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秘密の逃げ場所

大学病院で処方された薬を飲んで、3日で出血はほぼ止まりました。

その週末、グループの飲み会がありました。
わたしは、自己破産が認められて送られてきた
「免責許可決定書」と、自分の病状を書いた紙をメンバーに回しました。
破産の件は、無事に終わったということをみんな喜んでくれましたが、病状については鎮痛でした。とにかく再来週の結果しだいなので、なんとも言えません。
わたしとしても。会のみんなにこれ以上経済的な迷惑をかけるのは辛い。
摘出を免れるよう祈るしかありませんでした。


日曜、ふと気が向いて、わたしはNさんの誘いに応じました。

会うのは気まずく別れた3月以来、4ヶ月半ぶりでした。メールでのやりとりはしていたため、彼からは四六時中誘われており、いちいちそれを断るのも不愉快だから、誘わないでくれと言ったくらいです。
それがどいうことだか気が向いて、逢う気になったのです。

どうして逢う気になったのだかわかりません。

その日わたしはNさんに抱かれました。
彼氏を裏切っているとか、罪の意識とかはありませんでした。
このまま女として朽ちていくのは怖い。もしかしたら子宮も卵巣も失うかもしれないのだ…。

わたしは、自分が女であることを感じ取りたかったのです。誰かに抱きしめられて愛されたかったのです。
彼氏がいなくなってから、誰にも愛されていない体でした。
Nさんは、丁寧にやさしく扱ってくれました。
耳元で、好きだよ、綺麗だよと囁いてくれました。

わたしのかいつまんだ、もしくはやや架空の説明をきくだけで、追求はせず、やさしく包んでくれました。
Nさんは、わたしの
逃げ場でした。
彼の前では違う自分でいられました。
仕事の喜びも愚痴もよく聞いてくれました。

その後ときどきわたしはこの
駆け込み寺を利用しました。女としての自分を確認することも癒しでした。
そうすることで、不安や恐怖や煩雑な世界にいる自分を、やっとのことで支えていました。
自分をどうにか支えて行かなければ、彼氏を待って迎えるなんて無理です。
わたしは、Nさんの恋心を利用したのでした。


それからわたしの子宮は排出を止め、おだやかな小康状態を得ることとなりました。

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