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真っ白だった手帳に。

うつを発症する寸前まで、わたしは自分の手帳やカレンダーが予定で埋め尽くされていることが好きだった。
仕事、病院、美容院、友だちと食事、飲み会、研究会、会合、締め切り…。
そうやって隙間なく自分をがんじがらめにしていたかった。

止まったら倒れる、と、わかっていたのかもしれない。

おとといは体調がわるくて一日もうろうと寝てしまい、夜中に起きたのでお昼までにいろいろ用事をやって午後寝よう!と思って張り切っていた。

ところが、朝ごはんを食べて満足したとたん、急激なうつの大波がザッブーンと来て、あっけなくわたしは飲み込まれてしまった。
注文品の発送に行ってこなくちゃ…
たまった洗濯を今日こそしなくちゃ…
3日が締め切りの作品を作って、撮影して写真を取り込んでちょっといじって、文章書いてデータ送らなくちゃ…
スーパーに行って食材買わなくちゃ…


何にもできない。できないよう。
洗濯機に洗濯物と洗剤を入れるまでならできる。
でも、干すのは無理…なら中途半端にやってはいけない…。
辛い。なんでいつも予定はこなせないんだろう。
泣きながら横たわっているとたまたま夫からメールが来たので、
「ごめんなさい、今日もだめです」と謝った。

住んでもいないこの部屋のゴミまできちんと整理して出勤のときに捨てて行ってくれる夫。
今日は遠くまで日帰り出張で疲れているのに、夕飯を買ってきて準備してくれた。
軽く食べてまた眠りに落ちるわたし。
さっき起きてみたら、食器は洗ってあり、洗濯もして干してくれてあった。
ありがたい…
こんな嫁なら居ないほうが楽だろうに…。
ごめんよ夫…。


心理研究所の所長さんが言っていた。
カウンセリングのために、着替えて、電車に乗って、出かけてきてもらうことが重要なリハビリになるんですと。
たしかに引きこもりのわたしは人にはみせられないような、あられもない格好で一歩も外に出ずに暮らしている。
けれどこれからは週に一回、着替えて鞄を持って電車に乗って乗り換えて、カウンセリングに行くんだ。
いまや病院に行くことが苦痛でしかなくなっているわたしには、カウンセリングはエステと同じくらい楽しみなことだ。(エステには行ったことがないけれど。)

それで出かけることが苦痛でなくなればいいな…。
せめて安売りのスーパーに行けたらいいな…(でも人がいっぱいいて怖い…。)

まっしろだった手帳に、ぽつんと予定が書き込まれた。
来週水曜日、担当カウンセラーさんとの初対面です。

                                            伽羅moon3

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コメント

diamond海野さま。
初めて書き込んだとのこと、ありがとうございます。一人でずーっと苦しんでいらっしゃったんですね。お辛かったでしょう、そしていまも苦しいこととお察しいたします。そうですね、本心をさらけ出すのは恐ろしいことですよね。でもここでは匿名でいいので、よかったらどんどん書いてください。
わたしもうつ病とわかるまで1年半も、大学病院の外科と脳外科以外は全部回りましたよ。そう、婦人科・泌尿器科・皮膚科・内科・耳鼻科…。ようやく精神科に回されうつ病とわかったときはホッとしました。合点がいったからです。
今でもわたしは過去の嫌なことを繰り返し思い出しては改めて恨んだり怒ったり消えたくなったりしています。もう過去のことだからいいじゃないかと思えないんです、きっと海野さんと同じですね。
わたしも自分の母が嫌いです。自分の親を嫌いだなんていけないんじゃないかと当初は苦しみひた隠しにしていました。でもたまたま親子であるけれども人と人ですから合う合わないがあって当然なんですよね。
海野さん。わたしはお役には立てないかもしれませんが、吐き出す場所を持つことは有効だと思います。ここでよければお使いください。同じような苦しみをもって居る人がいっぱいいるんです。あなただけではありません。
どうぞ、よかったらいつでもおいでください。
コメントありがとうございます。

