、
喧嘩なんて恐ろしいことは、日常に執り行えない。

感情的な両親の顔色ばかり見て暮らしていた。
父が交替勤務で、夜勤の週は、
声すら出せなかった。

父がいないときは王者は母で、
とても父には言えないようなひどい仕打ちをされてきた。

一人っ子だから甘やかされてるでしょ、と言われても、
甘えることがわからないわたしには、
ただの嫌味にしか聞こえない。

駄々をこねた経験もない。
泣き喚いたこともない。
全て禁止。

感情を思いのたけ、相手にぶつけられる人を、
うらやましく思う。
きっとそれで、スッキリするのだろう。
わたしは、全てのことを忘れず、
一生をかけて恨む。


夜、結局夫はやって来た。
ピリピリしているのがわかるので、
近づかない。
イライラしていたら、動物だって、多分甘えて来ない。
それは、普通のことだよね。

聞かなかったけど、多分ムギは抱っこされなかったと思う。

ちびった、と思っていたオシッコが、
実は排水溝に落ちて溜まっていて、臭かったらしい。
夫がガシガシと掃除をしてくれていた。


ムギが部屋に住んでいたころ、
わざと、いけない場所でオシッコするので、
わたしは毎日怒った。
因果応報だね。
今は、ただ出てくれることだけを祈っている。

もう、二度と怒らない。
生涯怒らないから、
ムギ、頑張って。
ごめんねムギ。

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結果がこのザマ。

夕べ、いつもの時間に睡眠薬を飲んだのだが、
ちまが吐いてしまったことが申し訳なくなり、
お腹に乗せて喋っているうちに、
寝付けなくなってしまった。

ハルシオンは効果があるが、
タイミングを逸すると、寝付けないのだ。

ちまを乗せたまま、朝になった。
すると、ムギの居る浴室から音がした。

明らかに、トイレの砂をかいている音。

ムギには鉱物系の砂を使っており、
浴室なので音も響く。
間違いない。

ちまが音に怯えて降りたので、
起き上がって見に行った。

ムギ、トイレに、ウンちゃんをしていて、
綺麗に隠してあった。

そうか、良かった。
片付けて、また寝るとちまがお腹に乗って来た。

すると、またトイレを使っている音がする。
なんだろう。ウンちゃんの続きかな。
でも、ちまが動かないので、夫に、朝見てもらえるようメールして、
そのままわたしは寝た。

起きて、ムギの連絡帳を見ると、
ムギがウンちゃんと、
なんとオシッコも、トイレにしてあったと書かれていた。
夫が、わたしが見て喜べるよう、
捨てずに残しておいてくれた。

嬉しい~。
写真に撮った。
とうとう、ムギが自力でオシッコ出して、
しかも、トイレを使ってくれたよ!

とてもとても嬉しかった。
光が大きくなった。


いい子なのに、病院に連れて行くのは、
心が痛んだが、
退院後二週間ということで、検査に行って来た。

ムギはキャリーの中で、タオルに顔を埋めて、
沈んでいた。

先生に、オシッコの絞り方をレクチャーしてもらおう。
ムギのシッポを持つと、
ムギ、まだ何もされていないのに、
じょ~って、出ちゃった…。

慌てて先生が、検査に使う試験管のようなものを取りに行った。
戻って来てもまだ、じょ~って出続けていた。
サンプルが充分に採取できた。

あああ。
レクチャーしてもらえなかった。
ムギ、怖かったんだね。

尿検査の結果は、すごぶる良かった。
何も検出されなかった。
尿も、太く出ていたので、順調に回復しているみたいだ。

あと二週間だけ、お薬を続けましょう、
それで特に変わったことがなければ、
もう通院は、ワクチンの時までしなくてもいいです、
とのこと。

ムギ。
ムギさえ、自力でオシッコ出してくれたら、
もう通院しなくていいよ。

その時まで、もし出せなくても、
夫が絞ってくれるし、とあてにしていた。

帰宅して着替えて、夕飯を運び、
ちまのケアをしてから、ムギのところに行く。
ベッドに深くもぐっている。
きっと病院に連れて行ったことで怒って、
出て来ないだろうと思っていた。

でも、明るく呼びかけてみたら、
ムギが出て来て、膝に乗ってくれた。
良かった、怒ってない。


夜、夫がムギに会いに来た。

夫は腰が痛いので、浴室の椅子には座れない。
出入り口に座椅子を置いてあって、
そこに座って、ムギを呼ぶ。

ムギは、出て来なかった。
出てこないよと言うので、
さっきは出て来てくれたから、待ってればきっと来るよ、
と言ったのがまずかった。

ムギはオシッコを絞られると思ったのかもしれない。
夫が手を差し入れたら、
ムギは自分の手を引っ込めて隠したそうだ。

夫はキレて、ムギに、
「明日からもう来ない!」と言葉を投げつけた。
わたしにも、明日から来ないからね、と言って帰ろうとする。

なんでそんなに感情的なのか。

猫のことだもの、思うようにならなくて普通じゃないか。
人間相手だって、思うようにはならないんだもの。

ちょっと待ってよ、
ムギのオシッコ、どうすればいいのよ、と言ったら、
「キミがやればいい!」
夫はそう捨て台詞を吐いて、荒ぶって帰ってしまった。


うつ状態に逆戻りするわたし。

わたしが、技をまだ習得できていないこと、
夫はもちろん知っている。
一度も成功したことがないし、
コツもわからない。

そのわたしに、やればいいと捨て台詞を吐いた。

なんていう、感情的な人なんだろう。
ある意味、うらやましいよ。
そうやって人が傷付いても平気なんだね。

ムギの入院中も、何度ももめた。
夫が、嫉妬しているのだ。
ムギは自分が世話している猫なのに、
わたしのほうが面会の回数も多く、
時間も長く取れる。

それに嫉妬して、説明を聞いてくれず、
話をさえぎってばかりいて、
いつもかも不機嫌だった。

二人で面会に行った時のことを、思い出してほしい。
ムギはパパに猛進したではないか。
パパ命なのだ。
それは変わりのない事実なのに。

目の前の出来事に激昂して、
悪態をつく。
それで、よく3人も子供を育てられたね。
ある意味すごい。

もしわたしが、逆の立場なら、
ムギが夫になつけば嬉しい。
良かった良かったと、見ていてあげられる。
だってそれが真実だもの。

なんでこんな簡単に発火するかな。

感情的な人が一番苦手だ。
わたしの父も母も、
異常に感情的な人間だ。

怒らせると恐ろしい。

だからわたしは、小さい頃から、
いかに怒らせないかを常に考え、
親の機嫌にビクビクして暮らしてきた。

他に子供が居ない家庭では、
わたしだけが唯一、弱い立場であり、
両方の親から、時には一斉に責められた。

だから、感情的な人を嫌い、
自分が感情的になることも、封印した。

結果が、このザマだ。

自分の好き勝手に、感情を人にぶつけられる人は、
うつ病になんか、ならなくて済む。
常に相手を傷つけていればいいからだ。


また、ムギに会いに行った。
ムギが出て来て、しっとりと膝に治まった。

ムギ…。
ムギは悪くないよ。猫なんだからね。
そういう気分の時もあるよね。

目の前に座るママの膝には来られても、
浴室の外に座ってるパパに行くのが、
ちょっとしんどい日だってあるよね。

ムギが悪いんじゃないからね…。

せっかく、ムギがトイレ使ってオシッコ出せたのに、
喜びはつかの間で、暗転してしまった。


頼りにしている人から突き放される感覚、
知らないのかな。
感情振り回して、人を傷つけることは、
発散になるのかな。

わたしには理解ができない。
押し殺す生き方しか知らない。

明日からどうしよう。
どうしたらいいのかわからない。

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いろいろな無理が祟った。

日曜日、3回目の整体の日。

正直、2回目の時、手抜きをされたと感じた。
わたしの全身が凝っていて、
状態が悪いことなんてわかってる。

それは、お気に入りの施術師さんがいる、
いつものマッサージ屋に行けばよいのだ。
華奢な女性だが、とても心得ており、
丁寧にやってくれる。

整体に行ったのは、
明らかに壊れてしまった股関節を、
治して欲しいからだ。
バランスとかもちろんあるだろうけど、
回数券のあるうちしか来れないので、
とにかく股関節をやって欲しいと、
申し入れた。

なので、今日は下半身のみの施術だった。
そうそう、それでいいのだ。

でもまだ、脚を開けないし、
階段を登るのも痛みで辛い。

整体の先生が、
わたしの鞄が入ったカゴを持ち上げて、
「重たい!」とビックリする。
前回も言ってたよね。

うつ病なので、色々持ち歩いていないと心配なんです、
と説明した。
すると、重たい荷物を持って歩いたことも、
原因の一つでしょう、と言われた。


ムギの面会に行く時、
色んなものがぎっしり入った大きなバッグを持ち、
自分の座布団と、ムギのクッションと、
ムギのシートやブラシを常に持ち歩いて移動していた。

面会中は、固い椅子に、
一時間も二時間も腰掛けていて、
体勢を崩さないよう、緊張していた。

色々なことが重なって、
股関節をおかしくしてしまった。
疲労のピークなのだ。

夫のぎっくり腰も、疲労の結果ではないだろうか。
二人とも、満身創痍だ。


夫が夕方来て、ムギを抱いてリラックスさせ、
そのあと、、オシッコを出させることに成功した。
今日はいっぱい出せた。
ムギ、偉いよ。
そしてそれよりも、夫、すごいよ!

ムギも協力的だったと聞いて、
すぐにおかかをやった。

これで今日は通院しなくていい。
すごく楽だよ。
ムギの機嫌も良くて、さっき行ったら、
ベッドから出て来て膝に乗ってくれた。
嬉しい~。

でも、そろそろ退院して二週間になるので、
検査通院がある。
月曜日と火曜日、わたしは空いているので行ける。
夫が、月曜に行ったら?というので、
そうする。

わたしも、ムギのオシッコを出せるようにならないと、
夫が出張の時とか、
もっと言えば非常事態の時、困るので、
先生に教えてもらおう。


思えば、大晦日の夜中にうつ状態になり、
そこから、長かった。
まだ2月だよ。

お正月明けから、ムギがノラ猫に襲撃されはじめ、
心配で、わたしは音楽が聴けなくなった。
あれからずっと聴いていない。
何かを楽しむ気分になれないのだ。

毎晩違う猫に襲撃され、
時には取っ組み合って、ムギは頑張っていた。
雪も降ったし、厳しい冬だった。

そんな中で、ムギが倒れた。

一年で、一番寒い時期を、
ムギは病院で過ごした。
今度、小屋に帰してやるころは、
きっとかなり暖かくなっていることだろう。

わたしの股関節、治るかな。
家で座っていた椅子の座面がちょっと高くて、
脚が浮いていたことにも気付いて、
もとの椅子に戻してみた。

このままでは電車で立っていることも不可能なので、
早く治りたい。

いつ、疲れが取れるかな。
小屋に帰したムギが、元気に暮らしていることを、
毎日見られるようになったら、
ちょっとは楽になれるかな。


次の土曜日、
初めて息子のマンションに行く。
会えるのは、4ヶ月ぶり。
11月ころから、行く前提でお土産を買っているので、
袋にいっぱい溜まっている。

夫が用意してくれた、新居祝いも渡せる。
楽しみだな。

体調を崩さないよう、
ビタミンCを飲んで、暖かくして過ごしている。

先週は、まだムギのことに光明が見えず、
息子のところに行く日は、
ムギをどうしようか、と悩んでいた。

もう、大丈夫。
半日、留守にしたくらいではムギは死なない。

頑張り屋の夫、すごいなあと思う。
何に対しても、きちんと頑張れる人だ。

夫婦になって良かった。

ちまとムギと、4人で幸せに暮らそう。

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雨ニモ負ケテ、風ニモ負ケテ。

土曜日、何も予定がなかった。
ゆっくり眠った。
昨日、ムギが排尿してくれたことで、
かなり心が楽になった。

でも、目が覚めると、
やはり鬱状態。
起きることが辛い。

起きた気配でちまが胸に乗ってくるが、
乗せたまま、まだしばらく寝てしまった。

疲れたなあ。
本当に、疲れた。


ちまの世話をしてから、ムギに会いに行く。
ゆうべ、寝る前は、
ムギが自分でベッドから出て来て、膝に乗ってくれた。

出て来てくれなくても、
そーっと引っ張って、
抱っこしてしまう。

ムギが脇に顔を突っ込んで、ゴロゴロ言う。

夫に頼んで、部屋に掃除機をかけてもらった。
ずっとクイックルだけで掃除していたのだが、
取りきれないホコリが気になっていた。

夫は、朝早くムギに会いに来て、
オシッコ絞りをやって、噛まれたそうだ。
腕の傷が腫れあがっていた。

夕方、もう一回トライ。
リラックスさせて、横にならせて、絞るらしい。
難しいよね。

今日は、ちょびっとだけ出た。
たった3グラム。
でも、習慣づける、という意味合いでは成功だと思うので、
いいことにした。
夫、頑張った。

夕飯、近所の焼き鳥屋さんに行った。
雨が酷くなるので、早く行って早く帰ろう、と言っていたのに、
話し込んでしまい、4時間くらい居た。

色々話をするが、やはり話題は猫のこと。

ムギに対する気持ちの確認を行った。

わたしの心が折れて鬱状態に入るまで、
温度差を感じていた。
夫が、ドライなのでは?と感じていたのだ。

でも、気力ゼロになり、
もう何も出来なくなって、
わたしもわかった。

出来うる限りのことを、してやったんだということだ。


夜中、車を飛ばして夜間救急に連れて行き、
命を救えた。
一晩で7万飛んだ。

それから、病院を見つけて入院し、
プラス19日間、入院した。

夫も何日か休んだし早退したし、
一日も欠かさず、どちらかが面会に行った。

面会だけがムギの楽しみだったので、
最低でも一時間、長いときは二時間、くっついて過ごした。

ムギに、愛されていることも発見した。
こっちがのけ反るくらいガンガン頭をぶつけて、
会えた喜びを表現してくれた。

退院したときも、嬉しそうだった。


でも、自力でオシッコが出せず、通院するようになって、
ムギは暗くなった。
ベッドから出て来ず、餌も食べられず、
死んだ目をしていて、
わたしと夫を攻撃した。

精神的にやられたのはムギだけではない。
わたしは完全に鬱状態に入り、
夫のようなタフな人でも、
もう気力が残ってない、と言った。

そう。
もう、わたしたちにも、ムギにも、
気力が残ってないのだ。

だから、今から何らかの手術をしましょうと言われても、
それに耐えうる気力がない。

そのことでわたしは自分を責めていた。

今までだって、何も成し遂げることができず、
逃亡ばかりしていたじゃないか。

ムギのことが大好き。
ムギのことが大事。
生きてて欲しい。

だけど、これ以上は、もう無理なのだ。

夫は、自分を責める必要はないと言った。
雨が降れば雨に濡れるし、
風が吹けば飛ばされる。

自分たちは、充分、やった。

ムギは、外に出した猫だ。
色んなことを諦めて、
覚悟を持って、外に出した。

正確には、
窓を開けておいたら、ムギから出て行ったとのこと。


その後、ムギは、
ガレージに当時居た、コゲという猫と闘って勝ち、
ガレージに居ついた。

なのですぐさまベッドと餌と水を置いた。
ムギはすぐにベッドを使った。

そして板厚3センチの堅牢な犬小屋を注文し、
ガレージの奥に、床を張り、
ムギのリビングを作った。

小屋が届いて、中にベッドを仕込むと、
ムギはすぐ小屋に入った。
自分の家であると理解してくれた。

そこから、夫はもちろんだが、
わたしも、毎日毎日ムギに会いに行った。
居ない時は、大声で叫んだ。
すると、数分して、ムギが「きゅ~ん」と鳴きながら戻って来る。

幸せだったね。
みんなが、幸せに暮らしてた。


今、わたしたちの使命は、
ムギのオシッコを出せるようなテクニックを身に着けること。
そして、切られてしまった爪がちゃんと伸びたら、
5種のワクチンを打って、
また、小屋に帰してやること。

