動いてはいけない。

夫がいつもお昼休みにメールをくれます。
「具合はどうですか?」というメールです。

6月・7月と、「今日は元気です。」というメールはほんの数えるほどしか返していません。
布団を畳むヒマもないくらい寝ている日が多いです。

今日はまたひどく朦朧で、まちがった文章を送っているので、調子の悪さを夫は目でも確認できたことでしょう。

2時過ぎだったか、トイレに行きたいし薬も飲んでない…と思い、混濁したまま上体を起こしてから、「ぐにゃりさん」が来ていることに気がつきました。
わたしはつんのめってスッ転び、引き戸に頭をぶつけて転がりました。

あああ。
今日は動いてはいけないという指令かあ…。

ハイハイをしながらトイレに行って、ぐらぐらしながら用を済ませ、立ち上がるのは出来ないので立てひざでコップに水を汲んで薬を飲みました。

ねこたちは静かにそれぞれ寝ています。
わたしも再び眠りました。

他の症状ならなんとか動くくらいは動けますが、めまいだけはいけません。
『今日は動いてはいけない。』という、脳からの最終警告です。

次に目覚めたのが夕方5時。
まだグラグラですが、ねこたちがかわいそうで、這いながらフードをやり、トイレの掃除をしました。
そしてまた薬を飲んで撃沈。

夫が帰って来て、夕飯を用意してくれた8時半まで眠り続けました。
起き上がるときはグラグラだけど、椅子に座ってこの日初めての食事。

 …やせられるかな。

お葬式のあとは必ず寝込むわたしです。
でも先月からずっと調子が悪くて、夕飯もごくたまにしか作れていません。

今日は動けますように。


                                         pencil伽羅moon3

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今生の別れを。

カウンセラーさんの葬儀告別式に参列してきました。
通夜に引き続きお顔も見られたし、棺にお花を入れることもできました。
棺の蓋を閉める儀式にも参加させてもらえました。

棺が炉に入るまで、お見送りをさせていただけました。

          +++++++++++++++++++

お通夜が余りにも辛くて、お葬式に行くのをやめたいと内心思ったんです。
でも、わざわざ休みを取ってまでわたしの『お見送りしたい』という気持ちを大切にしてくれた夫に、そうは言えませんでした。

「明日は朝が早いから、寝る前のお薬を早めに飲んで、眠れなくてもいいから横になっていてね。」と言ってくれる夫に頷き、後悔するに決まってるから辛くても行こう、と決めたのでした。

通夜の夜はまた泣いてしまいました。
本当に死んでしまわれたんだ…。
わたしはこの人だけと決めていたたった一人のカウンセラーを失ったんだ…。

飲みに行きたかった。本当に。
治って恋愛相談にのる約束もしていたのに。
こんなに若くして亡くなってしまうなんて。
こんな形で頼りにしていたカウンセリングが終了してしまうなんて。

早く寝るなんてことは出来ず、いつもと余り変わらない時間になって眠りにつきました。
でも翌朝はちゃんと起きることができました。

斎場は、距離としては近いのですが不便なところにあり、夫に車で連れて行ってもらえてとても楽でした。

通夜に比較すると参列者は少なく、どういうわけか親族も減っており、わたしと夫は焼香のあとも椅子に座って最後のお別れをしていくことができそうでした。


葬儀が終わり、お別れの儀式が始まるまでの間ロビーに出されたとき、カウンセリングルームの大先生と受付の人がわたしを見つけてくれました。
「火曜日にお会いしたんです。それで次回のお約束もして、そのとき『倒れたら連絡します』っておっしゃったんです。でも電話来ませんでした。死んじゃったんですもの!」
わたしは大先生に口早にそう告げるとワッと泣きました。
夫が常にわたしを抱きかかえてくれており、大先生はわたしの背中や肩を撫でて、
「彼、あなたのこと、心残りだと思うわよ。」と言ってくれてわたしは一層泣きました。

やがて扉が開き、お別れの儀が始まりました。
親族の方に長い綿棒が手渡され、ワインを含んだ綿花が彼の唇に押し当てられてゆきました。

親族の方々がいろんなものを棺に入れ、お花も添えると、ドアの外の私たちにも声がかかりました。
わたしは夫に支えられたまま歩み寄って、白いバラとカーネーションを手に取り、お顔のそばに行きました。
やすらかで、うっすらと微笑んでいるようにさえ見えるお顔でした。

左頬の脇に花を入れ、わたしはその頬に触れました。
びっくりするくらい冷たくて、でも柔らかな頬でした。
夫はそっと彼の額に触れました。

ありがとう。ありがとう。ありがとう。ありがとう。ありがとう…

呪文のようにお礼をささやいてわたしは棺から離れました。
みなさんがヒクくらい泣いてしまい、誰かが椅子を用意して座らせてくれました。
夫がいてくれなかったら怪しまれるくらい泣きました。