投稿: 伽羅 | 2010年9月 5日 (日) 01時40分

こんにちは、この度のブログの内容に、自分と共通する所が、あると思われ、初めてブログを、書きます。
私の、病名は「非定型うつ」です。症状は、平成12年頃から、現れ、入退院を、繰り返し現在も、完治していません。
治療の方法に「カウンセリング」を、薦められられましたが、自分の心の中を、他人に見せるのが、怖くて、受けていません。
私も、人と付き合うのが苦手です。
当然、友達は、一人もいません。
友達らしきものは、できるのですが、その人に合わせている自分に疲れて、小、中、高、大学、会社等、友達が、できても、表っ面だけの、付き合いで、心を許した友は、いません。だから学校を卒業すると、それで終わり会社が変われば、それで終わり。
何でも、人に合わせているだけで、自分を、曝け出すのが怖い、人に、どう見られているかが、常に気になる。
他人と一緒に、行動するのが嫌、しかし、見た目は、とても、ほがらかで、だれとでも、友達になれる良い人、そんな自分を、演じられていたのに、急に体に、不具合が、生じてきた。
最初は、「うつ病」と解らず、目の症状は、眼科へ、お腹の症状は、内科へ、耳の症状は、耳鼻科へと、ドクターショップを、しておりました。
けれども、どこでも「所見無し」と、言われ、なんの病気だか、わかりませんでした。
最後に、精神科を、紹介されましたが、治療に納得が、いかず、病院を、3回変え、現在に、至っております。
実は、私もいつも過去の嫌な事を、考えていて、その時の事を、リアルに追体験して、その人を、恨んでおる毎日です。
それに、父の事が、嫌で嫌でしかたがない、話だすと、脳にシャッターが閉まる、それでなければ、父のしゃべる、一言一言に、心の中で、反論しています。
悪人の、後妻の、言いなりになっている父が、許せない。
この病気になって、8年、今でも入退院の繰り返し。
はじめて、自分の、心の中を、他人に、明かしました。
これで何かが変わるのでしょうか?
藁にでもすがる気持ちです。

投稿: 海野 爵 | 2010年9月 4日 (土) 23時11分

diamondblackrobinさま。
きてくださって嬉しいです。そしてもったいないようなお言葉、ありがとうございます。恐縮しちゃいます。blackrobinさんも同じでしたかー。手帳が白いのがいやだったんですよね。ぎちぎちに予定を詰め込んでないと不安でした。いまはうつ病に慣れて、予定がないことをありがたく思えるし、カウンセリングに出かける用事が出来たことは、うれしく思っています。行く先の駅前にデパートがあるので、そのうちお一人さまランチを楽しめるようになればいいなって思ったり。そういうことって、心の栄養になるんでしょうね、きっと。
いいところにめぐり合えて幸せです。この幸せをおすそ分けしたいと思っています。ありがとうございます。また来てくださいね。

投稿: 伽羅 | 2010年9月 3日 (金) 03時30分

伽羅さん、

お邪魔するの、二回目です^^
わかります!真っ白な手帳!!
そして私もうつを患っていた時期の手帳は本当に本当に真っ白でした。
そうなんですよね、なんかいつもの調子なら、あの手帳にどんどん予定が入っていくのが
快感というかそれでないと駄目だという脅迫観念というか。。。
うつって本当に自分も今まで見えてなかった自分が見えて勉強になりますよね。

それにしても伽羅さんって本当に責任感のある方なのですね。
うつ状態でもそこまで「あれもこれも。」と考えられること自体でもう十分すばらしいと思います。
私がうつ病の時なんて、ひたすら両親、ボーイフレンドにわめいて、頼って、
自分は赤ちゃんに戻ってしまったのではと思う毎日でした。
だからどうか自分を責めず、頑張りすぎず、毎日をこつこつと生きてください。
いいんですよ、なにもできなくても。
伽羅さんは今うつを患っていて、たしかにそれは癌などと違って外から見えないため、
他人から認知されづらいですが、病気は病気なんです。
伽羅さんの今の唯一の仕事はしっかり休んで、心に栄養を与えることなんですよ。

伽羅さんは、ご主人様は伽羅さんがいない方が楽とおっしゃっていましたが、それは違うと思います。
愛する伽羅さんがいるからこそ、その伽羅さんを守るために毎日旦那様は頑張れるのだと思います。
だからどうかそのようなことは思わないでください。

一週間に一回、楽しみが見つけられたようでよかったですね★
緊張することもあると思いますが、どうか無理をなさらずゆっくり進んでいってください。
応援しています。伽羅さんは十分立派に生きてらっしゃると思いますよ。

vblackrobinv

投稿: blackrobin | 2010年9月 2日 (木) 19時37分

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