そのあとはもう、
ムギの生命力だ。

誰にでも寿命がある。
病気で死ぬのではなく、寿命で死ぬ。

あの夜、気になって、
寝る前にムギを見に行ったから、異変に気付いた。
でももし、あの日がムギの命が消える日だったら、
わたしは行かず、
翌朝、冷たくなったムギを、
夫が発見したのだ。

それは、今考えても、絶対に嫌だ。

奥さんを亡くした夫。
犬を亡くしたわたし。
苦い後悔を抱えて生きている。

もしあの朝ムギが死んでいたら、
わたしたちは、二度、その激しい後悔をすることになったのだ。

ムギはわたしたちに、追体験をさせてくれている。

やれるだけのことをやる。
でも、お外の子だから、
無理な手術とかは、受けない。

ワクチン打って、
熱が出なかったら、
小屋にベッドを仕込み、
ムギを抱っこして、そーっと小屋に入れよう。

捨てられたんじゃない、戻って来たんだとわかるように。


もし、ムギの寿命が尽きるなら、
その時は、二人で抱きしめて、
腕の中で、看取ろう。

わたしたちは、泣きながら、そう意見をすり合わせた。


世間がどう言おうが、
二人の気持ちが一致していることが大切だ。

雨が降れば雨に濡れて泣き、
風が吹けば飛ばされて泣く。

そうしかできない。

ムギの命が、いつまで続くのかわからない。
覚悟はするが、もちろん、元気になって長生きするかもしれない。
それは、わたしたちには決められない。
ムギが持っているものなのだ。

40年前、
何の手も出せずにゴンが死んでしまい、
数分、なきがらを撫でただけで、
怒られて学校に行き、
走って帰宅すると、
もう小屋は空っぽで、
埋葬にも連れていってもらえなかった。

一生悲しい。
一生苦しい。

でも、ムギに出会って、ムギに尽くして、
今、追体験をさせてもらっている。

どうかムギの命が消えませんように。
また、小屋で楽しく暮らせますように。

祈るだけだ。

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ひとすじの明かり。

疲れているので、眠れることは眠れる。

けれど、起きた時の気分が最悪だ。
何の希望も持てず、
楽しいことも一つもなく、
塞ぎこむ。

起きたくない。
このまま寝ていたい。

でも、用事がいっぱいある。

ちまの明るさには本当に救われる。
いつもシッポをピンと立てていて、
機嫌がいい。
いっぱい食べて、いっぱい飲んで、いっぱい出す。

ちまの健康が、ありがたい。

夕飯には、肉じゃがを用意した。
夕方、持って行こう。

今日は支払いでもめているリウマチ内科の病院に出向き、
文書を受け取った。
勝手なことを言いやがるので、
いきさつを文書にしろと言っておいたのだ。

腹が立つ。
こんな最低な人間が病院の窓口業務だなんて、
最悪だと思う。
何様のつもりだ。
勘違いしている。

多くもらいすぎたので返金する、
なので当日中に来院しろと、言いやがったのだ。

病人に向かって、なんということを言うのだ。
上司を呼び出して、説教した。
業務がどうこうよりも、人としてどうなのかと言っておいた。


銀行の通帳の、磁気が壊れたので、
銀行に行く。
知らない間に取り壊されており、
違うビルの3階になっていた。

階段が今は登れないのでエレベーターを使った。

それから美容院に行き、
愚痴を聞いてもらう。

帰ったら、肉じゃがを運んで、
そのあとムギの通院か…。

どーんと気持ちが暗くなる。

すると、夫が仕事の都合で、早く帰れると連絡してきた。

じゃあ、車を出してもらって、
一緒に病院に行こうかなと思って少し楽になる。

一人での通院は、こたえる。

帰宅したら、夫のほうが早くて、
もうムギのところに来ていた。

ムギは、わたしと同じで、
一対一じゃないと、ダメな子だ。
わたしが居ると、夫に甘えないので、
わたしは部屋で静かにしていた。

夫は、何とか排尿させようと頑張っている。
一生懸命、優しくムギに声をかけて、
手も動かしているようだ。

途中、「圧迫排便…。」と言って、
オシッコではなく、ウンちゃんを持って来た。
そう、ムギはウンちゃんも出ていなかったので、
それはそれで良かった。

夫は、まだ諦めなかった。

根気よく、ムギに話しかけて、
一生懸命、お腹をさすったり絞ったりしていた。

わたしはもう、心が折れているので、
何にも出来ない。
お薬は、口の中に入れるが、
無理にお水を飲ませることも、やめてしまった。

一時間半ほど粘って、
夫はとうとう成功した。

ムギが、オシッコ出してくれたのだ!

あああ、ムギすごい!
いや、夫が、すごいよ!

なんて辛抱強いの?
なんて根気があるの?
尊敬するよ!

ペットシーツを見たら、二日分全量ではないにしても、
いいんじゃない、これで、というくらい、
出ていた。

あまりお水を飲んでないので、これでも充分だろう。
とにかく、今日は病院に行かなくていいね!

通院は、精神的に、すごく辛いのだ。
夫もわたしも、やられてしまう。
暗澹たる気持ちになる。
いったい、いつまで?と、暗闇を見る。

ムギのストレスも大きい。
しょんぼりとしてしまい、
病院に連れて行った人を恨み、
死んだ目になる。

夫は、ムギさえ慣れてくれれば、
きっと毎日出してやれると思う、と言う。
頼もしい。
それさえ出来れば、ムギをお外に返してやれる。

またあの、イキイキとした暮らしができる。

夫が帰ったあと、ちまにやるのに、
同じように、ムギにもおかかをやってみた。

すると、ムギ、大喜び!
ああ、こんなに嬉しそうに食べる姿を、初めて見たかも。
写真を撮って夫にメールした。

ムギ、明日もオシッコ出たら、おかかあげるね!


真っ暗だった世界に、ひとすじ、光明が差した気がした。

この明かりを手繰って、
また光溢れる世界になりますように。


余りにも辛くて、ムギと一緒に過ごしていなかった。
今日はムギの前に座って、
友達にメールしたり、
おにぎりを食べたりした。

おにぎりを食べていると、
ムギが、ちょーだいって言う。

鼻先に持っていくと、んん?と首をかしげる。
え?違う?
海苔なの?

海苔をちぎって、鼻先に持って行ったら、
ムギ、海苔を喜んで食べた。
海苔食べる猫!
びっくり。

でも、体にいいとは思えないので、ちょっとだけね。

部屋で一緒に暮らしている時、
ムギはスナックを欲しがったっけ。
コーンのお菓子や、ポテチが好きで、
わたしが食べていると、ちょーだい、って来た。
ちょっとだけやった。

ムギはお外で、色んなものを食べて、
生きて来たんだね。
だってちまは全然欲しがらないもの。

水分を取らないムギにいいかなと思い、
モンプチのスープを買って来てあった。
ムギ、スープは好きで、飲むけれど、
具は残す。

なので今夜は、一袋を、
スープと具に分けて、
具はちまにやり、スープをムギにやった。

二人とも、すごく喜んだ。


健康って、素晴らしいね。

わたしが、映画やカラオケを楽しめたのは、
ちまとムギが元気だったからだ。
今は全然、映画にも行きたくない。
猫たちと無事に一緒に過ごせれば満足。

土曜日は珍しく予定がないので、
ゆっくりしよう。

明かりが見えて、少し楽になれた。
夫の粘りに、心から感服する。
ありがとう。
素晴らしい夫。
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引くほど泣く。

夕べも寝る前に、ムギと会った。

ムギは死んだ目をしていて、ドームベッドから出て来ない。
そーっと前足を持って、引っ張ると、
抵抗はせずに、出て来て、
膝に抱いたら、ゴロゴロと言う。

ムギ。
寂しいね。
つまんないよね。
楽しくないよね。
辛いよね。

ムギを抱いて、大粒の涙をこぼした。

もう、気力が残ってないんだよ。
ごめんムギ。

なんで出会っちゃったんだろうね。
ムギは可愛くて人懐っこいから、
きっと他の人でも可愛がってくれたと思うのに、
なんでうちを選んで居ついたの?

ムギ、今、幸せじゃないよね。
辛いよね。
入院してるのと変わりないよね。

ムギが小屋に住んでるとき、
幸せだったね。
パパが朝起きてトイレに入ると、
その明かりを見て、パパを呼んで、
夕方、夕飯を運んでいるママを待ち伏せて、
車の前で鳴いてるときもあったね。

暗闇の中で、ムギを膝にのせて、
寒いけど、一緒に過ごしたね。
幸せだったよね。

いつも居てくれるとは限らない、
居ることが当たり前ではない、と自分に言い聞かせて、
ムギとの時間を大事にしていた。

だから、異変に気がつけた。

助かって欲しい一心だったよ。
二十日間、毎日面会に通ったよね。

退院できたら、しばらく療養させて、
お外に返してやれると簡単に思ってた。
まさかこんなことになっちゃうなんて。

沈んで、ふさぎ込んでいるムギ。
食欲もなく、出して~と呼んでくれることもない。


お外で生きてたムギ、イキイキしていたよ。
パトロールに行っても、日向ぼっこに行っても、
ちゃんと帰って来て、
餌を食べて、小屋にいてくれた。

地域のノラ猫たちから襲撃されて、
ムギは必死に住みかを守ってた。

また、ムギとあんな風に暮らしたいよ。
ムギ!って呼ぶと、小屋の奥で、
「きゅ~ん」って返事してくれた。
嬉しそうに出て来てくれた。

あの、ムギに戻してやりたい。


ムギを抱きしめて、ムギの背中がぐっしょりになるほど、
大泣きした。
あまりのことに、ムギがドン引きしている。

うつ病の初期のころ、
まだ薬が行き渡らなくて、
人生への後悔で、
息が出来ないくらい、泣いた。
タオルケットを抱えて泣いた。

息子は、何も言わず、
でも、明かりを消さずドアも開けたままで、
黙ってひっそりとベッドに横たわっていた。

あの当時みたいなうつ状態になっている。
かなりひどい。


本日は二回目の整体。
余りにも全身の状態が悪くて、びっくりされている。
夫が回数券を買っていいと言ってくれたので、購入。
6回で、股関節を治してもらいたい。

朝、体もだるくて重いが、
どうしようもなく心が沈んで、起きることが辛い。

目が覚めたことを察してちまが胸の上に乗って、
わたしをふみふみする。
この状態のまま、永久に寝ていたい。

でも、夫にこれ以上迷惑をかけるわけにはいかない。
少しでも、わたしがやらないと。


夜、少し話をした。
もう気力が残ってないことは、
わたしだけでなく、夫も同じだった。

だから、これ以上のことは、できない。
このまま、ムギを療養させて、
爪が伸びて、お腹の毛も伸びてきたら、
ワクチンを打って、
お外に返す。

なので、わたしたちが、
排尿してやれるようになるしかない。

一日置きに通院する。
一日置きでも、本当はしんどい。
毎日面会に行ってたのに、ここで気力が無くなるなんて。

うつ病だからだけじゃなく、
健常な夫でも、気力が無くなるんだ、とわかった。
夫は働いて、
家事とおかあさんの世話もしているから、
役割が多くて大変だ。


今、外でノラ猫たちの大声がするので、
見回りに行った。
留守中のムギの小屋を荒らされたら嫌だからだ。

やつら、ムギを探しに来ていた。
茶白とキジ猫、二匹つるんで、ムギを探していた!

懐中電灯で、追い払った。

憎らしい。
でも、ムギは入院生活で、爪を切られ、
前足のムキムキだった筋肉も、なくなってしまった。
今は、闘っても不利だ。

いっぱいご飯食べて、お水飲んで、
元気にしてから返そう。
ムギ、一緒に頑張ろう。

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力が残っていない。

ゆうべ、寝る前に、
ムギの世話をするため浴室に入った。

ムギは湿った目をしてわたしを見る。

餌を新しくして、お水を替えて、
見ると、ベッドの中がぐちゃぐちゃで、
気持ち悪くてどうしても直したかった。

ムギを引っぱり出して膝に乗せ、
ベッドの敷物を直していたら、
ムギが急に、ゴロゴロと言った。

ムギ、本当は甘えたかったんだ!
意地はっていたんだ。

抱きしめてやり、優しく撫でた。

ムギ、ムギも辛いね。
早く自由になりたいね。
ママも、毎日がしんどくて、起き上がるのが辛いよ。

お行儀悪いけど、ナイショね、と言って、
膝に寝そべったまま、餌を食べて、少し水を飲んだ。


水曜日はリウマチ内科の通院。
血液・尿検査があるので、予約の一時間前に来るよう、
予約表に書いてある。

夫に電話で起こしてもらったのだが、
早く動けなくて、
やっと30分前に到着。

すごいしんどい。
ぐったりだ。

検査を終えて、診察に呼ばれる。
自分で注射を打つ練習をしますか?と聞かれたが、
怖くてできないので、いいです、打ってくださいとお願いした。

帰りに、会計でもめた。

前々回、来院したとき、
余分に検査料を取られたらしいのだ。
なので、今回差し引きしますからこの金額です、と
さらさらっと言われた。

ムカッとした。
そっちに否があるのに、当然のことみたいに喋るからだ。
文書で提出せよとわたしは言った。
口頭で言われても納得がいかない。
夫にも説明ができないじゃないか。

押し問答となり、奥から責任者が出て来て、
やっと、すみません、と謝った。

そっちが勝手に間違えたんだから、
まずは謝罪だろうが、と思い、
非常に憤慨した。

差し引きした金額を確認して、カードで支払った。
マックでランチして帰った。

とにかく、休もう。
しんどいよ。
これで、夕方また、ムギの通院か…。

ちまが喜んで、毛布にもぐって来てくれた。
ふわふわしてあったかい。
その感触を楽しんでウトウトしていると、
病院から電話で起こされた。

すると、あの小生意気で謝罪できない事務員が、
会計を間違えたから、現金で返金すると言う。

なんで一回で出来ないのよ!と怒鳴った。
もう、次に行った時に受け取るからいい!というと、
いや、本日来れませんか、という。

いいかげんにしろ。
わたしは電話を切った。
間違えたお前が持って来い、と言えば良かった。

疲れているのに、最悪だ。

夕方、夫からメールが入った。
外での仕事だったが終わって今から帰るので、
ムギの病院、行こうか?と言ってくれた。

ああ~、助かるよー。
うつ状態が酷くて、起き上がれずにいたのだ。
一人で行ってもらえる?と聞くと、
いいよ、と受けてもらえた。

今日はわたしは夕飯を作らない日なので、
全部夫が担うことになる。
でも、甘えることにした。
ムギとの通院が、とても精神的に辛いこと、
知ってもらうのもいいと思った。