夫とは違う手がわたしの肩をずっと撫でてくれていました。

花入れが終わり、棺に蓋をするとき、いる人みんなで持ちました。
静かに蓋は閉められ、そして男性の手で棺がストレッチャーに運ばれました。


わたしたちは、棺が炉に入るまでを見送りました。
今生の別れです。
来世でも必ず出会う。
それまでの長いお別れです。

ありがとう。忘れない。そしてまた、来世で必ず…。

          ++++++++++++++++++

いっぱい泣きました。怪しいくらい泣きました。
彼に触れたのは最初で最後でした。握手さえしたことがなかったのです。
充分、お見送りができました。
わたしはその夜、夫にお礼のメールをしました。

お通夜お葬式に連れて行ってくれたことのお礼。
そして、2年にわたってカウンセリングを受けさせてもらえたことのお礼。
わたしは心から夫に感謝をしました。

運命的に出会った人だったから、こんな風にカウンセリングが終わってしまったのもまた運命として受け入れましょう。

命を持って教えてくださいました。
人はこんな風に急に死んでしまうことがあるということを。
だからわたしは誓います。
二度と「死にたい」なんて思わない。
「消えたい」なんて口にしない。

揺れるつり橋を、よろよろと、じっくり渡っていきます。
大事に生きて行きます。

          ++++++++++++++++++

コメント・メールで共に悼み、慰めをくださったみなさま、本当に嬉しかったです。
ありがとうございました。

                                        pencil伽羅moon3


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*ご報告

7月7日、無事にカウンセラーさんの葬儀告別式に参列することができました。

お通夜では辛くて辛くて、お葬式に行くのをやめたい!とまで実は思ったのですが、行って本当に良かったです。

さっきまで寝込んでおりました。
今日はエネルギーがないので、記事は明日UPしますね。

また、コメントにレスをつけることも今夜は控えます。
みなさん、ありがとうweep


弱い人間は悪い人間でしょうか?
甘い人間は間違っている人間でしょうか。
なぜ今いきなりそれを問われるのかわたしにはわかりません。

ではまた明日、記事を書きます。
来てくださるのをお待ちしていますね。
皆さまのお心遣いに感謝いたします。

                                           pencil伽羅moon3

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三つ目のグラス

春に叔父が亡くなったとき、喪服が窮屈でボタンが止まらなかったわたしは、夫に頼んで通販で安いアンサンブルを買っておきました。

結婚記念日に、豪華な真珠のネックレスも買ってもらいました。

それはきっとそのうちやってくる叔父や叔母の葬儀に使うのだろうと思っていました。
こんなに早く、こんなに悲しい別れに使う時が来るとは、もちろん思ってもみませんでした。

人の死はどんな死もある意味突然ではあります。
自殺以外はすべて寿命ですと、気功の先生には言われました。
けれど早すぎる。突然すぎる。奪われてしまったという悲しみは一層つのります。

          ++++++++++++++++++

お通夜の会場の前で、遠く祭壇の上の彼の顔写真を見ながら、わたしは震えていました。
とうとう顔を見て認める時が来てしまった。

係りの人に「お顔を見せていただくことはできますか?」と聞いてみると、「はい、いいですよ!」と元気な返事が戻って来ました。

わたしは夫に支えられ、係りの人について祭壇に辿り着きました。

綺麗なお顔でした。
わたしの涙がボトボトと音を立てて棺に落ちました。
涙に遮られてだんだんお顔が見えなくなりました。
何度も、何度も呼びかけました。何度も何度も。

この人を失ったことが悲しい!
わたしは吊り橋の手すりを外されてしまったようなものです。
このぐらぐらの橋をどう渡っていくのか、わたしにはまだ想像もつきません。

          ++++++++++++++++++

焼香を済ませて部屋の外に出ると、弔問客の列は斎場の玄関まで延々と続いていました。
お顔を拝見したくて早くに行ったわたしたちは部屋の中の椅子に座れたのですが、その弔問客の数には驚きました。

お清めの席で、同じテーブルだった人たちはカウンセラー仲間のようでした。
 よく笑う人だったわよね。
 そうね笑顔が印象的よね。
 しかしよく飲むヤツだったよな。
 ワインがお好きでね、氷を入れて飲むのが好きだったわよね。
 でも、早すぎる…。

わたしたち夫婦は黙ってその会話を聞いてお清めを軽く済ませ、お先にと挨拶して辞しました。


わたしは、すべての事をカウンセラーに話して来ました。
でも、彼のことを何も知らないんだという事を知りました。
いっぱいお仲間がいらして、お付き合いもなさっていて、楽しい時間を過ごされていたんだ…。
わたしは彼を何も知らないということが寂しく感じました。

帰るときにもまだ弔問の列は続いていました。
家に帰って喪服を脱いで、床にへたり込んで泣きました。
夫が布団を敷いて寝かせてくれました。
わたしはしばらく泣きました。

