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繋ぐ手が恋しかった。

ねこたちが居てくれるおかげで、ひとりで暮らすことが寂しくて困るということはない。
でも、手が寂しかった。

わたしの足元がおぼつかないせいもあって、わたしは夫といつも手をつないでいた。

手を繋ぎたかった。
誰かと、ではなく夫と手を繋ぎたいと思った。
他の誰でもなく。


土曜日起きてみると空気は澄み爽やかな風のある秋らしい朝だった。
お墓参りに行ってないなあと思った。
お彼岸のときと、前妻さんの亡くなった10月にはいつも夫とお墓参りに行って、散歩しながら歩いた。それを強く思い出させる日和だった。

お墓参り、行こうかなあ。
…夫と行きたいなあ、と思った。
そして、全くもって身勝手で気まぐれな恐ろしい女である…。
夫にメールをしてみた。
しばらくして、床屋の帰りですと返事が来た。
お墓参りに行きたいんだけど一緒に行ってくれませんか?
そうメールすると夫はかなり戸惑っていた。
顔も見たくないのに?と…。

わたしは夫のことを嫌って別居をお願いいたのではないし、顔を合わせられない・会えないと言ったのは顔も見たくないという意味ではなく、夫の感情を受け止められないからだ。
けれども夫は誤解していたようだった。

お彼岸にお墓に行けなかったし、今日は気分がいいので、気まぐれで申し訳ないけれど行きたい、と告げると、夫は承諾してくれ、さらに外でランチをしようと誘ってくれた。

わたしはすぐに着替えて支度をして出た。
夫を、一ヶ月ぶりに見た。
駅の近くのラーメン屋さんで食事をした。
フリマに出たときの話などをした。
店を出て花屋に向かうとき、わたしは夫の手の中に自分の手を滑り込ませた。
夫はちょっと驚いて、すぐにしっかり握ってくれた。

リンドウやトルコ桔梗の花束を二つ買って、お墓に向かった。
ずっと手を繋いで歩いた。

繋ぐ手は、夫だけだと思った。
この人と夫婦なんだと思った。

お彼岸のときのお花のうち菊だけはまだ元気だったので、夫が菊を残して他の花を整理し、新しくリンドウとトルコ桔梗を挿した。わたしはお墓にいっぱい水をかけた。
(前妻さんの)祥月命日まで持てばいいねと言いながらお参りをした。
わたしはその日は行けるかどうかわからない。
恐ろしく気まぐれで身勝手だから…。

来たのとは違う道を、草花や木を眺めながら歩いて戻ってきた。風が気持ちよかった。
ずっと手を繋いでいた。
身勝手すぎるけれど、わたしは安心した。
夫がいるということに。
お互いに気にかけているということに。
姿は見なくても音が聞こえるところに生活していることを幸せに思った。


好きだと思って結婚したはずなのに、わたしはそのことさえ思い出せないくらいに混乱してしまった。
あのままでは崩壊してしまっていただろう。
じっくり時間をかけて、カウンセリングに一生懸命通い、転院になったら病院にも一生懸命通い、諦めないで少しでも良くなりたい。
少しでも、いいわたしになりたい。

待っていてね、と夜夫にメールをしたが返事はない。
彼は彼で思うところがいっぱいあった一日だったと思う。
またデートしようね、と身勝手なわたしは書いて送った。

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