帰宅して、しばらく夫はムギを撫でていたが、
仕方なく、キャリーに入れて、連れて行った。
わたしはムギの敷物を交換して、
ベッドには消臭スプレーをしておいた。

病院は混んでいたようで、帰って来たのはだいぶ遅かった。
夫は、「出来なかった…。」と、
憔悴して帰宅した。

担当の先生はお休みで、
若い女医さんが、丁寧に膀胱を教えてくれたらしいのだが、
結局、わからなかったそうだ。

その気持ち、わかる。
わたしも毎日、そうやって打ちひしがれているのだ。

このままムギが自力でオシッコ出せないままだったら、
どうすればいいのか。
まったく先が見えない。
気持ちがふさぐ。

ムギは食欲もなく、お水も飲まず、
どんよりベッドに居る。
生きてる輝きが失われている。
可哀相だ。

夫も、わたしも、もうヘトヘトだ。

この先、やっぱり手術をしましょう、ってなったら、
その時にはもう、
毎日面会に通えるだけの気力は、残されていないのだ。

ペース配分ができないので、
使い切ってしまった馬鹿なわたし。

夫と、話し合った。
どう負担を分け合うか。

そして、ムギの通院を、一日置きにしよう、と決めた。
じゃないと、人間が倒れてしまう。

今なら、何時でもすぐムギを見られるし触れる。
もしぐったりしても、すぐ通院できる。

猫は砂漠の生き物だから、
もともと、水も余り飲まないし、オシッコだってそんなには出さない。


そうしないと、わたしが寝込んだら、
ちまも、ムギも、夫も、すごく困る。
自分を騙し騙し使わないと、いけないのだ。

幸い、天使のちまちゃんの明るさに救われている。

ムギがいることを、ちまは知っているが、
見て見ぬふりをしてくれている。
最初は、食欲が落ちて、怯えていたが、
今は食欲旺盛なちまちゃんに戻った。

ちまがいるから、なんとか生きていられる。

あとは夫と負担しあって、なんとか生き延びよう。


ムギの膀胱には、小さな石がある。
本当なら、いっぱいお水を飲んで、
いっぱいオシッコを出して、療養するはずだった。
どこでしてもいいように、整えて迎えた。

けれど、こんなことになるなんて。
先が見えなくて、本当にしんどい。

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ならば自分で生きなさい。

ムギが入院して、
毎日、面会に行き始めた。

面会室の固い椅子に座って、
一時間半ぐらい、じっとムギと向き合う。

ムギが眠れば、その体を抱いてじっとしている。

数日で、股関節が、痛み始めた。

なので、座布団を常に持ち歩いて、
面会の時には使っていた。
でも、どんどん痛みは増して、
脚を上げることが辛く、
ただ立っているだけでも痛くて辛い。

まともに歩けなくなり、脚を引きずってしまう。
ちょっとした起伏で、つまづく。
着替えが思うように出来ない。

辛くて仕方なかったが、
ムギが良くなるまで、と我慢していた。

ムギは退院してきたが、
今度は通院が始まった。

ムギをしょって、駅までヨロヨロ歩き、
バスに乗って病院に向かう。

すごくしんどい。

夫に頼んで、整体に行かせてもらうことにした。

とても高いので、特別に頼んで、
許可をもらわないと、行けない。

リウマチの治療でも、高い注射をしていて、
それが月に4万を超えている。
オンボロで、本当に申し訳がないが、
痛みに耐えかねた。

今日、整体に行って来た。

初診なので、院長が担当してくださった。
問診表に記入したあと、
初回の聞き取り。

話を聞いたあと、体に少し触れながら、
確認していく。

わたしの体は、岩のように固い。
ふんわり太っているのではなく、
がっちりしていて、重たくて固いのだ。

今まで、どこのマッサージ屋さんに言っても、
ずっと言われてきた。
背中がまな板のようです、
骨と筋肉の境目がありません、
この店の顧客のナンバーワンです、などなど。

離婚したときから、ずーっとこういう体だ。
緊張しながら生きているので、
筋肉が、リラックスできない。

うつ病になって、さらに拍車がかかった。

肩は常に硬く、
首は回らないので振り向けず、
背中に触れた人は、残らず、板のようだと言う。


痛む右の股関節を中心にやっていきますが、
全体の筋肉が腫れているので、
股関節だけの問題ではありません、と言われた。

それは、わかっている。
だから、無駄に整形外科に行かずに、整体に来たのだ。

院長は、うつぶせになったわたしの足先から始め、
お尻にさしかかると、
「あれ? これはどういうことだ?」
と独り言をつぶやいた。

わたしは、喋りたい気分ではないので、
質問以外は答えない。
でも、お尻の筋肉が、かなりいかれてることが、
触られて自分でもわかった。


ムギが入院してからずっと、
わたしは娯楽を遠ざけている。

一応、見たい番組は録画しているが、
気が晴れて、見られたのは、たった数回。

それ以外は、静かな部屋で、聞き耳を立てて、
本を読むか、
パソコンに向かっている。

常に、緊張状態なのだ。

それが、筋肉の緊張状態となっている。


仰向けになって、いよいよ股関節への施術。

ちょっと痛くても、ちょっと我慢して脚を開き、
どこが痛むのかを探る。

そこを押してもらうと、
すごく気持ちがいい。

そのあと、ゆらゆら揺すられる。
そしてまた少しづつ脚を開いて、
押されて、揺らす、
というのを、何回かやってもらった。

これはひどい、と言われた。
大体、どこが痛んでいるのかがわかったが、
一気に施術はできないので、
このあと、間を空けずに、最低3回は来てもらわないと、
とのこと。

そうだろうな。
それぐらい、ひどいって、自分でもわかるよ。
脚が上げられず、立っていることも無理なんだもの。

今日、施術してもらって、急に楽になったかと言えば、
まだ全然。
でもあちらは、どこの筋肉がおかしくなってるかを、
読み取れたようだった。

治りたいなあ。


実は数年前にも、これの、軽いやつに苦しんだ。
でもその時は、ここまで酷くならなかった。
立っていることは出来なかったが、
数ミリの起伏でつまづくような事態にはならずに、
数ヶ月で落ち着いた。

でも、あれからずっと、開脚が出来てないことを思い出した。

次回の予約をして、
料金表をもらって帰って来る。

回数券プランがあるので、夫に相談して決めよう。
6回の回数券を買うと、一回あたりの施術料がかなり安くなる。

働かないばかりか、
医療費ばかり使っているわたしは、お荷物だ。
心苦しい。
わたしが出来ない分、結局夫が孤軍奮闘している。


夜、浴室でムギと向き合って、
ムギがゴロゴロ言ってくれた。
でも、またパンチされたら、精神的にやられてしまう。
怖くて、撫でられない。

ムギにちょっと説教をした。

お薬飲ませたり、お水飲ませたり、
お腹絞ったり、病院に連れて行くママを、
ムギは恨んでるかもしれないけど、
ムギさえ自分でオシッコしてくれたら、
もう病院なんて行かなくていいんだからね?

全ては、ムギ次第なんだよ?

昨日、夫が説教したときは、
ムギはぷいっと横を向いたそうだ。
今日は一応、神妙に聞いていた。

夫が帰宅して、ムギに会いに来た。

かなり時間を割いて、じっくり待っていたが、
ムギは、頑として出て来なかった。
オシッコを絞ってみるつもりがあったのだが、
断念した。

明日の朝、また来て、トライしてみるとのこと。

夫は、腰痛と睡眠不足で、ヘトヘト。
お姑さんも、物忘れが酷くて、真面目に付き合っていると、
疲れてしまうらしい。

その上に、夕飯支度と、
ムギの相手。
一人で何役もこなしている。

本当に申し訳ないよ。

夫に整体でどうだったかを話し、
治すために通いたいと願い出た。
夫は、お得になる、6回の回数券を買っていいと言ってくれた。

リウマチの注射が、月4万超え。
さらに整体では、一回5千円ほど。
精神科。

どれだけ迷惑をかけたらいいの、って情けなくなる。


一つ、わかったことがある。

ムギに対する温度の差は、
夫が、手を尽くした経験を持っているからだろう。

わたしは、なんにもせずに、ゴンを失った。
しかも、埋葬にすら、同行させてもらえず、
その後泣くことさえ許されなかった。

夫は、先妻さんに、必死に尽くしたとわたしは思う。
本人は否定するが、
その当時、まだ、知られていなかった病気だった。

亡くなる前は泊まりこんで一緒に過ごしたのだ。

手を尽くして送った。
何もせずに失ったわたしとは、感覚が違って当たり前だ。


ムギを失いたくなくて、必死だったけれど、
生きててくれるなら、わたしは嫌われ役になるよ。

元気になったら、またガレージの小屋に戻って、
土手を登ったり、
隣のおうちのひさしに来て日向ぼっこしたり、
鳥を追いかけたりして、
自由に暮らせばいい。

最小限の、手伝いをするよ。
だからムギ、自分で頑張りなさい。

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折れてしまった。

うつ病であることを、免罪符にはしたくない。

だけど、発症してしまったあとは、
本当に頑張れない自分になってしまった。

もともと、弱くて、出来ない人間なのに、
自分の器の小ささに気付いていなくて、
ちょっと必死になっては、潰れるということを繰り返している。

情けない。
恥ずかしい。
申し訳ない。

うつ病とわかってから、もう10年にもなる。
治療は中断したことはなく、
カウンセリングにも通っている。

なのに、頑張れないのだ。
なんてダメなわたし!


今日は先に夕飯の煮物を作って、
それから美容院に行き、
スーパーで買い物をしてから帰宅した。

どうせ、出てないよね、と思いながら、ムギを見る。
やはりオシッコは出せていない。

床にムギを置いて、お腹を絞ってみる。
ムギは嫌がって、逃げようと体をよじる。

それを押さえ付けて、お腹を絞るなんて、やはり無理。
ムギもいや~んと鳴いている。

仕方がないので、ムギをしょって、
雨の中、通院する。

バスでよろけたり、道でつまづいたり、
転びそうになって、自分が怖い。

今日は担当の先生なので、
しっかり、レクチャーしてもらうつもりだった。

診察台に乗せて、ポーズから教わる。
ムギは後ろ脚が一本なので、ふんばって立つことはできない。
なので、シッポを持って、と言われた。

シッポを上に引っ張って、
体を抱えて、
もう片方の手で、お腹を絞る。

すると、まだやってないのに、
ムギが放尿し始めてしまった。

ああ~。
ムギ、出せるなら、おうちに居る時に出してよ…。

延々出しているので、その途中にも、絞り方を教わった。
ストップしてからも、先生が上手に出してくれた。

わたしの心労を見て、
先生は、「そんなに思い詰めないください。」と言った。
でも、じゃあ、いったいどうすればお互いが楽になれるのか。

今はずっと、24時間以内に通院して出してもらっている。
この溜まり方だと、48時間経てば、
自然に漏れてくると思われるが、
溜まっている間に、菌が繁殖してしまうと、
素も子もないので、それはお勧めできないと先生は言う。

このまま、毎日、通院ってこと…?
自分で絞るのは、とても難しいよ。

気持ちが真っ暗になる。
希望が見えない。


二度目、帰宅して、ちまに餌をやり、
着替えてムギの餌も新しくした。
残り物が嫌いらしくて、新しくしないと食べないのだ。

餌を置くと、ベッドから顔を出したが、
出るのは嫌みたいだった。
それで、お皿をベッドに差し入れて、食べさせた。
ついていて、見ていた。

もういい、というので、お水を差し出したが、拒否。
仕方がないので、ベッドに手を入れて、撫でていた。

すると、ゴロゴロ言っていたムギが、
急にわたしの腕を噛んだ。

そして、顔めがけて、パンチを繰り出して来た!
よけたけど、かすった。


どうして?

ムギ、どうしてパンチ?

ショックで、血の気が失せた。

前にも、何度か、小屋に手を入れて撫でていて、
噛まれたことがある。
それは、「もうやめてね」だと思って、そこで手を引いていた。

夫も、よく噛まれる。
夫の場合、毛を逆撫でするせいもあるし、
一番気を許している相手なので、猫どうしと勘違いして、
遊ぼ~、と噛んでくるのだと思っていた。

小さい頃、兄弟でそうやっていたのだと思う。

しかし、
100歩譲っても、
パンチは、どうなの。
それは明らかに、攻撃だよね?

攻撃されたことが、ショックすぎる。

だって、ムギは、病院で、
この子は最初のうち、シャーッって言っただけで、
手も口も、一切出して来ませんでしたよって、褒められたのだ。

なのに、なんで顔にパンチ?


夫が帰宅して、夕飯を済ませてから、
ムギに会いに来た。
わたしはショックで寝込んでいて、夫に鍋などを洗ってもらった。

ムギ、退院したときは、夫が来るとすごく喜んで、
出て来て抱っこされてたのに、
通院しだしてからは、出て来ない。

夫もベッドに手を入れて撫でていた。
そして、なんと夫も噛まれた。
しかも、3回も。

二口目の傷は、穴が開いて、血が噴出してきた。
痛いだけでなく、夫は猫アレルギーなので、
傷口が腫れてしまうのだ。

薬を塗りながら、話をした。
わたしは、しんどい・もう辛いよと言って泣いてしまった。

わたしが辛いと言って泣くと、
夫は、自分が何とかしなくてはと思って、
とても苦しいそうだ。

ムギを外に出したあと、ケージは処分してしまったので、
もう夫の部屋では面倒は見れない。

もちろん、そういうことを全部考えた上で、
今回、浴室で療養させると決めたわけだ。
その判断は、間違いではない。

でも、ムギはお外に出たがり、
それが叶わないのなら、逆にお部屋に入りたいと言った。

どちらも、叶えてあげられない。

ムギがオシッコを出せるか、
わたしたちが絞り方をマスターするまでは、
お外に、返してやれないのだ。

ストレス満載なのだろう。

入院していた時は、
ムギは面会だけが楽しみだった。
カラーを外してもらい、一時間とか一時間半とか、
パパかママに、くっついていられたのだ。

いざ、退院してみたら、
狭い浴室での、楽しみのない暮らし。
しかも、毎日病院に連れて行かれる。

イライラしてるんだろうね。

多分、そうなんだと思う。
でも、わたしも、本当にしんどい。

数時間寝込んでいて、ちまの明るさに救われて、
やっと起きて、これを書いている。


どう考えても、今の状況で、もうしばらく頑張るしかないのだ。

けれど、どうしても駄目になってしまったら、
ムギには小屋があるのだから、
そこに返せばいいんだよ、と夫が言った。
たとえ、誰かにひどく非難されても、
そういう方法だってあるから、と言ってくれた。

うん…そうだね。

後悔しないように、精一杯、世話をしよう。
あのまま死なれていたら、悔やんでも悔やみきれなかった。
こうして今、お世話ができていることを、
喜ぶべきなのだ。

でも、
凡人だから、
パンチされて、心が折れた。

辛いよう。

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「お部屋に入れて~。」

ムギに元気がない。

退院してきた時は、それなりに嬉しそうだった。
パパにも毎日会えるので、
喜んで膝に乗っていた。

けれども、通院を繰り返し始めて、
精神的に、苦痛なのだろう、
しょんぼりとテント内のベッドに横たわっており、
出て来ない。

食欲もないので、
都度、カリカリを取り替えて、
かつおの削りを少しふりかけてやったら、
どうにか食べた。

でも、お水は飲んでくれない。
シリンジで注入するのは、お互いに辛い。


わたしが塞いでしまっているのと同様に、
ムギも、気分が落ちている。

今日は、起きて、首のカラーを外した。
そして、床に立たせて、腰をホールドし、
お腹を、ぎゅ~っと絞ってみる。

何度やっても、オシッコは出せない。

そのうちに、ムギが、ゴロゴロと言いはじめた。

…なんで?