通夜から帰宅したとZにメールすると、彼女が電話をくれました。
女神の声を聞いてわたしは一層泣きました。
日曜日に会おうと言ってくれました。

夕飯は夫がスーパーに行って色々買って来てくれました。
ワインの小さいボトルも買って来てありました。
わたしでもきっと同じことをしたでしょう。

グラスを三つ用意しました。


わたしが治ってクライアントじゃなくなったら、3人で飲みに行く約束でした。
それが叶わずに逝ってしまわれました。
三つ目のグラスにもワインを注ぎ、私たちは献杯をしました。

          ++++++++++++++++++

お葬式にも行きたいと思っているのは、可能なら棺を見送りたいと思ったからです。
出来れば棺に花を入れたい。
親族でも友人でもないわたしがそんなこと出来ないかもしれません。普通、出来ません。
出来なかったらもちろん諦めます。
でも棺を見送るために、行って来ます。


わたしの、生涯にたった一人のカウンセラー。
心から、お慕いし、頼りにしておりました。

                                           pencil伽羅moon3

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追悼〔珠玉の言葉〕

自分の大切な記録として、カウンセラーの言葉を記した記事をピックアップしてみました。
わたしのカウンセラーは、こんなにすばらしい宝石のような言葉の数々を残してくれています。

興味のある方は読んでみてください。
あくまでわたしが自分のために集めたものであって、押し付けるつもりは毛頭ありませんのでご理解くださいね。

          ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

〔惜しみなく。〕
http://kyara-hime.cocolog-nifty.com/blog/2007/09/post_b646.html

〔「もう無理」が言えなかった。〕
http://kyara-hime.cocolog-nifty.com/blog/2007/11/post_b272.html

〔墜落〕
http://kyara-hime.cocolog-nifty.com/blog/2007/11/post_eccf.html

〔インナーチャイルドは泣き叫ぶ〕
http://kyara-hime.cocolog-nifty.com/blog/2007/11/post_d449.html

〔眼の力〕
http://kyara-hime.cocolog-nifty.com/blog/2007/11/post_82dc.html

〔「行かないでくれ。」〕
http://kyara-hime.cocolog-nifty.com/blog/2007/12/post_c1c6.html

〔ベッドの真ん中に〕
http://kyara-hime.cocolog-nifty.com/blog/2007/12/post_a0bb.html

〔治れなくていい。〕
http://kyara-hime.cocolog-nifty.com/blog/2007/12/post_21ec.html

〔氷河〕
http://kyara-hime.cocolog-nifty.com/blog/2007/12/post_5159.html

〔蜘蛛の糸〕
http://kyara-hime.cocolog-nifty.com/blog/2007/12/post_767e.html

〔‘No problem’まいっか。〕
http://kyara-hime.cocolog-nifty.com/blog/2007/12/post_6b63.html

〔殺される心〕
http://kyara-hime.cocolog-nifty.com/blog/2007/12/post_6b8d.html

〔【退行】〕
http://kyara-hime.cocolog-nifty.com/blog/2008/02/post_3146.html

〔発見!〕
http://kyara-hime.cocolog-nifty.com/blog/2008/03/post_6667.html

〔カウンセリングに…。〕
http://kyara-hime.cocolog-nifty.com/blog/2008/09/post-38a1.html

〔「かくまわれる」〕
http://kyara-hime.cocolog-nifty.com/blog/2008/10/post-3aef.html

〔「歪み」(ひずみ)の正体〕
http://kyara-hime.cocolog-nifty.com/blog/2008/10/post-f863.html

〔こわれそう。〕
http://kyara-hime.cocolog-nifty.com/blog/2009/01/post-98ff.html

〔押し付けない人々〕
http://kyara-hime.cocolog-nifty.com/blog/2009/01/post-ea26.html

〔リスタート〕
http://kyara-hime.cocolog-nifty.com/blog/2009/01/post-9ee1.html

〔墜ちている理由〕
http://kyara-hime.cocolog-nifty.com/blog/2009/02/post-aefc.html

〔裂傷〕
http://kyara-hime.cocolog-nifty.com/blog/2009/03/post-d29c.html

〔繰り返す質問〕
http://kyara-hime.cocolog-nifty.com/blog/2009/03/post-bd0b.html

〔恥ずかしい。〕
http://kyara-hime.cocolog-nifty.com/blog/2009/03/post-e078.html

〔底を見たのち〕
http://kyara-hime.cocolog-nifty.com/blog/2009/04/post-ba92.html

〔超合金になれない〕
http://kyara-hime.cocolog-nifty.com/blog/2009/04/post-6bd3.html

〔女々しいぞ。〕
http://kyara-hime.cocolog-nifty.com/blog/2009/04/post-8dc3.html

〔売れ残った『商品』〕
http://kyara-hime.cocolog-nifty.com/blog/2009/06/post-4758.html

〔甘えます。〕
http://kyara-hime.cocolog-nifty.com/blog/2009/07/post-c6fb.html


                                           伽羅weep

typhoon
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