こんな嫌がることやってるのに、
なんでムギ、ゴロゴロ言うの?

わたしは切なくてムギが不憫で泣いてしまった。
もうできないよ…。

首のカラー、やめよう。
カラーがあるから、お水も飲めないし、
寝ていても安らがないんだよね。

かわいそうなムギ。
切なくて、わたしも涙がボロボロこぼれる。

今日も出かけていた夫だが、
さすがに飲み会には行かず、夕方帰って来た。
病院に夫から電話をしてもらい、
車で、ムギを連れて行った。

休診日なのに、ちゃんと獣医さんが居て、
受け付けてくれる、素晴らしい病院だ。

ムギ、今日はキャリーでチビっていなかった。
担当のお医者さまではないが、
膀胱の圧迫を教えてもらい、夫がトライした。

膀胱の位置はわかるが、難しい。
ムギは緊張しているし嫌がっている。

先生がちょっと手を加えたら、じょーっと出始めた。
そのまま自然に出るにまかせた。

出すきっかけというのが、わからなくなっているのだろうか。
膀胱が満杯だよってことを、
認知する神経が麻痺してしまったのではないか。
心配で心配で、
わたしもムギもヘトヘトになっている。


帰宅して、夫にバレンタインのチョコを渡したら、
「しんどいのなら、夕飯作り、ゼロでも構わない。」と言われた。

しかし、ゼロにしてしまうと、
わたしは全く家事参加していないこととなり、
稼がないで消費するだけの、お荷物となる。
それは、逆に精神的に辛いものがある。

なので、勝手だけれど、一品だけ作るという方向で、
やらせてもらえないかと申し出た。

夫から、では、野菜系の煮物を作ってくれると助かる、と言ってもらった。
野菜の煮物があれば、
あとは何か焼いたり、ちょっと炒めたりすればいいから、とのこと。

もう、お姑さんはできないし、
子供たちは、一切当てにならないので、
夫がやることになる。

申し訳ないが、それで、手をうってもらうこととした。


帰って来て、ムギを浴室に入れた。
すぐベッドにもぐった。
だから、首のカラーは、着けなかった。

着替えていると、ムギが呼ぶ。

行ってみると、ムギが、「出して~。」と言っている。

ドアを開けてやると、出て来て、
キッチンを散歩した。

玄関に行って、外の匂いを嗅いでいる。

そのあと、人間トイレに置いた、ドーム型ベッドに入ったので、
わたしは部屋に戻った。
危ないものは特にないし、
しっかり音を聞いているから、大丈夫だろう。

テレビも見ず、音楽もかけず、
耳をすませて、時間を過ごす。

ムギがまた呼ぶ。
ガラスの上部から覗くと、
ムギが引き戸にゴンゴンして、
「お部屋に入れて~。」と言っている。

すぐわたしは出て行って、
浴室の前に設置した座椅子に座った。

ムギが甘えてくっついて来た。
ムギ、寂しくなっちゃったの?
登ってきて、抱っこされる。

そうだよね、ムギ。
お部屋の中か、お外か、どっちかがいいよね。
今のこの状態、中途半端で、ムギ辛いよね。

膝に抱いて、よしよししてやると、
納得して、また人間トイレに行った。


わたしはしんどくて、座ってもいられず、布団で横になった。
でも、眠いわけではない。
しっかり耳で音を聞いている。

ぽとん・ぽとん、と音がする。

ちまがシッポで床を叩いているのかと思ったが、
それがムギの足音だった。

後ろ足が一本しかないから、
歩くと、
ぽとん・ぽとんと音がするのだ。

ガラスから覗くと、ムギがまた、
「お部屋に入れて~。」と鳴いた。


涙が出る。
ごめんムギ。
お部屋には、ちまちゃんがいるから、入れられないんだよ…。

またムギはわたしにくっついて来て、
甘えた。

うんうん、いいよ、どんどんワガママ言いなさい。
いい子でいなくていい。
もうカラーもつけない。
シリンジで無理にお水を口に入れるのもやめる。

ママが起きてるときは、浴室ドアは開けておいて、
自由に動いていいようにする。
玄関ドアには、「ムギが出ています」って張り紙をするよ。

だから、自由に移動して、好きな場所で寝ていていいよ。


ムギはカラーを外した体で、いっぱいお水を飲めた。
カラー、ストレスだよね。
もう、いいよね。

幸い、ちまが落ち着いてくれた。
ムギの声がしていても、足音や爪とぎの音がしても、
平気になってくれた。

絶対に、このお部屋にはムギちゃんは入って来ないからね、
と、ちまに何度も言い聞かせたのだ。
それを信じてくれて、
食欲も復活した。

わたしが少々ムギ臭くても、怒らなくなった。
天使のちまちゃん。
ありがたいよ。


週の始まり。
またわたしと猫たちの生活。

毎日面会、が、毎日通院になってしまった。

圧迫排尿、練習するね。
通院は辛いよね。

ムギが幸せを感じるようにしてやりたい。

今は、トイレにあるドームベッドで、ずびずび言って寝ている。

カラーしないなら、ベッドをもう、
入れ替えようかな。
ドームベッドのほうがやはり落ち着くし好きみたいだ。

潰れないように、
少し、頑張る。
ちまも、ムギも、夫も、みんなちょっと頑張る。
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もう切れる。

期待して浴室を覗くのだが、
依然、ムギは自力でオシッコを出せない。

土曜日の朝、夫が様子を見てくれたはずなのに、
何の伝言も入っていない。

わたしは、
完全にうつ状態に入ってしまった。
起きられない。

ちまが、お腹が空いたといって起こしに来たのに、
振り払ってしまった。

やがて目が覚めて、
現実を突きつけられて、
深く気分が沈む。

毎日面会に行く、が、
毎日通院する、に変化した。

面会でも、通院でも、
支障が無いよう、前日の夜から夕飯の煮物をしたりしていたが、
まったく、一切家事をやる気のない子供たちに、
いい加減、呆れた。

夫がぎっくり腰になったときも、
パパを助けてあげてね、家事分担してね、と、
密かにメールしたのだが、
休みには誰も家におらず、
結局夫が家事をする。

夫が全て丸かぶりになってしまうので、
わたしがやらなくちゃと思って、夕飯を作ってきた。

でも、実は、迷惑だったらしい。
お姑さんが、料理できなくなってしまったのは、
わたしが勝手に手を出したからだというのだ。

そうか。
それなら、大変申し訳ないことをした。
取り返しがつかないことを、してしまったわけだね。

だけど、何年も前から、家事をするよう、
子供たちに言っているのに、
一向にやろうとしない。
それを、夫は甘甘で大目に見ている。

一人でやろうとしている子に、
手を出して手伝ったり、
代わりに買い物に行ってやり、代金も請求しなかったり、
夫が甘いから、誰も本気にならない。

うつ状態がひどいので、
夕飯作り、一品だけにさせて欲しい・
焼くだけのものとか、温めるだけのものをストックして欲しい、と
夫に申し入れたら、
勝手に自分で始めたことだから、
勝手に変更するだけでしょ、と返事が来た。


精神的にも、体も、しんどい、と言っているのに、
まさかの逆撫で!

妥協点を見つけて、そうしないと、
続けられないと思って、
すみませんが、と申し入れたのに、
優しさのカケラもなしだ。

もう、危ないのだ。
わたしの糸は、切れてしまいそうなのだ。


ムギを抱いていると、泣けてくる。
土曜日も通院した。
ムギ、キャリーの中で少しちびっていた。

診察台に乗せて、立たせて、
先生に位置を教えてもらいながら、圧迫する。

片手でしっかりと腰をホールドして、
もう片方の手で、乳絞りみたいに、圧迫する。
オシッコが出た。

やたらお腹を押すだけでは、出ないらしい。
コツがあるのだ。
とても難しい。

わたしの手では出せなくなったあとも、
先生はさすがで、まだまだ絞り出した。

ムギ、怖かったのか、ウンちゃんも出ちゃった。

会計をして、ムギを肩にかけて、
バスに乗って戻る。

股関節がもう限界なので、
そのまま、整体院の予約に行った。

来週、予約が取れた。
痛みで、平らなところには座れず、
立ち上がるのにも苦痛で、
立っていることも出来ない。

帰って来て、ムギを人間トイレに入れて、
シャワーした。
浴室をタオルで拭いて、ムギを迎えに行くと、
キャリーからは出て、トイレに置いたベッドに入っていた。
おとなしい。元気がない。

せっかく退院できたのに、
毎日の通院。
お互い、精神的負担が重たい。

土曜日、夫は、自分が出かけるので、
末っ子くんに、車で、動物病院への同行を頼んであると言った。

何それ。
自分に引け目があるからって、子供を使うなんてずるい。
動物病院の駐車場が、ありえないくらい狭くて、
ベテランの夫でも苦心すること、わかりきってるのに、
免許を取って数回しか運転していない息子くんに行かせるって、
どうかしてる。

自分の罪悪感を消したつもりだろうか。

わたしはもちろん断った。
安心して乗せてもらえないし、
もう、本当に、精神的に参っていて、
誰かと接することなんて無理なのだ。

そういう鬱状態を、わからないならそれでも仕方がないが、
何も逆撫ですることはないじゃないか。

もう、糸は、切れそうなのに。

何で夫には、この緊張感が伝わらないのだろう。
いや、わからないならそれでいいが、
すみませんがと申し入れたことに対しては、
少し優しく受け止めてくれてもいいじゃないか。


期待するからいけないんだ。
多分そうなんだよね?
捉え方は人それぞれ。
自分と同じじゃなくても仕方がない。

でも、こんなにしんどい時に、助け合えないなんて。
勝手に始めたのだから、勝手に変更するのでしょ、って、
そんな言い方ではない返事が、
いくらでも選べるだろうに。

自分の楽しみで出かけて、
酔った帰り道だからね。
いいよね、心配しないんだね。
わたしがやると思ってるんだね。

疲れた。
本当に糸が切れそう。

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どうしても出ない。

夕べ、寝る前にムギを抱きしめて、
泣きながら、ゴンちゃんにお願いをした。
しゃくりあげるほど泣いて、
腕の中で、
ムギがじっとわたしを見上げていた。

もう失いたくない。
お願いだよ、ムギを助けて。

けれど、願いもむなしく、
ムギはオシッコを出せなかった。

溜めたままにしておくと、菌が繁殖してしまうので、
午前中に、ムギを連れてバスで通院。

5キロの猫を肩にかけて、駅まで歩いたら、
フラフラになった。

股関節を悪くしていて、治療できてないので、
すごく辛い。
睡眠も不足しており、
道中の記憶が無い。

先生が「オシッコ、出ませんか。」
と聞いてくださった。
退院の時に、わたしがそこに固執していたのを
覚えてらしたようだ。

はい、昨日は一度も、と言いつつ、
ムギをキャリーから出す。
先生がキャリーをのぞくと、
敷いてあったペットシーツに、すこし沁みがあった。
「これは、今ですかね?」
そうだ、途中できっとちびったのだ。

診察台にザッとタオルを出して、
先生はきゅ~っとムギのお腹を押した。
どういう手つきだったか見えなかったが、
いとも簡単に、オシッコが出た。

大量だ。
昨日一日してないのだから、当然。
色も濃かった。

一応腎臓の数値検査しますね、とタオルを持って行かれた。

ムギ、せっかく退院できたのに、また病院通いだね。
でも、幸い腎臓は大丈夫だった。

オシッコが太くなったので、状態は改善されていますよ、
こうしてオシッコ出せなくて通院してるうちに、
治る子もいますからね、と
先生は励ましてくださった。

わたしが憔悴してるのがわかったのだろう。

ペットシーツを下さったので、敷きなおしながら、
膀胱の押し方を聞いた。
丸くて、押すと上に上がってしまうらしいので、
ちょっと上から押さえるのがコツらしい。

でも、ムギが自力で出せないと、意味が無い。

ずーっと家で飼う猫なら、
毎日押して排尿させる生きる方法もあるかもしれないが、
ムギはお外の猫だ。
しかもまだ4歳。
介助なしで、生きていけるようになってくれないと、困る。


誤解されるかもしれないが、
なんでムギと出会ってしまったのだろうと考える。

浴室で、椅子に座って、膝にタオルをかけると、
ムギがテントから出て来て、
一段降りて、
わたしの膝にしっとりと納まる。

抱きしめても怒らないし、逃げない。
からまるように腕の中にいる。
ずっとゴロゴロ言って、脇に顔を突っ込む。

なんでこんなに可愛いの。
なんでこんなに可愛い猫と出会っちゃったの。

どんなに大変でも、もう、ほっとけないじゃないか。
ムギの命、預かってしまったのだもの。


ちまも、ようやく、現状を受け入れてくれた。
やっとわたしの言葉を信じてくれた。

昨日まで、物音がするたび、
ムギの声がするたび、
ご飯を食べられなくなってしまっていたちま。

今日は、一緒に寝ていてくれたし、
ご飯もちゃんと普通の量食べられた。
お腹を出してすぴすぴ寝ていたので、
ピンクのお腹を吸ってみた。

ちま、おいしいよ。
いい匂い…。

ムギは、確かにいるけど、このお部屋には入ってこないから、
絶対に大丈夫、と言い聞かせて来た。
それが本当だと、わかってくれた。

ムギも、もう、キッチンや人間トイレには関心がなく、
浴室を、自分の部屋と捉えているようで、
すぐにベッドに戻る。

今日はムギ、部屋にいても聞こえるくらい、
寝息を立てて、熟睡していたよ。

ドームベッドで失敗した時は、
どうしよう!と座礁した気になっていたが、
何とか、なじんでくれた。

環境の変化に弱い猫が、二人とも、頑張って適応してくれた。
まだ先は長いから、
この信頼関係を、壊さないようにしよう。


この土日、夫は両日出かけるそうだ。
わたしは、とてもじゃないけれど、出かけたくはない。
命を預かっているのだ。
油断は出来ない。

ムギがオシッコさえ、できれば、
そしたらもう首のカラーは外してもいいと言われた。
オシッコさえ出れば、わたしも出かけられる。

あんなに映画とか行ってたのに、
今は、録画した映画を見る気持ちの余裕すらない。

とにかく必死。

またムギ、オシッコ出せなければ、
午後に通院だ…。

何とか、自力で出せるようになって欲しい。
ゴンちゃんお願い、力を貸して。

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完全ノイローゼ。

今は、ノイローゼという言葉を使わないが、
今時の言葉では、
どう言えばそれに相当するのかがわからない。

わたしは今、完全に、ノイローゼ状態だ。

昨日、オシッコを出せたムギ。
一転して、今日は、もう夜半過ぎなのに、
全く、出せていない。

ちまなら、一日に3~4回する。
それが多いほうだとしても、
一日に、2回はしてくれてもいいのでは?と思う。

病院では、ちゃんと出せてたのだ。

もう、どこにでもいいから、オシッコ出して、と
わたしの精神はプチ狂乱状態。

夫は、大丈夫だよ、気にしすぎ、なんて言う。
どうして?
どうして平気なの?


あの夜、死にそうだったムギを、夫は見ていない。

わたしが夫の部屋に駆け込んで状態を伝えた。
夫は、それはそれで仕方ないかも、と迷っていた。

夜間救急に電話して、それはもう、緊急ですよ、と言われ、
行こう!となって、
小屋からムギを引きずり出したのもわたしだ。

姿を見ていないから、
あの恐怖がわからないのだ。

わたしはガクガク震えていた。

このまま、オシッコ出せなかったら、また病院だよ?
せっかく退院したのに、また通院して尿を抜くなんて、
可哀相すぎるじゃないか。

今、腎臓用の、CDというカリカリだけを食べさせているので、
喉が渇いて、水が欲しいはず。
どんどん飲んで、どんどん出しましょう、という餌なのだ。

でも、ムギは首にカラーを着けているので、
自由に水が飲めない。

しばらくそばについていて、
抱っこして安心させて、
カリカリを食べさせて、次にお水を、と差し出すけれど、
申し訳程度に舐めるぐらいなのだ。

これではオシッコにならない。

わたしは、ムギを抱いて、
シリンジで水を口に入れた。
何とか飲んでくれた。

そう話すと、夫は、可哀相なことするね、と言った。

何が可哀相?
オシッコ出せなくて苦しむことのほうが、
可哀相だし、
命にかかわるんじゃないの?

わたしは反論したが、もとより聞く気などない。
夫は自分の意見を話すことが大事な人だ。
大家族だと、そうやって、
さえぎって主張しないと、意見を述べられないのだろう。

しかし、命の危険に対して、
余りにも無防備ではないか。
大事な人を亡くしているのに、
なんでそこのところが無防備なのかが、わからない。


息子を育てていた頃を思う。
小学生になるまでの息子は、
ひ弱で、本当に、いつ死んでもおかしくないような子供だった。

風邪を引いて、熱やら咳やら鼻水やら、
それらが静まってきたと思うと、
次に、耳が痛いと言い出す。
風邪による中耳炎だ。

それがどうにか治まること、今度は目が痒いと言い出す。
風邪による、結膜炎になる。

毎回毎回、このストーリーの繰り返しで、
一回風邪を引けば三週間は病院通い。
わたしは、休んでばかりで、職場でいじめられた。

車はもちろん、新幹線でも特急電車でも酔って吐く。
実家に帰省する新幹線の中では、
ひたすら緊張して、息子の顔色を見つめていた。

今、その時と同じだ。
育児ノイローゼなのだ。


ちまも、可哀相に、ダメージが大きい。
食いしんぼさんで、ご飯第一!の子なのに、
餌を食べている途中で、ムギの声を聞いて、
ぱたっと、食べられなくなってしまった。

ちまがご飯を残すなんて、経験がない。
相当なストレスを感じているのだ。

それも夫に伝えたのだが、
お皿を見て、なに、ちゃんと空っぽじゃん、という。

いつもの一回の量を、半日かけて、
おかかを加えて、やっと食べた結果なのに。

ちまの気持ちを大事にしたいので、
ムギと過ごすのは一日3回、としている。
ムギは、キリがないからだ。
面会で、たっぷり一緒に過ごす経験をしてしまったので、
甘えたくてうずうずしている。

カラーをはずしてやり、餌を食べて、
水を飲ませないといけない。
一回30分くらいはかかる。

ちまの心が大切だし、
ムギの容態が悪くならないか、絶えず心配だし、
なんで、この状況で平気なのかが、
理解できない。


わたしは、精神を病んでるから、
一個一個の症状が重く出る。
それは、わかってる。

でも、心配なのは仕方がないじゃない。
死にそうな姿を見てしまったわたしには、
強迫観念がある。

死んでしまったらどうしよう、と常に思っている。
それをわかってもらえなくて、
すごく不満だ。


怖くないのだろうか?
死なれてしまうこと。

大事な人を亡くしてしまったから、あとはもう、
平気なのだろうか?

わたしには忘れられない。
朝、小屋で冷たくなっていたゴンのこと。

ゆすっても反応がなかった、
あの夜のムギのこと。

怖くて怖くて、平気でなんていられるはずがない。

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生きている。

ムギのオシッコが気になって仕方がないので、
早朝、夫に来てもらった。

わたしは睡眠薬を飲んで部屋で寝ていたが、
夫の、「ムギ~♪」という声を聞いて、
ああ、オシッコ出せてたんだな、と察した。

その後、夫がくれたメールを読んで、
ちゃんと出せてたことを知り、
再び眠ることが出来た。
良かった…。

お昼に起きて、ちまの世話をして、
気になるのでムギを見に行った。

オシッコが三箇所にあった。

一つは、猫トイレの中。
すごい、ムギちゃん、トイレ使えたんだ!
それと、トイレのすぐ横。
これはきっと、もれちゃったんだね。

そして、麻の爪とぎも、ぐっしょり濡れていた。

いいよいいよ、ムギ。
どこでもいいから、どんどん出してね!

テントに戻ろうとしてきっとカラーがぶつかり、
奮闘したのだろう、
配置が派手にずれていた。

全部整えて、トイレも掃除して、
お薬を紛れ込ませて、手からカリカリを食べた。
うまく行った。

しばらくムギをかまって、戻って来ると、
ちまが、しょんぼりしていた。
お皿を見たら、カリカリを残してある。

ちまは食欲旺盛で、食べ過ぎるので、
いつもグラムを計って与えており、
足りないくらいの量なので、
食べ残したことはないのに。

床を見ると、吐いたあとがあった。

ああ、ごめんちま。
ちま、ごめんね。辛いんだね…。

どうしたらいいの?


辛いことにじっと耐えている、天使のちまちゃん。
きゅんきゅんゴロゴロと甘えモード全開のムギ。

もちろん、ちまを優先すべき。
それは、去年ムギを保護したときも、徹底した。

でも今、ちまは、
ムギがまた扉から部屋に入ってくるのでは?と怯えている。

ちまのほうがお姉さんだが、
オスで、怖いもの知らずのムギの存在は、脅威だった。
ちま、ありえないくらい怒った。

そんなちまちゃんを、見たことがなかったので、
毎日すごく苦しかった。

ちまには、ムギが病気だから、
しばらくの間、お風呂場に居させるだけだよと、
本当のことを話している。
時期が来たら、またムギはお外に行くから、
それまで、申し訳ないけれど、ちまお願い。

決して、絶対に、
このお部屋には入ってこないからね。
信じて。
絶対に大丈夫だから。


気がかりだったが、予定通りカウンセリングに行った。
ムギが退院したが、まだ心労が続いていることなどを話した。

帰りにはデパートに寄って、
バレンタインのチョコを購入。
ここ3年くらい、ずっと同じところのチョコにしている。
お年玉の残りで、自分のチョコも買った。

急いで帰って来る。
帰りの電車から、美しいグラデーションの夕焼けを見た。

ビルとビルの隙間に、いきなり富士山のシルエットが現れた。
なんてラッキー。
とっさに、ムギの健康を祈った。

駅から歩いていると、
空に、カミソリで切ったような、細い月が浮かんでいた。
とてもいいものを見た。

アパートを見上げると、
お風呂場に灯りがついている。
ムギがいる。
帰って来て、そこで生きている。

生きている。
素晴らしい。


まずはちまを撫でて、おかかをやり、
それからムギの様子を見る。
ムギは、テントの中で方向転換が出来ず、
テントに突っ込んだ体勢のまま、にゃう~と鳴く。

引っ張りだして、カラーをはずしてやる。
あと二週間もカラーを着けてなくてはならないのかと思うと、
不憫だ。

抱き上げると、軽くなったムギは、
膝にしっとりと絡むように落ち着く。

猫のこの、
しっとり柔らかで暖かい感じ、
ずるいよ。

しばらく抱いていて、餌をやった。
しっかり食べる。元気がある。

でも、オシッコは出てない。

CDという、お水を飲みたくなる餌だけを与えているので、
もっとお水を飲んで欲しいところだが、
カラーをしていて、うまく飲めないみたいなのだ。

夫に、シリンジを頼んでおいた。
抱っこして、口にお水を入れてみよう。

窓の断熱は正解だった。
こんな風の強い日だと、外から風が入って、
プチプチシートが膨らむのが見える。
あの分、断熱できているってことだ。

湯たんぽとカイロを入れているので、
充分暖かいだろうと思われる。


ムギにまたカラーをはめて、
テントに押し込んで、
手と腕を石鹸で洗い、
着替えてちまのもとに戻る。

お昼の、残したカリカリで、もう足りたらしく、
ちまはしょんぼりと寝ている。
不安のあまり、マカロンベッドに入ることもできない。

食事を終えて、ちまのそばで座っていた。
ちまにまた、絶対にムギは部屋には来ないから大丈夫、
と言い聞かせる。
シッポの先で返事をするちまがいじらしい。

子供を一人しか育てていないわたしには、
どうしたらいいか困惑する状況である。

数人、育てる人ってすごい。
尊敬する。

わたしみたいな性格では、一人しか無理だった。
むしろ、一人だから良かったのだ。


夫が、ムギに会いに来た。
ムギ、大喜び。
覗いてみると、また爪とぎの上に、
今度はたっぷりオシッコがしてあった。

ああ、良かった!
ムギ、出せたんだね。
うんうん、いいよ~。どこでしてもいいからね。

爪とぎに、除菌スプレーをかけて、外に干す。
とにかく、出てよかった。

夫はムギを抱っこしてしばらく過ごしていた。
ちまには会わずに帰った。


ちまの隣で録画した番組を見ていたら、
ちま、ちょっとだけ元気が出た。
特別に、かつおバーを手から与えた。
喜んで一本食べられた。

そうそう、ちまちゃんは、食いしんぼさんじゃなくっちゃね。


もちろん、ちまを優先する。
でも、ムギが死なないかと、わたしはまだ怖いのだ。

あっけなく死んでしまったゴンへの、
深い後悔と終わらない悲しみがある。

ぐったりして、ゆすっても動かなかったあの夜のムギ。
恐ろしい。

今、ムギは生きてる。
それだけでいい。
素晴らしいことじゃないか。

何も望まない。
ただ、生きていてくれないと、困る。

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最初につまづいた。

ムギが、晴れて退院してきた。
19日間もの入院だった。
長かった。
この日を迎えられて感慨もひとしお。

準備は万端のつもりだった。

帰宅したらまずムギを洗い、
夫に拭いてもらっている間に、
わたしもシャワーして、
それから浴室をタオルで拭いて、
浴槽にフタをして、
その上に、ムギの部屋を作る。

用意したバスタオルが貧弱すぎて、
夫がびしょぬれになるという失敗をまず犯した。
そうだ、猫はぬれるとすごいんだ。
ちまを洗ったことがないから、
忘れてた。

浴室をタオルで拭いて、
ムギの小屋に入れてあった、ドーム型ベッドを設置。
トイレ、爪とぎ、
お水、ご飯。

すべてOK。

ムギはまだ少し濡れていたが、もうタオルでは吸えない。
浴室のドームベッドを、ムギが見た。

ムギは、瞬時に状況を把握した。
去年、こうして保護されて暮らしたことを、思い出したのだ。
自分から、ベッドに飛び込んだ。
グルグル言った。


しかし、わたしは致命的なミスをした。

ムギの退院の時、残念なことに、
まだエリザベスカラーを着けなくてはならない、と聞かされたのだ。

今はまだ、ちんちん回りを傷つけないよう、
ザラザラの舌で、舐めないようにすることが必要だそうだ。

ああ、可哀相。
カラーが一番辛いのに。

ムギがベッドにこもってしまったので、
ごめんムギ、と言いながら、
引っ張り出して、カラーをはめた。

それでベッドに戻して、
わたしは部屋のほうで、ちまと食事した。

すると、ムギが呼ぶ。
居るのはわかっているので、大声で呼ぶのだ。

行ってみると、ムギ、敷いたタオルの上に
ちいちゃいウンコちゃんを二粒していた。

ベッドに戻ろうとしているのだが、
カラーが大きくて、
ドームベッドの入り口に当たってしまい、
自力で入れないのだ。

それで呼んだらしい。

これは困った。
可哀相だが、傷の養生のために、カラーはしないといけない。
でも、ベッドから一旦出ると、自力で戻れない。

夫と相談して、
仕方ないので、ベッドを普通のオープンなベッドに変えた。
ムギは嫌がって、ドームベッドに固執した。
気持ちはわかる。
そのベッドだからこそ、
自分の居場所なんだってわかったんだもんね。

無理矢理オープンベッドに入ってもらい、
湯たんぽと、カイロで暖房した。


用事があって、夫のところに行き、
二回目の相談。

浴室の窓を断熱しようということになった。

建物の中に、ユニットバスを組んでもらったのだが、
もともとあった窓を生かしてくれて、
窓の開閉ができる。
でも反面、そこから冷気が入る。

夫がアルミのシートを出してくれたが、
万が一、かじると有害なので、
プチプチシートを貼ることにした。

そして夫が、
「ねこのきもち」の付録でもらった、テントがあっただろう?と
思い出した。

あっそうだ、確か、先日片付けごとをしている時に、
あらこんなところに、と見かけたっけ。

夫に来てもらい、テントを捜索。
クローゼットで発見。

腰が痛い夫が無理をして、窓にプチプチシートを貼ってくれた。

テントは大きいので、中にベッドを仕込んだ。
上からはひざ掛けをかけて保温する。
中は、湯たんぽとカイロで、充分暖かいだろう。

ムギは手から、カリカリをけっこう食べた。
夫に撫でてもらってすごぶる上機嫌。

けれど、この、ベッドのドタバタが、
すごい失敗となった。

ムギ、オシッコが出せないのだ。

もう、膀胱が触れてわかるくらいに溜まっているのに、
ちょびっともらしたくらいで、
全然出せない。

退院間際、先生が、
環境の変化で、もしかしたらオシッコ出せないかもしれません、
と言っていた。

すんなり事が運んだら、
ムギ、もっと落ち着けたはずなのに、
失敗してしまい、
もう夜中なのに、まだオシッコを出せていない。

このままだと、
退院早々、通院することになってしまう。

せっかく退院できたのに…。
本当に、痛い失敗をしてしまった。
何とか、朝までにオシッコしてくれないか、
祈りながら寝る。

命を預かるということは、誠に重責だ。
楽観視してはいけない。


ちまは、ムギが鳴くので、事を理解している。
わたしは一生懸命ちまとのスキンシップもした。
ちまは、嫌だけどいちおう、認めてくれた。
ありがとうちま。

ムギが、歩きたがったので、浴室のドアを開けて、
好きにさせたら、
トイレに行って、そこにあるベッドを確認し、
次に、部屋に入る扉を、カラーの着いた頭で、
ゴンゴンした。

入るつもりがあるのだ。

去年、浴室でしばらく保護したのち、
部屋に入ったことを、ムギは覚えていた。

あわてて浴室に戻した。
ムギ、もうお部屋には入らないんだよ。
部屋にはちまちゃんが居るから、
ムギはこっち側だけね、と言い聞かせた。

ガラスに布を貼って視界をさえぎっておいて正解だった。
姿を見てしまえば、
絶対に穏やかではいられない。

去年、そうしていたように、
ちまは、布団から動かなくなった。
そこは最後の砦で、死守する場所なのだ。

来月、ムギに5種ワクチンを打つまで、
同居生活をする。

前途多難。
初日からもう、ぐだぐだのヘトヘトだ。


ムギはもともと甘えっ子で独占欲の強い子だが、
期せずして、入院したことで、
余計に甘ちゃんぶりが加熱した。

音がすると、気になるので浴室を覗く。
するとムギは、テントの中で、
くるっと仰向けになってゴロゴロ言い始める。

これがムギの処世術。
病院でも、看護師さん相手に、
これをやって、可愛がってもらっていたらしいのだ。


夫に、ムギは外に返す子なんだから、
かまい過ぎるなと言われた。

そうだね。
命さえ無事なら、生きててくれるならそれでいいから、
手をかけすぎるのは、良くないよね。
ちまの心を大事にしなくちゃ。

でも、甘え上手なムギに、心が乱される。

とにかく、明日、通院にならないよう、
ムギがオシッコしてくれることだけを望む。

ムギ、トイレじゃなくていいから、
オシッコ出してよ。
頑張ってムギ。

心配だよう。

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どうか天命を。

日曜日、ちゃんと体を休めたのだが、
月曜日は起きるのがしんどくて、とても辛かった。
ユンケルを飲むが、効果を実感できないくらい。

前の夜に夕飯の一品を作っておいた。
起きたらもう一品作る。
がんばれわたし。

マッサージを予約しておいて正解だった。
近所の、チェーン店ではない店なのだが、
上手な人が一人だけいて、いつも指名している。

その人は、月・火・水の16時までしかいないので、
早めに予約を入れないと、
都合のいい時間が取れないのだ。

もうヘトヘトなんです、酷いです、と言って、
じっくり施術してもらった。
華奢な女性なのだが、ツボをちゃんと心得ていて、
指だけでなく、肘や膝を使ってぎゅう~っとしてくれる。
至福の時間だ。

毎週受けたいけれど、今は月に二回。
軽くなって、バスに乗り、ムギに会いに行った。

今日は診察室に呼ばれた。
先生から説明があった。

ムギ、自力でオシッコ出せてるとのこと。
膀胱内の全部を出し切ることは出来ていないが、
これくらい回復したら、
退院して療養でいいそうだ。

今日だとちょっと急なので明日でもよいかと聞かれた。
もちろん!
夫はムギの退院の時は休みを取ると言っていたので、
火曜日の午後退院にしてもらった。


やっとこの日が来た。

でもこれを書いている今、まだ油断はしていない。
明日、ムギがわたしの家に来るまで、
ホッとしちゃいけない。

先月の20日からの入院。
命が危ぶまれる危篤状態だった。
ゴンの時の記憶が、ムギを救ってくれた。
ゴン、ありがとう。
ムギ助かったよ。

面会室にムギがやってきた。
つい今も、オシッコしていたという。
下半身を拭かれたのだろう、濡れていた。

ムギを抱きしめる。
ムギがゴリゴリ頭突きして喜ぶ。

ムギ、よく頑張ったね!
オシッコ、出せたんだね。
偉いよムギ。
明日、おうちに帰れるよ。
一緒におうちに帰ろう!

ムギは退院がなんなのかわからないまま、
わたしの顔をめがけてゴリゴリと押してくる。
のけ反りそう。
ムギ、力が出るようになったね。

手術もせず、回復してくれたのなら、こんな嬉しいことはない。
でも、膀胱内に小さな石があるのは事実みたいなので、
用心深く、観察しなければならない。

もし、オシッコ出てない、と気付いたら、
早めの来院をしてください、と言われた。


ムギ、長かったね、
毎日辛いことばっかりなのに、よく頑張ったよ。
偉いよムギ。

このあとは、ただ、頑張ってオシッコ出そう。
いっぱいお水飲んで、いっぱいオシッコしよう。
どこでオシッコ出てもいいようにしてあるからね。
もうママ、二度と怒らないから、どんどんオシッコしていいよ。

明日はカラーも外れて、包帯も外れて、
軽くなるよ。
静かなところでゆっくり眠れるよ。


いろいろやりたいことがあるので、
ちょっと早めにムギを返却。
ムギ、明日は面会じゃないよ、一緒に帰るんだよ。

そう言っても、ムギにはわからなくて、
いや~んと何回も鳴いた。

速攻帰って、ガレージに置いてあったムギのものを洗濯。
小屋の中にあったドームベッドも持って来た。

無事に、ムギを連れて帰って来られますように。
ゴンちゃん、ムギを守ってね。

ムギのものを抱えて持って来たみたいで、
ちまとラブラブしようとしたら、
ちまがわたしの服をめっちゃ嗅いで、
露骨に嫌な顔をした。

ごめん、ちま、匂うんだね。
すぐに着替えた。明日洗濯するね。

ちまをお腹に乗せて、目を見ながら、
ムギのことを話す。
ちまは、聞いてはくれたが、納得はしていない。

このところ、部屋からキッチン方面に出さないでいるので、
しきりに出たがる。
もう、ムギの匂いがしていると思うのだ。
だから、出さない。

ちまには申し訳ない。
また我慢をさせてしまう。
うまくいかないかもしれないけれど、
とにかく二人の目が合わないようにはしてある。


長かった…。
ヘトヘトだ。

股関節がおかしくなっているので、
ムギが落ち着いたら、接骨院に行こう。

テレビで、「ちま」という言葉は出てこないが、
「ムギ」というワードは時々聞く。
ムギとホップの、とか聞こえると、
ドキドキしてた。

中島みゆきさんの、「ムギは泣く」という歌もダメ。
「さよならわたしの猫」という歌もダメ。
泣いてしまう。

どうかどうか、
ムギがこのあと、もう具合が悪くなりませんように。
気をつけて観察して、大事にするから、
天命をまっとうさせてください。

お願いします。
お願いします。

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人との距離。

日曜日は、夫が午前中にムギの面会に行くので、
思い切って任せて、
わたしは休んだ。

目が覚めるまで、しっかり眠った。
ちまは、布団の隅っこに置いたマカロンベッドで寝ていた。

よく眠れて良かったのだが、
体中が痛む。
月曜日、マッサージの予約をしておいて正解だった。

今日は出かけないで、ちまとラブラブする。

ちま、毎日長い時間のお留守番なのに、
文句も言わずに耐えてくれている。
更に、ムギが退院になったら、
同じ屋根の下で、しばらく一緒に暮らす。

ちまは、ムギのこと、脅威に感じている。
昨年、一緒に暮らし始めた時、
天使のちまちゃんが、怒り狂う姿を見て、
とてもとても辛かった。

だから今回は、扉を隔てて、絶対に視界には入らないよう、
努力する。

ちまにも、今日話しをした。

でも、愛をどうしたらいいのか、
まだわからない。


わたしは、人との距離の取り方がわからないのだ。

親しくなって、気を許すと、
今度は踏み込まれすぎることに耐えられなくなる。

ちょうどいいバランスで、止まっていられないのだ。
人生で、いったいどれだけ失敗してきたことだろう。

いまだに人付き合いは、どうしたらいいのかわからず、
怖いので、
ラインを引いてしっかり踏みとどまっている。


とあるテレビ局の、局アナウンサーに、
知っている人がいる。

以前から、名前が同じだし、顔にも面影あるし、
ひょっとしたらそうかなあ、と思いながら見ていた。

局のホームページで、その人の経歴を見て、
あ、やっぱりそうだった!とわかった。


東京に来てマンション暮らしになって、
わたしは生協に加入した。
小さい子を抱えていると、買い物に行くのも大変。
週一回配達をしてくれるので助かる。

しばらくして、その生協の地域の会に来ませんか?と誘われた。
わたしは深く考えずに参加した。

そこで、親しくなった二人の人がいる。
一人は、三人のお子さんを持つ、Nさんという方。
もう一人は、車椅子の、Tさんという方。

Tさんは、若い頃、薬害で半身不随になられた。
リハビリのおかげで、手だけで運転する車に乗られていた。
Nさんとわたしは、呼ばれてよくTさんのお宅に行って、
お喋りしたりした。

息子も車椅子を押させてもらった。

Nさんの、息子さんが、そのアナウンサーさんなのだ。

Nさんのお宅には、よく息子は預かってもらった。
お兄ちゃん二人によくしてもらって、
屋根の上を歩く冒険をしたり、
嫌いだったトマトを食べられるようになったりもした。

Nさんのおかげで、息子は大人になれたのだ。
連絡先が、今はもうわからなくて、お礼が言えないが、
心から感謝をする。

愛は分けるものではなくて、
増えるものだと、教えてくれたのもNさん。

でも、一人しか育てていないわたしには、
まだわかっていない。


車椅子のTさんからは、よく頼まれごとをした。
わたしは働いてもいなかったし、気軽に応じていたのだが、
ある日、頭痛でふせっていると、電話があって、
同行を頼まれた。

頭が痛くて寝てるの、と言ったのだが、
Tさんは、
「あらそんなのすぐ治るわよ、すぐに来てね。」
と電話を切った。

わたしは、仕方なく、着替えてTさんのお宅に行き、
用事に同行した。

夕方から熱が出て寝込み、
翌日から予定していた、前夫の会社の慰安旅行に、
行けなかった。

わたしは、「すぐ治るわよ。」と言われたことに、
立腹していた。
本当は、はっきり断らなかった自分が悪いのだが、
それから、電話には息子を出させて、
彼女とは話すのをやめた。

Tさんはすぐ、Nさんに相談したらしく、
Nさんがうちに来た。
わたしが電話を拒否していると知って、
Tさんがせめて謝りたいと言っていると聞いたが、
わたしは頑として拒否した。

「すぐ治るわよって言われたの。」
わたしがそう告げると、Nさんは、
「そうよ、頭痛は治るの。でも、Tさんは一生治らないのよ?」
そう言った。

その通りだ。

そう考えられないわたしが未熟。
でももう、それまでのようには付き合うことができなくなってしまった。


こんなふうに、
わたしは大事な人を都度失って来たのだ。
Nさんのような、聡明で魅力的な人が、
今わたしの友達だったら、
どんなにいいだろう。

きっともっと沢山の気付きをくれたに違いない。


人との距離は、本当に難しい。
どんなに親しくても、超えてはいけないラインってある。

口を出すべきではないこともある。

諍いが嫌いだから、わたしは口をつぐむ。
思うことはいっぱいあるけれど。

Nさん、本当に魅力的な方だった。
縁があったら、またお会いしたい。

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ペースも配分もわからない。

とにかくしんどい。
もう完全に、オーバーワークなのだ。
うつ病を10年やっているから、わかってる。

でも、走る自分をどう止めたらいいのかわからない。

弱いくせに、何か事が起きると、必死になってしまう。
はたから見たら、無理をしてるとわかるのに、
わたしは自分を止められない。

ペース配分がわからないのだ。


土日は、しっかり寝たかったので、
夫には、
「起きたらメールで知らせますので。」と言って、
来訪を控えてもらった。

自分のペースを守れないと、潰れてしまう。
夫は朝5時に起きる人だ。
わたしは朝5時までには寝たいと思っている。
こんなに差がある。

だから、難しい。
わたしは別に誰にも自分のペースを強要しないし、
わたしも、侵されたくない。


ムギのことが心配でたまらなかったが、
疲れはピークに達しており、
久しぶりにぐっすり眠れた。

夕方4時からの面会に、夫と一緒に行く。
病院はとても混んでいた。

しばらく待って、ムギ登場。
すぐに体を触る。
うん、良かった、昨日よりぺしゃんとしていて、柔らかい。

看護師さんが、
ムギの蹴り蹴りクッション、オシッコで濡れてしまったので、
洗濯してるんですと言ってくれた。

洗濯だなんて、申し訳ない。
え? ムギ、オシッコ出せたんだね?

ムギ、自分でオシッコ出たんだ?
嗅いでみる。
うん、オシッコ臭い。
脚も濡れている。

いいぞいいぞ、ムギ、オシッコ頑張れたんだね?

ムギはパパが来たので大喜びで、
夫に顔をスリスリしてゴロゴロ言っている。

その姿を見て、泣きそうになった。
生きてるって素晴らしいね。
命の輝きってすごい。

ただ生きててくれるだけで、こんなにも尊い。

先生が来て、説明してくださった。
ムギ、オシッコ出せたけれど、
膀胱の圧力が弱いのか、
それともまだ尿道に炎症があって狭いのか、
全部の量は出せないとのこと。

自然にもれてる尿もあるそうだ。

でも、この調子で自力でオシッコできれば、
来週、一旦退院できます、とのこと。

ああ、そうなったらいいな!

病院にいるのでは、不憫だ。
カラーを着けられて、狭いケージの中で、
どんなに不自由だろう。

ムギ、頑張って、いっぱいお水飲んで、
いっぱいオシッコ出して、
おうちに一緒に帰ろう?
そしたら、大好きなパパに、毎日会えるよ!

ムギに何度も言い聞かせた。

カリカリを、喜んで20粒くらい食べた。
病院では頑として食べないそうだ。

ムギ、後半わたしにも気を遣ってくれて、
顔を舐めに来てくれた。
ムギの舌は、ちまよりもザリザリしていて痛い。
口の中に、鼻先突っ込んで来た!
ムギ、愛情わかったよ。


ムギがわたしのアパートに来る準備は進行中。
お風呂場の掃除が終了して、
今日はキッチンのフローリングとトイレを掃除した。

わたしは浴槽を使わないので、フタをして、
そこにムギのベッドとトイレと爪とぎを配置する。
これは去年、保護した時と同じ。

わたしがシャワーする時は、湯気で嫌がるので、
人間用トイレに居てもらう。
トイレが広いので、ベッドを置ける。

ちまと目が合うことがないように、
仕切りの引き戸のガラスには、布を貼った。

ちまがキッチン方面に出ないように癖をつけている。


ただ、心配なのは、ちまの心のケア。
目が合わなくても、声と匂いで、ムギの存在は歴然。
ちまに、どうしてやればいいか、悩む。

わたしは、一人しか子供を育てていないので、
愛情の配分がわからないのだ。

昔、子供が3人居る人に、
愛は分けるものではなく増えるものだと教えられた。

でも経験が無いので、
自分の中で、どう配分すればいいのか、悩んでいる。

ちまは文句なく可愛い。愛おしい。
天使ちゃんだ。
でも、ムギのけなげさに、メロメロでもある。

猫って、なんでこんなにかわいいの…。
ずるいよ。


日曜日は、夫が午前中に面会に行くので、
思い切って、わたしは休むことにした。

体も限界。
ちまと二人で、ちょっとだらだらして過ごそう。
ちゃんと休まないと、今後の二匹との生活、頑張れない。


ムギの失ったうしろ脚。
相当な手術だったと思われる。
排泄に問題が生じてもおかしくない。

人なれしているのに、ノラだった理由がそこにあるかもしれない。
ムギは必死に夫に近づいた。
手の届かないギリギリの距離で、
寝転がってお腹を見せ、
敵意はありません、と猛アピールしていた。

猫を飼うときは、人間が選ぶのではなく、
猫が飼い主を選ぶと言われている。
ちまも、夫によじ登ってその腕で寝た。
それが決め手となって、うちにもらえた。

ムギも、夫を選んだのだ。

また、お外で元気に暮らせるようになるまで、
しっかり療養させたい。

ムギが無事に退院できますように。

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「なんかおかしい!」と感じる。

朝、突き上げるような地震があった。

最近、また寝付くことが出来ずに苦しんでいる。
だから、地震があったときは、もう眠くて眠くて、
全然、避難できなかった。

金曜日は精神科通院。
電話で、診察時間を早めてもらった。
終わったらすぐ、ムギのところに行く。

起きる時間はアラームで設定してある。
けれど、腰を痛めて休んでいる夫が、いきなり部屋に来て、
起きざるを得なかった。

ドアの内鍵(チェーン)は禁止されているので、
いつでも部屋に入ってこれる。

地震どこ?と尋ねたら、
「揺れたの?」と聞かれた。

母屋は鉄筋コンクリート、象を屋上で飼える家で、
夫は一階にいるから、揺れはあまり感じない。
わたしのいるアパートは、なにせ昭和のアパートだし、
今、一階が空き家なので、ひどく揺れる。

電車が通るたびに、地震?と思うくらい、揺れるのだ。
それを先日、夫に話したら、
どういう精神か知らないが、
「潰れるよ?」と言ったのだ。

なので、
「そりゃここは揺れるよ。どうせ潰れるんでしょ?」と言っておいた。
潰れてもいいと思ってるってことだよね?


今日もユンケル投入。
毎日が必死だ。
気持ちは暗いままで、まさに満身うつ状態。

手足に力が入らない。
つまずいて転びそうで怖い。


病院でムギが入院したことを話し、
減薬は無理ということになった。

お薬をもらって、すぐに戻って来る。
バスに乗って、ムギに会いに行く。

今日もすぐ会えた。
先生が、「月曜日にカテーテルを抜きます。」と言っていた。

ムギ、今日も嬉しくてゴツンゴツン突進してくる。
まずは抱きしめて愛情確認。
それからブラッシングをし、シートで拭いてやり、
カリカリを手から食べて、
落ち着く。

ムギを撫でていて、「あれ?」と思った。
昨日までと、体型が違っている。

気のせい?と思い、
注意深く撫でてみたが、
やっぱり違う。
おかしい。

昨日までは、肋骨が浮き出ていて、
お腹はぺしゃんとしていたのに、
今日はお腹が出ている。

押してみると、固い。

昨日までのフォルムじゃないよ。

どうしよう…
入院しているのだし、大丈夫…?

でもでも、昨日までと明らかに違うよ。
スタッフさんでも先生でも、ここまでムギを撫でたり、
観察したりしていないはずだ。

あの夜、
これはおかしい!と勘が働いた、
それでムギを救えたのではないか。

やっぱり、勇気を出して言おう。
幸い今日は空いているし。

奥にいると思われる、担当の先生を呼んで、
来ていただいた。

ムギのお腹が昨日までと違って、腫れているんです。
そう伝えた。

すると先生は、
「今日、けっこうオナラをしていたので、それですかね~。」
とか言う。

…違うと思う。
これは母親の勘。

ここが特に固いんです、と場所を教えて触診してもらった。
すると、そこではなく、
「あれ、カテーテルがずれちゃってますね。」とのこと。

カテーテルが何故か外れてしまって、導尿できていないらしい。
オシッコが溜まってるそうだ。
仕方なく、急遽カテーテルを抜くことになって、
ムギは連れて行かれた。

本当なら、月曜日まで養生する予定だったのに。

抜いて、とりあえずまた連れてきてくださった。
ムギは再度、ゴロゴロ言う。
尿は、面会終了後、抜いてくれるとのこと。

ムギには、
「頑張って、自分でオシッコ出すんだよ? 
出さないと、おうちに帰って来られないよ?」
と言い聞かせる。

ムギ、オシッコ頑張れ、
ちょっと力入れて、じょろじょろ~って出すんだよ、と
繰り返し言い聞かせる。

でもでも、ムギのお腹の固さが気にかかる。
オシッコが溜まっている理由で、
こんなに固くなるのかな。

何か起きてるんじゃないのか。

もう誰も何も信用できない。
ムギはまだ、たった4歳なのだ。
出会ってまだ、一年なのに。
失うのは嫌だよ。


しつこいわたし。
きっと嫌われる。
でも、返す時に、もう一言だけ言おう。
後悔したくない。

歩いていた先生を呼び止めて、
もう帰りますけれど、ムギのお腹が明らかに固いんです、
と重ねて言った。
きっと面倒な親と思われた。
でも、この一言で、ムギが生き延びるかもしれない。

先生は、これから尿を抜きますから、とムギを引き取った。


ちまに、長い時間のお留守番をさせてしまった。
ちま、ごめんね、我慢ばかりさせてて。

ちまをお腹に乗せてラブラブしたら、
安心したのか、マカロンベッドに入った。

わたしは、黒い想念をぬぐえず、
お風呂場の掃除に取り掛かった。
ぼーっとしていられない気分なのだ。

今日は疲れているんだから、
そんなことしないで、ちまとゆっくり過ごせばいいのに。

案の定、ちまがベッドから出て、
にゃあにゃあ文句を言っていた。

ごめん、ちま。
またお腹に乗せてラブラブする。
またマカロンベッドに入った。


ムギ。
しつこく言ってしまったけれど、生きてて欲しい。
明日また行くから、必ず元気でいて。
約束だよ。

ひどい鬱状態。
とても辛い。

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覚悟を決めよう。

お昼過ぎに、
頑張って頑張って起き上がる。

すごくしんどい。
気分もふさいだままだ。
すぐ、ユンケル投入。
心が晴れるのは、いつになるのか。


母屋に、本日は何人夕飯を食べるのかを見に行った。
(キッチンのホワイトボードでわかる仕組み)
すると、玄関に夫のスリッパがない。

つまり、出かけていないということなので、
ノックして覗いたら、
腰痛で、寝ていた。
会社にたどり着けず、引き返して、病院に行ったそうだ。

しばらく前から腰を気にしていたが、
とうとう、ぎっくり腰になってしまったようで、
辛そうだった。

腰は、体の要だから、
動けなくなっちゃうんだね。
辛いだろう。


わたしは夕飯の支度をして、
母屋に持って行き、
それからムギの面会に行く。

今日は昨日みたいに混んでなくて、すぐ会えた。
ムギ、今日もすごい力だったよ。
自分の顔を、わたしの顔にぐいぐいと押し付けてきて、
わたしはのけ反った。

顔を押し付けて、ぐりぐりするので、
わたしは顔も前髪も、ムギまみれ。

一日で、ほんの少しだけ、カラーを外してもらえて、
家族に会える貴重な時間。
ムギ、落ちるよっていう端っこまで、ぐいぐい攻めてきた。

カリカリも、けっこう食べられた。
病院では、手からカリカリを受け付けないらしく、
ウェットの餌を強制的に、口に運ばれている。


カテーテルを入れてから一週間が経過した。
今日は担当の先生がいたので、説明があった。
やはり、朝、カテーテルを抜く予定をしていたらしい。

ところが、白血球の数がまた上昇し、
一日の尿の量も少なかったため、
大事をとって、処置は延期したとのこと。

またこのまま、二日ほど、様子を見るそうだ。
じゃあ、次の展開は、月曜日…。

不安になる。
様子を見ていても、膀胱の中の結石は無くならないと思う。
手術は、やはりしたほうがいいのではないか?

もしそうなら、早く手術して、早く退院したほうが、
いいんじゃないか。

色々考えながら夫ともメールを交わした。
そして、もし手術をするとしたら、という前提で、
先生にもう一度お話しを聞くことにした。

一度の開腹手術で、膀胱を洗い、
尿道をお腹に向けて作るのはどうなのかを聞いてみた。

すると、作った尿道からは、尿が漏れて不衛生になるし、
何よりも、細菌に感染しやすい。
そのせいで腎臓がやられてしまうと、
助けられない場合があるので、
やはり、時間がかかっても、
尿道の回復を待ちたいという診断だった。

わたしの又聞きの説明では、夫は納得しないので、
電話をかけて、先生から、夫に直接説明をしていただいた。

二度手間なのに、快く話をしてくださった。
夫も、大変納得した、先生の方針に従おうと言っていた。


これで、ムギの入院は、かなり長期になることになった。
可哀相だけれど、治って欲しい。
それを祈るしかない。

お腹にお守りを当てて、祈る。

退院できたら、少なくとも一ヶ月は、
わたしのお風呂場で、療養させることとなった。
夫とも話して、先生からも、最低一ヶ月は見てほしいと言われた。

ちまの心のケアさえ出来れば、
お風呂場に居てもらうことはいくらでも可能だ。

去年、ムギを保護した時に経験しているので、
それをランクアップすればいい。

本当は部屋が二つあればいいのだが、
残念ながら、一部屋しかないので、
今までどおり、部屋にはちまがいる。

ちまの生活のクオリティも向上させる。

水回り(キッチン・お風呂・トイレ)は、
部屋とは引き戸で完全に隔絶するので、
ちまは部屋から出さず、ムギを部屋に入れることはない。

目の届く時には、ムギがキッチンやトイレにも行けるよう、
片づけをする。
引き出しに全て収納する。

床に敷いているマット類は、今、順次洗っていて、
全部フローリングに戻す。

ムギのオシッコを完全に把握できる状態にする。
ムギがトイレを使わなかったとしても、
お風呂場やフローリングでなら、
尿の確認ができて、採取も可能だから検査にも出せるし、
逆に、出てない!とわかれば、
すぐ通院できる。


少しずつ、準備して、備えよう。

そして何よりも、ちまの心を大事にしよう。

ちま、夕べはマカロンベッドに数時間こもっていたが、
肝心の眠る時は、何故か外に出て、
わたしの体に乗っていた。
これじゃちまが寒いのに。

マカロンベッドで寝てくれたら、いいのにな。
今はまた、ぎゅうぎゅうに入っている。

今度はちまに、何をしてあげようかな。
くっついて過ごす時間は、当然増やしている。
ちまが快適であるよう、心がけたい。


長期戦になるとわかったから、
無理をしすぎないように、ちょっとだけ頑張る。
長続きすることが大切だものね。

命を預かるということは、責任が重い。

息子を育てている時も、緊張の年月だった。
この子の命をわたしは仮に預かっていて、
この子が自分の命を守れるようになるまで、
かわりに守らなくてはならない。

だから、息子が泳げるようになった時は、
ああ、これで一つ、「死」の危険が遠のいた、と安堵したっけ。

とにかく、わたしより先に死ななければいい。
多くは望まない。
元気で生きててくれたらいい。

ムギの命。
あと数時間で消える灯火だった。
それを救うことが出来たのだから、
守り通したいと思う。

ムギの運と生命力に期待する。
一緒に頑張ろうね。

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駆け足・猫まみれ。

ムギが入院して2週間が経過した。
あれから、毎日が駆け足である。

ムギの面会に使う2時間を、捻出しなければならないからだ。
テレビの時間は、極力減らし、
睡眠も少し削っている。

夕飯も、早い時間に慌てて作っているので、
おいしく出来ない。

ちまのことを、寂しくさせていると思うので、
ちまとラブラブする時間は、逆に増やした。


水曜日は、リウマチ内科の通院日。
検査が無かったので、予約時間ちょうどくらいに到着。
本を眺めて待つ。

一本2万円の注射が、よく効いていて、
手指は、かなりグーができるようになった。

ただ、口内炎が辛い。
これは薬の副作用だ。
トーストさえも攻撃してくるので、
先生に見てもらった。

注射がよく効いているので、
飲み薬を一錠減らすことになった。
それが口内炎対策。

診察を終えて、注射待ちをしていると、
探されて呼ばれた。
注射のお薬が、在庫切れだというのだ。

ええー。
だって今日注射することは半月前からわかってるはずなのに。
そんなあ。

午後には入荷するというので、
まあ、近所だし、ごねてもないものはないので、
一旦帰宅した。

少しだけれど、お昼寝をした。

起きて、また着替えて、ムギの面会の格好になり、
再び病院に行く。

直接処置室に入って行って、名乗って、
注射お願いしますー!と言った。
ちょうど、お薬が入って来たところだった。

本当は今日から自分で打つ練習をするはずだったのだが、
もういい、また次回。
ムギが待っている。

バスに乗ってムギの病院に。
けっこう人と小さい犬が待っていたのだが、
わたしがトイレに行っている隙に、
また患者さんがどんどん増えて、
広い待合室がいっぱいになった。

診察室が3つと、面会室が1つあり、
待合室もすごく広々とした大きな病院だが、
何があったのか、小さいワンちゃんたちでいっぱい。

諦めて、雑誌を読みながら待った。

わたしのように、長い面会をする人はいない。
なのでいつも、面会室を独り占めしている。


ムギは、今日はどうしたのか、
わたしに突進してきた。

頭をぐいぐい押し付けてごっつんこしたり、
顔をわたしの頬にすりつけて、大歓迎してくれた。
来ているのが匂いでわかってて、待ちくたびれたかな?
ムギ、ママだって会えて嬉しいよ。

それからブラッシングして、ウェットシートで拭いて、
カリカリの餌を見せたら、
ムギ、ちゃんと座りなおして、欲しいと言った。

手のひらから、今日はいっぱい食べられたよ。
痩せちゃったからね、いっぱいお食べ。

そのあとは、くっついてウトウト眠る。
この時間以外は、首に重たいカラーを付けられていて、
好きな格好で寝られないのだ。

7時までに薬局に行きたかったので、
時間を逆算して、ムギを返却。

先生に抱かれると、
ムギが、ダダをこねた。
「いやだいやだいやだ!」って、言っている。
ムギ、ごめんよ。
明日もまた必ず来るからね。

切ない気持ちのままバスで帰って、
慌てて薬局に駆け込む。
明日取りに来るので、と処方箋を置いて、
食べるものを買って帰った。

ちまが待っている。
服を着替えて、手を洗ったら、
まずちまをお腹に乗せて、ラブラブタイム。

それが済んでから、夕食。


ちまのために、アマゾンでベッドを買っていた。
それが今夜届いた。
写真では、どら焼き型だと思ったのだが、
届いてみたら、「マカロン型」だった。

ちいちゃーい。
しかも、底も丸くて不必要にコロコロしている。

これは、ちまちゃんにはちょっと小さすぎたなあ、と思いつつ、
まあ、試しにと、
ハンカチにマタタビを振ったものを仕込んだら、
ちま、まんまとマカロンベッドに入った。

そしてコロコロと転がった。

笑っちゃったよ。
お尻がはみ出て転がるんだもん。

一緒に寝られるように、布団の角に設置してやった。
すると、すっかり気に入って、
ご飯の時間も忘れて、
そのちいちゃいマカロンの中に、
ぎゅうぎゅうに入っている。

ちま、超かわいい…。
ぎゅうぎゅう詰めの猫ってたまらない。

狭いところが好きとは言え、かなりちいちゃいけれど、
気に入ってくれて良かった。

というか、今まで、ちまの背中が寒い問題について、
考えなかったのはわたしの落ち度。

これで、お布団で一緒に寝ても、ちまだけ寒いってことはなくなるね。
うれしいうれしい。

完全に猫まみれの、駆け足の日々。

明日、ムギの今後をどうするか、判断があると思う。
早くムギを楽な生活にしてやりたい。

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赦し合える関係。

付き合っている時は、
お互いに、強烈に求め合い、
与え合う。

その授与バランスがうまくいけば、付き合っていける。

でも、結婚して、一緒に生きて行くとなると、
もっと大事なことが出てくる。

それは、
「赦し(ゆるし)合う」ということだ。


わたしは、「支え合う」ということが、大切なのかと思っていた。
でも、どうやらそれは違う。

もちろん、支え合いが出来ている夫婦は素晴らしい。
でも、わたしが最も切望するのは、
「赦してもらう」ということなのだ。

こんな、何にも出来ない存在があることを、
赦してもらう。
一銭も稼がず、ただ消費するだけの自分を、
赦してもらう。

わたしは、赦しが欲しいのだ。


猫は赦されている生き物だ。
何にもしてくれなくていい。
ただそばで生きててくれればいい。

たまに一緒に寝てくれたり、
たまに舐めてくれるだけで、嬉しくて感謝。
猫は、そんな存在。

これが人間となると、
何にもしなくていいからただ居て、とは思えないだろう。

どうしても要求は出てしまうし、
その要求が達せられないと、不満を持ってしまう。

人間とは、欲深い生き物だ。


ムギは、今日も特に変化はなく、様子見をしている。
午前中、夫が少し会いに行ったそうだ。

わたしは夕飯を作ってから、
夕方会いに行った。
昨日と同じく、あらかじめカラーをはずして連れてきてくれた。
ありがたいお気遣い。

ムギはカピカピで匂うので、
ブラッシングを入念にして、ウェットシートでくるくる拭く。
ゴロゴロ言ってくれているので、きっと気持ちがいいんだよね。

カリカリが入った袋を見せて嗅がせたら、
食べたいというので、
手で与えた。
昨日より沢山食べたよ。

そのあとは、まったりタイム。
手のひらを枕にして、すぴすぴ眠る。

ムギの寝顔をただ見つめている。
まだ、治療方針がわからない。

でも、お腹の毛を半分も剃られて、
爪も深く切られて、
痩せてしまったムギを、
退院して、すぐにお外に返すことは危険だ。

ノラ集団に襲われたら、きっと怪我をするし、
何より、オシッコの管理ができない。

だから、去年、ムギを保護した時のように、
お風呂場で、療養させられないかと思っている。
わたしは浴槽を使わないので、蓋をして、
ベッドを置いて、トイレも爪とぎも置ける。

湯たんぽも購入済み。
カイロと併用すれば、けっこう暖かくしてやれると思う。

トイレ失敗しても、お風呂場なら、したってことを見られるし、
採取も可能だ。

オシッコがちゃんと出ていて、
爪が伸びるまで、世話できたらいいなあと思う。
夫に相談中。

面会を終えて、ムギを看護師さんに渡した。
ムギ、痩せて脂肪もなくなり、ずいぶん軽くなった。
悲しい声で何度も鳴いた。
別れは辛いね。
ムギ、明日も来るから待っててね。


ちまは、ゆうべもくっついて寝ていてくれた。
自分のベッドのほうがきっと暖かいのに、
寂しさを埋めたくて、くっついているのか、
わたしを癒してくれるのかわからない。

ちまは、天真爛漫で、機嫌のいい猫だ。
明るくてフレンドリー。

そんなちまに、わたしは余りにも甘え過ぎて来た。

ちまだって寂しい。
ちまだって我慢している。
言わないだけで、ちまだってくっつきたいのだ。

テレビをつけないで、ちまとくっついて過ごす。
じっとわたしを見つめる。
シッポで返事してくれている。

ちま、寂しい思いさせてごめんね。
甘えてばかりいてごめんね。

ちまは、わたしを赦してくれている。
だから文句も言わず、手や顔を舐めて癒してくれる。


今日は、ちょっとした出来事があって、
夫とハグをした。

こうやって、赦し合おう。
それは、夫婦にしか出来ないことだ。

こんな自分でも赦されると思えば、
やる気が出る。

否定されると頑張れない。
わたしの場合、頑張りすぎは良くないが、
赦されることは、最も必要なことだとわかった。

求め合うだけの関係は、疲れてしまう。
赦しがあれば、生きていけると思うのだ。

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辛い辛い辛い。

考えてしまうことが多すぎて、
ぐるぐる・ぐるぐる。
寝付けない。

寝られないことが更にストレスとなり、
心臓がバクバクする。

「救心」を5~6粒飲んだが、効かない。

あれ?
睡眠薬、飲んだっけ?
飲んだ記憶がない。

朝4時半、起き出して確認すると、
寝る前のお薬一式を、飲んでなかったことが発覚。
そりゃ寝れないよ。

薬を飲んで、朝、ようやく寝付いた。

当然、起きるのが辛い。
夕飯作ってから出かけなくちゃいけない。
時間がどんどん迫ってくる。

気力を振り絞って、起き上がり、ユンケル投入。

夫から、大根を煮たのがあるから、一品でいい、と
メールをもらっていたので、
解凍してしまったイカを使って炒め物を作った。

味見せずに、母屋に持って行って盛り付けた。
帰宅して自分が食べたら、まずかった。

こんな精神状態では、
美味しく作れないし、
何を食べても美味しいとは感じない。


ムギは、あらかじめ首のカラーをはずしてもらって登場した。
今日は、腎臓病の子が食べていいカリカリを持参している。
食べさせていいかを確認した。
持参してると言ったのだけれど、病院から、試供品と器を出してくれた。

まずはムギを綺麗にする。
カラーを着けたままで、
ウェットの餌を強制的に口に入れられているので、
アゴやほっぺがカピカピに汚れている。

ペット用シートで拭く。
首輪にも餌が貼りついたままで匂う。
可哀相に。
猫は綺麗好きなのに、毛づくろいすらできない状況なのだ。

ブラッシングも、体拭きも、ムギはゴロゴロ言って喜んでくれた。

カリカリを手に乗せて、ムギに近づけた。
ムギはすぐに食べた。
カリカリと噛む音がしない。丸呑みだ。
ムギ、ちゃんと噛んでよ、と言いつつ、
合計10粒くらい食べて、もう足りたようだった。

ムギは痩せて、一回り小さくなった。

白血球の数値が落ち着いていて、今日は特に問題なし。
療養中というわけ。

ひとしきり世話をしたあとは、まったりくっついて過ごす。

ムギはしぶしぶだが、現状を受け入れて耐えているので、
頑張っててえらいよ、と褒める。

ムギはやがて、すぴーすぴーと鼻を鳴らして寝た。
わたしの手のひらを枕にしている。
夢を見て、ぴくぴく動いている。
いい夢だといいな。

ムギは今、きっと自由も愛情もいっぱい欲しいだろう。

寝ているので可哀相だったが、
やがて面会を終了にした。
看護師さんが、連れに来ると、
ムギは悲しい声で鳴く。

今日は何度も鳴いた。
もっと一緒に居て、と言っている。

ムギごめんよ。
辛いね。ママも辛い。
ムギ、狭いケージでさらにカラーを装着されているから、
苦しくて辛いよね。

ムギと離れるのはとても辛い。


しかし、わたしにはちまが待っている。
足音を聞いて、玄関を開けたときにはもう、ガラス戸の内側で、
にゃあにゃあ鳴いている。

その姿を見ながら、ムギ臭たっぷりの服を一式脱いで、
手を石鹸で洗ってから、部屋に入る。
消せはしないと思うが、ちまへの心遣いだ。

まずおかかをやって、自分がシャワーする。
病院内が暖かくて、可能な限り脱ぐのだが、
汗をかく。

それから、洗濯機を回して、
ちまにカリカリをやり、自分も夕飯を食べる。

洗濯物を干して、食器を洗って、
ちょっとテレビを見た。

ちまが、暖かい部屋でリラックスして眠っている。
ちまのお腹は、はげていて、ピンクだ。

あまりにもそのピンクが可愛いので、
寝ているお腹に吸い付く。

ちまは、あたたかくて、しっとりしていて、おいしい。
メープルシロップのような甘い香りがする。
猫を吸うほど愛している。


ちまが大好きだ。
ちまがいるから、生きていられる。
ちま無しの人生が考えられない。

ゆうべもわたしを気遣って一緒に寝てくれた。
ちまが大切だ。

でも、でも、
ムギのことも、可愛くて仕方がない。
ムギはけなげで、忍耐強くて、頑張って生きている。

わたし、どうしたらいいの?
わからないよ。
今のこの精神状態、辛い辛い辛い。

自分が一人っ子だし、
自分は、一人しか子供を育てていないので、
複数に対して、どう愛情をかけたらいいのかを、知らないのだ。

わたしは、息子だけで良かったと思う。
息子の下に、もうひとり子供ができてたら、
きっと、息子の繊細な心を守ってやれなかっただろう。


ムギは依然、楽観的状態にはない。
今は、期待をこめて様子見をしているが、
今週中に、何らか、次のステップに進まなくてはならないだろう。

今、いろいろ考えても仕方がないのだが、
寝付けなくてぐるぐる考えてしまっている。
結果、さらに寝付けないのだ。


寂しいとは言わないちま。
痛いとは言わないムギ。

二人のことを、心から愛している。
でも、二人は一緒には暮らせない。

辛いよう。

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潰れてしまう。

入眠剤を、ハルシオンに変えてもらってから、
順調に寝付いていたのに、
ムギの件で、
また寝付けなくなっている。

日曜日はムギのいる動物病院は休診。
面会は受け付けてくれるが、電話で予約しなくてはならない。

早く起きて、電話しなくちゃと思うと、
寝られない。

そもそも、うつ病で電話が大嫌いなわたしが、
なぜ電話をしなくちゃならないのか。
夫がしてもいいのではないか。

ちまも、ムギも、大切なうちの子だけれど、
ちまの面倒をわたしが見ていることを考えれば、
ムギのこと、
もっと夫に頼ってもいい気がする。

平日に会えなくて、面会に行っているわたしに嫉妬するわけだから、
じゃあ、土日は夫に任せるのもいい。
二人で行っても、どうせムギはパパ一直線なのだし。

頭の高さを変えるだけで目まいがするし、
目もかすむし、
股関節が痛くて歩くのもしんどい。
ちょっと休みたい。

日曜日は、夫に面会に行ってもらおうと決めたら、
やっと朝方寝付くことができた。


それでも約束の時間には起きて、
夫に、わたしは目まいがするし、行けないから
あなたが行って来て、とメールした。

ちまが、毛布にもぐって密着して寝ている。
そのちまを放り出して、ムギに会いに行くのも、
違うんじゃないかと思った。

ムギが倒れてから、ちまは毎日毎日、お留守番ばかりなのだ。

メールを読んで夫がやって来た。
時間が少し後でもいいから行こうと言われた。
わたしは、断った。

すると、カーテンを開けられた。

調子が悪くて寝ていると言っているのに、
なんてことをするんだ、とびっくりして、
さすがに我慢せずに、開けないでと伝えた。
ちまは毛布から出て来てしまった。


ムギが倒れてから、一日も休んでない。
ちまにも毎日お留守番をさせてばかり。

今日ぐらいは、一緒に寝ようね。

夫が車で出かける音を聞いて、また眠った。
ちまはわたしの上にずっと乗っていた。


午後、起きて、
夕飯くらいは作らないといけないと思い、
夫にメールをした。
また夫が来て、母屋の子供たちの動向がわからないから、
鍋にでもすると言われた。

わたしが口出しすることではないが、
まったく家事をやらない子供たちである。

夫はムギに面会に行って動画を撮ってくれて、見せてもらった。
ムギ、やはり疲れているのか、眠っている動画だった。
すぴーすぴーと、鼻が鳴っている。
かわいい。
重たいカラーが辛い生活だと思う。

起きて、洗濯をして、
ずっとしてなかった部屋の掃除をした。
と言っても、クイックルでホコリを取って、
ウェットで拭くだけ。

これが、なかなかできずにいたのだ。


一日休んだことで、
確かにちょっとは体が休まった気はする。
何より、一日ちまと一緒に居てやれて、良かった。

風邪を引くといけないから、ビタミンCを飲んでいる。
ユンケルも買って来てもらった。

ムギは、まだ予断を許さない状態だ。
手術はしなければいけないと思われるし、
退院後の生活も考えてやらねばならない。

まだまだ、わたしは頑張らなくてはならない。
でも、だいぶしんどくなってきた。


昔、うつ病を発症した引き金。
それは当時付き合っていた人が、逮捕されたことだ。
あの時もわたしは、必死に毎日面会に通っていた。
朝、拘置所に面会に行ってから仕事に行き、
帰宅してから家事をやり、手紙を書いていた。

合間に裁判があり、自己破産があった。

その生活を三ヶ月間続けて、体が壊れた。
その人が拘置所から刑務所に移送になり、
わたしの体は大出血を始めたのだ。


弱いくせに、必死になる。
それがわたしだ。

そして、降参してしまう。
やり遂げられない。
ダメな人間なのだ。

今はそうとわかっている。
だから、潰れる前に、セーブしなくてはいけない。

ムギの書類だって、わたしがではなく、
夫にサインしてもらえば良かった。
もちろん、わたしが書くの? 書いていいんだね?と確認した。
けれど、署名一行で、とんでもない責任を追及されそうだ。

あの夜は、署名して処置してもらわなければ、
ムギは死んでいたのだ。
それを忘れて欲しくない。

クレジットカードだって、
夫が一緒に居る前で、わたしが使うのは本当は嫌だ。
だってわたしが払えるわけじゃないから。
夫はなぜか、わたしにやらせる。
なぜだろう?


ずっと、言えないで我慢していることが色々ある。
カーテンやテレビのこともそう。

一つ一つは些細なことだが、
不愉快が積み重なるのは、いい結果を生まない。

嫌なことは、ちゃんと嫌だと言おう。
じゃないと、今は、潰れてしまう。
切り離さないと、頑張れないよ。

                                          伽羅moon3

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